新築マンション「パークコート神宮北参道 ザ タワー」は、東京メトロ副都心線「北参道」駅徒歩1分、全471戸の高級マンション。三井不動産の最上位ブランド、パークコートシリーズで、平均価格は2臆2800万円だ。それでも、資料請求やモデルルームの来場者は、驚くほど多く、第1期の売れ行きは絶好調だ。(住宅評論家・櫻井幸雄)※新築販売時の記事です。
「パークコート神宮北参道 ザ タワー」の平均価格は、2億2800万円!
「パークコート神宮北参道 ザ タワー」は、2021年に新規販売された都心マンションの中で、一番の注目物件といえるだろう。
2021年4月から第1期販売が開始され、資料請求するためのエントリー総数が約9300件。販売センターの来場者数は1659組(10月31日時点)と、いずれも、都心の高額マンションとしては、驚異的な数字である。
さらに、第1期として発売された222戸に対し、11月10日時点ですでに211戸に申し込みが入っている。
第1期で販売された住戸は、61.35㎡〜237.49㎡の2LDK〜3LDKで1億2880万円から13億7000万円。すべて1億円以上で、平均価格が2億2800万円。それが、半年ほどで211戸も売れてしまったのである。単純計算で1カ月30戸以上。つまり、平均2億円以上の商品が毎日1戸ずつ売れていったことになる。
この事実を知ると、やはりバブルか、の思いを抱く人もいるはずだ。しかし、実際のバブルを知っている身からすると、あの当時の狂乱ぶりはない。確かに価格は高いのだが、それほど無茶な価格設定とは思えないからだ。
たとえば、今から5年前の2016年に販売された「パークコート赤坂檜町ザ タワー」は、東京ミッドタウンに隣接するという立地の良さもあり、約203㎡の住戸が15億円だった。それからの5年間は、都心マンションが大きく値上がりした時期にあたる。都心部では1.5倍から2倍に値上がりしている物件もある。
パークコート神宮北参道 ザ タワー(※新築時のデータです)
- 価格
- ー
- 完成時期
- 2023年7月下旬入居予定
- 東京都渋谷区千駄ヶ谷4丁目6番1
- 東京メトロ副都心線「北参道」駅徒歩1分他
- 間取り
- 一般販売住戸:1LDK~3LDK
- 専有面積
- 40.40㎡~137.10㎡
- 総戸数
- 471戸(販売総戸数471戸、他に店舗1戸)
- 売主
- 三井不動産レジデンシャル
- 施工会社
- -
※データは2021年11月22日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
「パークコート神宮北参道 ザ タワー」VS「パークコート赤坂檜町ザ タワー」
その状況を勘案して、もう一度価格を見ると、「パークコート神宮北参道 ザ タワー」の最高額住戸は、約237㎡で13億7000万円だ。
2018年に完成した「パークコート赤坂檜町ザ タワー」よりも安い。そして、13億7000万円の住戸は、最上階のルーフバルコニー付きとなる。部屋から屋上に上がる階段と専用エレベーターも付く。なんと、専用エレベーターは、住戸と屋上を結ぶだけのものというぜいたくなつくりだ。
そして、屋上には専用で使用できるジェットバスも付く。いずれも、「パークコート赤坂檜町ザ タワー」にはなかった設備仕様だ。
だから、「パークコート神宮北参道」は、「パークコート赤坂檜町ザ タワー」より割安だ、とも言い切れないところが、マンションの妙というもの。2つのマンションは、同じ都心部に位置するものの、立地特性が大きく異なるのだ。
「パークコート神宮北参道 ザ タワー」の立地は、マイナス点か?
