「グランドシティタワー池袋」は、その名が示すとおり、豊島区・池袋エリアのタワーマンションである。東池袋駅徒歩1分、地上52階建て・総戸数878戸の大型物件であり、注目は中古物件で人気の「ブリリアタワー池袋」と似た条件という点だ。モデルルームを訪問して、その魅力などを探った。価格予想とあわせて解説する。
東池袋駅から徒歩1分「グランドシティタワー池袋」
「グランドシティタワー池袋」は、JR山手線ほか複数の路線が利用できる池袋駅から徒歩8分〜9分(東京メトロ丸ノ内線池袋駅から徒歩8分、JR山手線池袋駅から徒歩9分など)。
池袋駅からの距離でいえば、特に便利とはいえない。しかし、もう一つの駅は極めて近い。それは、東京メトロ有楽町線の東池袋駅だ。同駅からは「徒歩1分」となる。
しかも、地上に出ることなく、東池袋駅直結の地下通路を歩いて1分で「グランドシティタワー池袋」に到達することができる。
グランドシティタワー池袋(物件詳細はこちら)
- 価格
- 14,500万円~20,500万円
- 完成時期
- 2026年11月
- 東京都豊島区南池袋二丁目100番他(地番)
- 東京メトロ有楽町線「東池袋」駅 徒歩1分、東京メトロ有楽町線「池袋」駅 徒歩8分、東京メトロ副都心線「池袋」駅 徒歩8分
- 間取り
- 2LD・K~3LD・K
- 専有面積
- 54.92㎡~75.44㎡
- 総戸数
- 878戸
- 売主
- 住友不動産株式会社(国土交通大臣(16)第38号 (一社)不動産協会会員、(公社)首都圏不動産公正取引協議会加盟)・三井住友信託銀行株式会社(国土交通大臣(届出)第1号 (一社)不動産協会会員、(公社)首都圏不動産公正取引協議会加盟)
- 施工会社
- 清水・前田建設共同企業体
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※データは2024年9月25日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
中古で値上がりが続く「ブリリアタワー池袋」も東池袋駅から徒歩1分
実は、東池袋駅と地下で直結し、同駅まで徒歩1分となる超高層マンションはすでに存在している。2013年に分譲された「ブリリアタワー池袋」だ。
「ブリリアタワー池袋」は、再開発により、豊島区本庁舎と一体型のタワーマンションとして建設された。わかりやすくいえば、豊島区本庁舎の上に超高層マンションが乗る形式である。極めて特殊なマンションであるし、地下鉄駅だけでなく、スーパーマーケットや区立中央図書館も地下で結ばれていることで大人気となり、「ブリリアタワー池袋」は短期間に完売。以後、中古市場で値上がりを続けている。
といっても、中古で次から次に売れているわけではない。買いたいという人は多いのだが、中古の売り物が出ないのだ。中古が出れば高値で売れるマンション……それが10年前に販売された「ブリリアタワー池袋」である。
「グランドシティタワー池袋」は、その「ブリリアタワー池袋」と同じ地下通路を使い、同様に「東池袋駅から徒歩1分」となるマンションとなるわけだ。
現在、「ブリリアタワー池袋」に通じる地下通路で新たな経路を造る工事が行われている。中古で「ブリリアタワー池袋」を買いたいという人は多い。が、売り物は出ない。そこに、同じような立地条件で最新のマンションが建設されている。それが、「グランドシティタワー池袋」となる。
加えると、「グランドシティタワー池袋」の南側では新たな超高層マンションの建設計画もある。「プラウドタワー池袋」だ。そうなると、「ブリリアタワー池袋」の中古がよいか、新築される「グランドシティタワー池袋」がよいか、それともこれから販売が始まる「プラウドタワー池袋」を待ったほうがよいか……購入者には悩ましい状況が生じている。
第3期でもまだ販売序盤? 住友不動産の販売手法を解説
「グランドシティタワー池袋」は、2023年秋から販売が始まり、第1期と第2期の販売が終了。第3期販売が8月下旬から行われる予定になっている。第3期ということは、そろそろ終盤か、と思う人もいるだろう。しかし、住友不動産の販売手法からすると、まだ中盤、もしかすると序盤にすぎないかもしれない。
住友不動産は20年後に完売すればよし…という戦略?
