「シティタワーズ東京ベイ」は“買い”? 価格・スペック・立地をプロが徹底調査! 割安感はないが、湾岸では珍しい駅近物件

2019年1月23日公開(2023年10月2日更新)
櫻井幸雄:住宅評論家

新築マンション「シティタワーズ東京ベイ」は東京都江東区の注目物件だが、本当に買いなのか、価格・スペック・立地を徹底的に調査してみた。マンション南側に首都高速湾岸線があるのがネックだが、総戸数1539戸の免震トリプルタワーは、湾岸エリアでは珍しい駅近物件だ。ワイドスパンの採用で住み心地も重視。2LDKが6000万円前後という価格設定に割安感はないが、2017年9月の販売開始から約1年で約600戸を売り切っている。(住宅評論家・櫻井幸雄)

総戸数1539戸で大型商業施設や
ホテルとともに複合開発

 「シティタワーズ東京ベイ」は、湾岸エリアに建設される総戸数1539戸の巨大マンションだ。しかし、その特徴はマンションとしてスケールが大きいだけではない。

 大型商業施設、ホテル、イベントホールなどとともに複合開発され、全体が完成したときには、湾岸の人気スポットの一つになるはずだ。そこでの生活はどのようなものになるのか、現時点では想像しにくいほどだ。

 開発計画の全貌は、徐々に明らかにされている。

 「シティタワーズ東京ベイ」の販売活動が始まった2017年の春、マンション3棟の建物完成予想模型が公開された。その1年半後の2018年秋、マンション周辺の商業施設、ホテル、コンサートホールを“増設”して一大ジオラマが公開されている。

 このマンションに住めば、こんな暮らしが実現する、という夢をよりリアルに感じられるようになった。マンションのすぐ隣の巨大な建物で、日々の買い物ができるし、ファッションなど特別な買い物も楽しめる。食事もコンサートも楽しめ、そして子育て支援施設も併設される。楽しみが多いマンションといえる。買い物施設には、日本初上陸の施設が複数出店する。そのなかには、「スポーツエンターテイメント施設」や「劇場」も誘致される計画だ。

「シティタワーズ東京ベイ」は3つのタワーで構成される巨大免震マンション。
シティタワーズ東京ベイ(物件詳細はこちら)
シティタワーズ東京ベイ価格6,800万円~16,500万円
完成時期2019年7月
交通東京臨海高速鉄道りんかい線「国際展示場」駅 徒歩4分~8分、新交通ゆりかもめ「有明」駅 徒歩3分~6分
所在地東京都江東区有明二丁目107番5他(地番)
間取り1LD・K~3LD・K
専有面積38.20㎡~82.88㎡
物件の特徴総戸数1539戸
  • 国家戦略特区認定事業。大規模住宅・商業複合開発「有明ガーデン」の象徴となるマンション。
  • 全1,539邸の超高層大規模免震トリプルタワーマンション。
  • 竣工済につき棟内モデルルーム見学受付。
施工前田建設工業株式会社
売主住友不動産株式会社
資料請求はこちら
(ライフルホームズ詳細へ)

マンション南側に首都高速湾岸線があるのがネック

 一方で、短所となるのが、マンション南側に高首都高速湾岸線があること。そのことから、騒音や排気ガスの影響を気にする人もいるだろう。しかし、湾岸エリアでは、高速道路に面していることは大きな問題にならない。そのことは、台場タワーズやワールドシティタワーズなど、高速道路に面した人気マンションが多いことで証明されている。

 むしろ、首都高速湾岸線が南側にあるため、その先の眺望、ゲートブリッジや羽田方向がよく見えるという長所も生まれている。

湾岸エリアでは珍しい駅近物件

 「シティタワーズ東京ベイ」には、もうひとつ大きな特徴がある。

 それは、「駅近」であることだ。だからこそ、2017年9月から契約を開始して1年余りで600戸もの住戸が売れたのだと考えられる。

 意外なことに、有明や東雲、豊洲といった湾岸エリアには、駅から歩いて10分以上のマンションが多い。最寄りの鉄道駅までバスを使うマンションもある。もともと、湾岸エリアは東京駅や銀座界隈まで5㎞程度以内という都心近接の場所。大手町や銀座にも自転車でも行きやすいので、「便利な場所」のイメージがある。「便利な場所」であるのは事実なのだが、駅から遠いマンションが少なくないのだ。

 そのなかにあって、「シティタワーズ東京ベイ」は、東京臨海高速鉄道りんかい線国際展示場駅まで徒歩4分で、ゆりかもめ有明駅まで徒歩3分。それも、ペディストリアンデッキや陸橋など歩行者専用道路を歩いて4分と3分なので、早く、安全だ。

 湾岸エリアの事情を知っている人ほど、この「駅に近い」特性に飛びつく。そういうマンションは少ないことを熟知しているからだ。

 加えて、「シティタワーズ東京ベイ」では、東京メトロ有楽町線豊洲駅まで直行する住人専用のシャトルバスを運行する計画があるし、東京駅や銀座界隈への路線バスも利用しやすい、という特徴もある。

