北海道で、史上最高額となった新築マンションがある。札幌市中央区、円山公園駅から徒歩3分の場所に立つ「ブランズ円山外苑前」だ。都心の喧騒から少し離れた場所にあり、特別感ある中層の小規模マンション。ブランズ円山外苑前のような高額で特別なマンションは普段、一般の人の目に触れることがないのだが、今回、完成した建物内を取材する機会に恵まれた。(住宅評論家・櫻井幸雄)※新築販売時の記事です。
一般の人の目に触れることがない、超高額マンション
東京、大阪、名古屋、横浜といった大都市で、「最も高額なマンション」として想像されるのは、中心地に立つ超高層マンションの最上階住戸。便利で華やかな場所に立つ“天上の御殿”だろう。
しかし、本当に高額なのは、中低層の小規模マンション。六本木や表参道の喧噪から一歩離れた場所に、ひっそりとたたずむ小ぶりのマンションが桁外れの価格で分譲されているのが実情だ。
東京都心部の場合、超高層マンション最上階住戸が15億円〜20億円程度になるのに対し、中低層・小規模マンションでは50億円を超える住戸も販売されている。
驚くべき価格設定で、当然ながら、購入できるのは世界的な富豪たち。一般の人では、モデルルームを見学することもできない。
そして、取材も受け付けてもらえず、たとえ取材ができたとしても、「記事にするのは不可」という条件付きになるのが普通だ。だから、そんなマンションがあることさえ知らない人が多い。
一般の目に触れることがない特別なマンションとはどのようなものなのか、その様子をモデルルームではなく、実物を見る機会に恵まれた。
今、札幌市内で「北海道では史上最高額」となるマンションが販売されており、完成した建物内を取材できたのである。
ブランズ円山外苑前の建設地は、
以前から注目されていた特別な場所
今回、取材できたのは、「ブランズ円山外苑前」。東急不動産が事業主となり、地上8階建て地下1階建て、全50戸の中層・小規模マンションだ。
その建設地は、札幌市営地下鉄東西線「円山(まるやま)公園」駅から徒歩3分。円山公園駅は札幌の中心地に位置する大通駅から、地下鉄東西線で3つ目の駅。都心の喧噪から一歩離れた場所となる。そして、建設地は以前から不動産業界で特別視されていた場所でもある。
というのも、その地にはもともと銀行の社宅があり、いずれ土地が売却されたら、北海道で最高額となるマンションが誕生する、と目されていたからだ。
その場所が特別視されたのは、北海道民にとって心のよりどころとなる北海道神宮・円山公園の入り口に位置し、おしゃれなショップ、飲食店が集まる裏参道にも近い立地であることが大きい。
北海道民にとって、「円山」「北海道神宮」「裏参道」は、東京都民における「青山」「明治神宮」「表参道」のような憧れのキーワード。ピカイチの場所なのである。
マンションの住戸からは、円山公園・北海道神宮に続く宮ノ森の緑もみえるし、静かな暮らしも実現する……そんなマンションができたら、ぜひ暮らしてみたい、と多くの道民が夢見ていた。
以下が、「ブランズ円山外苑前」の住所とスペック表だ。
【完売】ブランズ円山外苑前(※新築時のデータです)
- 価格
- 13,568.5万円(1戸)~33,426.4万円(1戸)
- 完成時期
- 即入居可
- 北海道札幌市中央区大通西28丁目59-5 (地番)
- 札幌市営地下鉄東西線 「円山公園」駅から徒歩 3分 (3番出口利用)
- 間取り
- 2LDK ~ 4LDK
- 専有面積
- 121.78㎡ ~ 151.61㎡
- 総戸数
- 50戸
- 売主
- 東急不動産株式会社
- 施工会社
- 西松建設株式会社
※データは2020年11月9日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
最高額住戸は分譲価格が4億円を超えた!
「ブランズ円山外苑前」の住戸は、約77㎡の2LDKタイプから約174㎡の4LDKタイプまでの住戸バリエーションがあり、最高額住戸は4億円以上。東京の超高額マンションと比べれば、1けた違う価格水準だが、それでも、北海道では「びっくりするくらい高い!」とされた。
4億円超の住戸が、北海道における史上最高額マンションである。ちなみに、この住戸は販売開始とともに売れてしまった。
建物が完成した今、残り住戸は数戸になっているが、そのなかには、7階、8階のプレミアム住戸も含まれている。プレミアム住戸は上の写真のような雰囲気で、今回見学できたのはその一部。
約151㎡の8階住戸は価格が3億円を超え、やはり北海道における史上最高レベルだ。そのリビングダイニングは約26畳の広さで、約4畳のキッチンが別に付く。リビングの天上高は2m70cmで、サッシの高さは2m45cm。リビングの窓の一部は、北海道の住宅で一般的な二重窓ではなく、一重だ。
クリアな景色と断熱性を備えたサッシを採用
一重の窓でも、酷寒の地で十分な断熱性を実現するように、アルミと樹脂の「ハイブリッド断熱サッシ」を採用(一部除く)。
このサッシは、北海道で初採用された先進の窓である。クリアな一重で天井までのハイサッシだから、窓の外の緑や紅葉、雪景色がくっきり見える。見学した部屋からは、窓の外に、有名なレストランの建物も…。
二重サッシが当たり前の北海道では得がたい特徴だ。
また、建物の外壁は、天然御影石張りの部分が多く、エントランスには北海道を代表する彫刻家、安田侃氏の彫刻作品が展示されている。
安田氏の作品は、新しく完成した札幌駅構内にも展示され、待ち合わせの目印になっている。それと同じニュアンスの彫刻がマンションの所蔵品になっているわけだ。
専用ガレージ(駐車場)はすべて地下で自走式
全戸分プラスアルファの専用ガレージ(駐車場)は、すべて地下に設けられ、自走式となる。そして、住戸の中には、自室内の階段を地下に下りると専用の駐車スペースがあり、シャッターで他の駐車場と分けられている特殊プランもある。
北海道新幹線の開通を考えると、
ブランズ円山外苑前はお買い得か!?
一戸一戸に異なる個性を持たせ、手づくりのように仕上げられるのも、小規模超高級マンションの特徴なのである。
札幌で「びっくりするくらい高額」といわれる「ブランズ円山外苑前」の価格設定だが、東京や京都のマンション相場からすると抑えた設定にみえる。その札幌では、2030年の北海道新幹線の延伸開通が予定されている。
北海道新幹線が札幌まで到達したとき、富裕層のセカンドハウス需要でこの地のマンション価格は高騰する可能性が高い。
そう考えると、「ブランズ円山外苑前」はお買い得ではないか、とさえ思えるのである。
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