建物完成予定は2026年11月中旬予定となっているが、同社の販売実績からすると、販売のゴールはそのはるか先に設定されているはずであるからだ。どういうことかというと、「建物完成から5年後か10年後、いや20年後に完売すればよし……」という販売戦略であり、この先、市況が悪化し、都心マンションの売れ行きが落ちたとしても、簡単に値下げをしないつもりだ。理由は、いずれ経済が持ち直し、再びマンション価格の上昇が起きると考えられるからだ。
買う側からすると「安くなったタイミングを狙う」というやり方が通用しないということになる。
第3期で価格が下がらない理由
かつて、新築分譲マンションで「値下げ」が起きた時期、不動産会社各社は短期間に完売することを目指した。早く売りたいので、市況が悪くなれば、あわてて値下げをした。しかしながら、「値下げ」が功を奏することはなかった。値段が下がったことで、マンションの魅力が下がり、客足がますます遠のいた。結局、値下げしてよいことは起きなかった。それは、不動産業界の教訓として残っている。
多くの不動産会社が最後にマンションの値下げを行ったのは、リーマン・ショック(2008年)後の不況期。そのとき、値下げを行わず、販売価格を維持し続けたのが住友不動産だった。
以後、「建物完成後も、長く販売を続ける」姿勢や、「値下げを行わず、むしろ販売が進むごとに価格が上がる」という販売手法は他の不動産会社が追随するところとなった。
そのことを勘案すると、「グランドシティタワー池袋」は、長期の計画で販売が展開されることは間違いない。つまり、第3期で価格が下がることはあり得ないし、長い目で見れば、第3期くらいまでは「まだ安かった」といえる時期にあたるかもしれない。
第3期の販売価格を予測
では、第3期の価格はどのくらいになるのか。が、残念ながら、この取材を行った7月中旬時点で第3期の価格は未定。価格の目安も漏れてこない。それは、住友不動産社内においても「未定」状態であることを意味している。そこで、第1期と第2期の販売価格、そして周辺の中古マンション相場から、第3期の価格を可能な限り予測してみたい。
第1期の価格が割安と評価された理由
「グランドシティタワー池袋」で、昨年9月に行われた第1期販売は、約54㎡〜88㎡が約1億円から約2億円という水準。平均坪単価で700万円程度と計算された。これは、割安と評価され、発売された60戸は短期間に完売。最高で13倍の抽選になった住戸も出た。
割安と評価された理由の一つが、10年前に販売された「ブリリアタワー池袋」の中古より安いと考えられたこと。「ブリリアタワー池袋」では、6億円で売り出された中古住戸もある。それは上層階で約160㎡の特大住戸……希少価値が極めて高いため、「試しに6億円で売りに出してみた」というところだろう。
「ブリリアタワー池袋では中古の売り物がめったに出ない」と先述したが、その出現率は1年に1物件出るかどうか。成約事例は坪当たり800万円程度、とみられている。
160㎡で6億円の住戸で坪単価を計算すると、1200万円を超える……なんとも驚くべき価格水準である。
同じような立地条件で10年前のマンションが坪800万円なのに、ピカピカの新築マンションが坪700万円。だから、「グランドシティタワー池袋」の第1期は人気となったのである。
第2期は第1期より2割ほど価格が上がった
当然、第2期では価格が上昇。第1期よりも2割ほど高くなった印象だった。
坪700万円程度だったのが、800万円台後半……とはいえ、築10年の「ブリリアタワー池袋」が坪800万円であることを考えれば、順当な価格設定と考えられる。
8月中旬から行われる第3期販売では、価格がさらに上がると予想される。が、どれくらい上がるのか、非常にわかりにくい事情もある。それは、第3期で販売される住戸が、第1期、第2期とは異なるラインアップになる可能性が高いからだ。
第3期では、待望の100㎡住戸が出る?