 同マンションの横には現在建設中の環状2号線があり、環状2号線が開通すれば、新橋や虎ノ門、赤坂、六本木方面へも直結する。その環状2号線にはBRT(バス高速輸送システム)が運行される予定になっており、鉄道と同様に使える新しい交通手段として期待されている。

 近年、湾岸エリアでは、居住人口が増え、都心に向かう電車は混雑するという難点が生まれている。そこで、期待されるのが、新しい交通手段であるBRT。BRTができれば、相対的に電車の混雑度が緩和される、という効果も期待できそうだ。

最寄りの江東区立有明小・中学校は
「施設一体型の小中連携校」

 「シティタワーズ東京ベイ」が建設される有明エリアではすでに2000戸もの住宅が分譲され、この地で生活を営む家族が増加。休日には親子連れの姿が目立つようになっている。

 これから、ますます活気が出る、注目が集まる、という場所に住むことは大きな魅力となるだろう。ちなみに、最寄りの江東区立有明小・中学校は「施設一体型の小中連携校」。厳密にいうと小中一貫校ではないが、それに近い性格があり、児童と生徒の交流や教職員の協力体制もよい、と評価が高い。

 魅力の多い場所に誕生する大規模複合開発マンションが、「シティタワーズ東京ベイ」といえる。

2LDKは6000万円前後、3LDKは7000万円台から

 「シティタワーズ東京ベイ」の建物は3棟に分かれ、地上33階建てが2棟で、地下1階地上32階建てが1棟の構成。すべてに免震構造が採用され、地震の揺れを軽減させるマンションとなる。

 エントランスはホテルのロビーを思わせる2層吹き抜け。玄関キーをバッグやポケットに入れておけばオートロックが解除されるハンズフリー方式が採用される。

 住戸内の工夫も多く、キッチンにはディスポーザー(生ゴミ粉砕処理機)と食器洗い乾燥機、天然石カウンタートップを標準設置。浴室にはミストサウナ、タンクレストイレなどとひとクラス上の設備を備える。

 加えて、開放的な室内を実現するのも、同マンションの特徴。LD部分の天井高は最大2.6メートルと高く、ワイドスパンの採用ですべての居室を開口部側に設置される。つまり、すべての部屋に窓が付く。バルコニー側の柱を極力住戸の外に出すアウトフレーム設計で、室内の有効面積を拡大。収納スペースを多く設置する、といった住み心地重視のプランニングが行われる。

 その分譲価格は、約43㎡〜80㎡の1LD・K〜3LD・Kが4590万円から9790万円。2LDKで6000万円前後、3LDKは7000万円台から、といったところだ。誰にでも購入できるマンションではないが、なんとか買えるという人も少なくない。その絶妙な価格設定も、同マンションが売れている理由といえそうだ。

 湾岸エリアのマンションとして、「3LDKが7000万円台」というのは、標準的な設定といえる。といっても、シティタワーズ東京ベイが立地する有明エリアは、湾岸のなかでも分譲価格が抑えられている場所だった。だから、もっと安くしてもよいといわれそうだが、従来の有明立地物件は駅から10分以上歩くものばかりだった。それに対して、「シティタワーズ東京ベイ」は、駅から徒歩4分以内という便利さがある。

 駅に近く、便利なマンションは相場価格よりも高くなるが普通だ。最寄りの東京臨海高速鉄道りんかい線国際展示場駅とゆりかもめ有明駅周辺は、商業施設の魅力が薄い。しかし、「シティタワーズ東京ベイ」は、魅力的な商業施設が併設される。それらを考え合わせれば、「シティタワーズ東京ベイ」の価格設定は順当といえるだろう。

■編集部追記(2020年1月)

 2019年11月末、住友不動産は「シティタワーズ東京ベイ」を含む一体開発プロジェクトの名称を「有明ガーデン」に決定し、計画概要を公表した。

 トリプルタワーとなる「シティタワーズ東京ベイ」に併設されるのは、ホテル、約8000人収容のシアター、大型ショッピングセンター、劇団四季専用の劇場などとなっている。生活する上で注目すべきは、やはりショッピングセンターとなるだろう。ここには食品スーパーマーケットの「イオン」をはじめ、ファッション、雑貨、カフェなど約200店舗が出店する。

 湾岸エリアでは、2008年に大型商業施設「ららぽーと豊洲」と地下で直結する「アーバンドック パークシティ豊洲」が竣工して以来の商業施設と一体開発のマンションとなる。

有明ガーデン有明ガーデンの敷地レイアウト

 開業は2020年春の予定だ。

シティタワーズ東京ベイ(物件詳細はこちら)
シティタワーズ東京ベイ価格6,800万円~16,500万円
完成時期2019年7月
交通東京臨海高速鉄道りんかい線「国際展示場」駅 徒歩4分~8分、新交通ゆりかもめ「有明」駅 徒歩3分~6分
所在地東京都江東区有明二丁目107番5他(地番)
間取り1LD・K~3LD・K
専有面積38.20㎡~82.88㎡
物件の特徴総戸数1539戸
  • 国家戦略特区認定事業。大規模住宅・商業複合開発「有明ガーデン」の象徴となるマンション。
  • 全1,539邸の超高層大規模免震トリプルタワーマンション。
  • 竣工済につき棟内モデルルーム見学受付。
施工前田建設工業株式会社
売主住友不動産株式会社
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