はっきり言って、「パークコート神宮北参道 ザ タワー」の立地はいま一つパッとしない。六本木の東京ミッドタウンに隣接する「パークコート赤坂檜町ザ タワー」と比べれば、華やかさで大きく劣る。
建設地は、東京メトロ副都心線北参道駅から徒歩1分、代々木駅から徒歩6分の明治通り沿い。この説明で、ああ、あの場所かと思い当たる人は北参道や千駄ヶ谷エリアに地縁がある人だけではないか。
周囲には、渋谷区千駄ヶ谷の高級住宅地が広がるし、昔ながらの商店街も残っている。有名デザイナーのアトリエやブティック、隠れ家的な飲食店もあるのだが、いずれも、コアなファンにしか知られていない事実であり、全国的に名の知られた場所ではない。
不動産関係者なら「大京本社の近く」と言えば、それだけで分かるし、出版関係者には幻冬舎の近く、というだけでおおよその検討はつくはず。しかし、一般の人には、どんな場所なのかわかりにくい土地である。にもかかわらず、同マンションの注目度が高いのは、説明を聞けば誰でも理解できる環境の良さと、建物の「特別感」が理由と考えられる。
「パークコート神宮北参道 ザ タワー」のメリットは、静かで緑豊かな環境
「パークコート神宮北参道 ザ タワー」には、2つの特徴がある。
まず、環境の良さについて説明しよう。もともと、建設地一帯は歴史ある住宅エリアだ。かつて高級マンションの代名詞だった「ホーマット」も存在している。
そして、夜は静かだ。首都高速4号新宿線が通っているし、明治通りも近いので、その騒音がひどいのでは、と知らない人は思いがち。ところが、実際には、夜は驚くほど静かになる。深夜の明治通りは交通量が激減するし、首都高は防音壁が高いせいか、音が気にならない。
もちろん、遠くで「ゴーッ」という音は絶えずあるが、それは都心部ならどこででも聞こえる都市騒音というべきもの。直接的な騒音は少ない。その静かさは、住んでいる人しか分からないだろう。
そして、巨大な緑地にも囲まれている。明治通りを挟んだ南西側には明治神宮と代々木公園があり、首都高速4号新宿線の向こう、建設地の北東側には新宿御苑がある。さらに、南東側には神宮外苑があり、高層階からは、緑が広がる光景が手に入る。多くの緑地に囲まれているのは、「パークコート神宮北参道 ザ タワー」のわかりやすい長所となる。
特別感を感じる、曲線を生かしたつくりが特徴
次に、もう一つの特徴である建物の特別感について説明する。
「パークコート神宮北参道 ザ タワー」は、曲線を存分に生かしたマンションとなる。建物外観も柔らかな曲線で構成される。角張った形状になりやすい鉄筋コンクリート造のマンションにおいて、曲線を多用するフォルムは個性を際立たせる。
さらに、一部の住戸は間取りも曲線で構成される。一般的に、壁がカーブする間取りは使いにくいとされる。壁に沿って家具を配置できず、デッドスペース(活用できない空間)が生まれるからだ。しかし、「パークコート神宮北参道 ザ タワー」で公開されている2つのモデルルームでは、そんなことは気にならない。
モデルルームは約90㎡と約237㎡のもので、いずれも1LDKとしてゆったりした間取りになっている。そのうち約90㎡のプランでもLDKが約30畳大もあるため、家具のデッドスペースに頭を悩ませることはない。
お金に余裕のある方々には、このような「特別感」が好まれる。「パークコート赤坂檜町ザ タワー」の住戸にも同様の特別感があったが、「パークコート神宮北参道 ザ タワー」の特別感はさらに一歩も二歩も進んでいる。
圧巻が約237㎡のモデルルームだ。そのリビングにはコーナーウインドーが設けられ、展望ルームのような眺望を実現する。展望ルームのようにするため、建物の角に配置される柱を室内側にずらしている。この柱は円柱となり、通常の鉄筋コンクリート造ではない特別な構造になっている。
曲線を生かしたモデルルームでは、トイレの壁も特別な仕様。曲線の壁にモザイクタイルをみごとに貼っているのだ。さらに、曲線の室内ドアも設けられていた。
販売価格が10億円を超えるような超高額住戸は、オーダーメードで仕上げられるのが普通で、モデルルームでは「こんな風にするのはいかがでしょうか?」という提案が行われる。これに対し、購入を検討する人も目が肥えており、工夫した箇所を理解し、喜ぶ。だから、都心の超高額マンションは、ますます凝ったつくりを追求するようになっている。
注目は、今後販売される1LDK
「パークコート神宮北参道 ザ タワー」の第1期で販売されたのは基本タイプとして2LDK以上の住戸。それを1LDKに間取り変更してモデルルームで公開されていた。
実は、同マンションには基本タイプが1LDKになっている住戸もあり、それは未発売だ。1LDKは価格が抑えられる見通しのため(現時点では、価格未定)、販売すれば、すぐに売れると考えられているからだろう。1LDKが登場するのではないか、と目される第2期販売は、2022年年明けから行われる見通しだ。
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