実は、第1期と第2期で発売された住戸の構成はほぼ同じ。50㎡台から大きくても88㎡までだった。これに対し、落胆の声を漏らす購入検討者が少なからずいた。「100㎡住戸は出ないのか」というわけだ。
「都心タワマンの上層階100㎡住戸」に憧れる人は多い。「グランドシティタワー池袋」でも、100㎡住戸が販売されることになっている。しかし、第1期、第2期では売り出されなかった。それが、第3期で販売されそうなのだ。
現在、「グランドシティタワー池袋」のホームページで公開されている第3期の「予告」では、第3期として販売される住戸は専有面積45.44㎡〜104.03㎡と表記されている。販売戸数未定、販売価格未定ではあるが、104.03㎡の住戸が販売される予定になっているのだ。
残念ながら、104.03㎡住戸の間取り図は公開されていない。しかし、バルコニー面積から、どんな住戸かを推測することができる。第3期の予告で、バルコニー面積10.64㎡〜40.86㎡と表記されているが、「バルコニー面積40.86㎡」というのは、104.03㎡の住戸に広いバルコニーが付いていることを表しているのだろう。
バルコニーが40㎡もあるマンション住戸は2つのパターンが考えられる。一つはルーフバルコニー付き住戸。そして、もうひとつは、角住戸ですべての辺にバルコニーが付く住戸だ。
「グランドシティタワー池袋」は超高層マンションなので、ルーフバルコニーが付くことはない。104.03㎡住戸は角住戸タイプで、周囲にバルコニーを巡らせたプランになると考えられる。同マンションは地上52階建ての超高層だが、全戸に大きめのバルコニーを設置している。
同社のシティタワーシリーズでは、「ダイレクトパノラマウィンドウ」を採用することが多い。バルコニーを設けず、窓からの向こうに眺望が広がる仕様である。眺望を楽しむには最適の窓となるのだが、半面、開閉制限が加わり、窓が少ししか開かないことになりがち。それに対し、バルコニーを設ければ、窓が大きく開くし、バルコニーに出て外の空気を吸うこともできる。
これは、長く住み続ける人にとって、好ましい要因となる。「ダイレクトパノラマウィンドウ」を広めたのは住友不動産なのだが、同社は近年、「快適に住み続けること」の価値を重視しはじめた。大きなバルコニーも、その流れで設けられたものだろう。「グランドシティタワー池袋」は、実は住み心地の良さを追求したマンションでもあるのだ。
グランドシティタワー池袋(物件詳細はこちら)
- 価格
- 14,500万円~20,500万円
- 完成時期
- 2026年11月
- 東京都豊島区南池袋二丁目100番他(地番)
- 東京メトロ有楽町線「東池袋」駅 徒歩1分、東京メトロ有楽町線「池袋」駅 徒歩8分、東京メトロ副都心線「池袋」駅 徒歩8分
- 間取り
- 2LD・K~3LD・K
- 専有面積
- 54.92㎡~75.44㎡
- 総戸数
- 878戸
- 売主
- 住友不動産株式会社(国土交通大臣(16)第38号 (一社)不動産協会会員、(公社)首都圏不動産公正取引協議会加盟)・三井住友信託銀行株式会社(国土交通大臣(届出)第1号 (一社)不動産協会会員、(公社)首都圏不動産公正取引協議会加盟)
- 施工会社
- 清水・前田建設共同企業体
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※データは2024年9月25日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
「グランドシティタワー池袋」と「ブリリアタワー池袋」との違い
「グランドシティタワー池袋」は、13年前に分譲された「ブリリアタワー池袋」とどんな点が違っているのか。
大きな相違点は、「ブリリアタワー池袋」が中間免震構造であるのに対し、「グランドシティタワー池袋」は制震構造である点だ。
超高層マンションは免震構造に限る、と考えている人には残念な特徴となるだろう。制震構造を採用した理由は明らかにされていない。しかながら、免震構造の超高層マンションが増えている現在、制震構造を採用したのは、それなりの理由があるはずだ。たとえば、52階建てで風の影響を受けやすい建物形状と判定されたから……大地震の際の長周期地震動への配慮があるのかもしれない。
超高層建築物のなかには、免震構造ではなくあえて制震構造を採用するケースがある。横浜のランドマークタワーも東京都庁も制震構造である。一方で、「ブリリアタワー池袋」より進化していると評価されるのは、「ZEH-Mオリエンテッド」になっている点と、「長期優良住宅」になっている点だ。
省エネ性能を高める「ZEH-Mオリエンテッド」であるため、リビング以外の1室に床暖房が設置されるという長所も生まれる。それ以上に居住満足度を高めてくれるのが、長期優良住宅の認定を受けた建物になっていることだ。その長所として挙げられるのは、建物が長寿命のつくりになっていること。そして、更新性が高いことも長所となる。
更新性が高いとは、配管や設備機器の交換が容易で、間取りの変更もしやすくなっていることを意味する。住友不動産・総合マンションギャラリー池袋館で公開されているモデルルームでは、その特徴がよく分かる部分がある。
それは、キッチン部分。システムキッチンとリビングを区切る壁が一切なく、フルオープンになっていること。この「フルオープン」はオプション設定で、「希望すればこのようにできます」ということを示している。
多くのマンションでは、希望しても、キッチンをフルオープンにはできない。それは、キッチンとリビングの間に設けられた壁内に共用の排水管が入っているからだ。この排水管は将来リフォームを行うときも動かすことができない。だから、間取り変更の障害になってしまう。
その点、長期優良住宅の認定を受けている「グランドシティタワー池袋」では、共用の排水管(共用竪管という)を邪魔にならないように配置している。その結果、間取り変更もリフォームも容易になっているわけだ。これも、長く住み続けるためにはうれしい工夫と評価される。
「グランドシティタワー池袋」のメリットとデメリット
メリット
「グランドシティタワー池袋」の大きな特徴は地下鉄駅と地下通路で直結し、徒歩1分であること。そして、建物が地上52階建てで総戸数878戸の大規模であることも際立つ特性となる。
地上60m、階数にしてだいたい20階を超えることが「超高層」と呼べる基準となるのだが、超高層マンションが増えた今、二十数階建てではさほど高いとは思えなくなってしまった。
30階建てでも、インパクトは薄い。40階を超えると、ようやく超高層らしい風貌を感じる。そして、ひときわ背が高いと思えるのは、50階を超えた建物。「グランドシティタワー池袋」は、その基準を超え、非常に目立つマンションとなる。
「グランドシティタワー池袋」の建設地はJR山手線の内側だ。じつは、山手線内側で総戸数が800戸を超える大規模、地上50階を超える超高層のマンションは極めて希少である。50階・800戸を超える建物が複数見つかる湾岸は、すべてJR山手線の外側に位置する。
純粋な都心部では、今後50階建てを超える超高層マンションが建設される可能性は低い。50階を超える建物を建設できる場所であれば、オフィスビルやホテルを建設してしまうからだ。「グランドシティタワー池袋」は、山手線内側ではまれな50階オーバーの超高層マンションである。その希少性は、これから先も色あせることはない。
その希少性に気づいた人が同マンションを高く評価。上層階の大型住戸を狙う、という状況が生まれている。
デメリット
一方で、短所となるのは、南側に別のマンションが建設され、眺望をふさがれる住戸が生じてしまうということ。それを残念と思う人は、「南側に建つマンションのほうがよい」ということになるだろう。
ただし、駅からの距離は「グランドシティタワー池袋」のほうが近い。南側に建つマンションは、東池袋駅から地下通路を使って「グランドシティタワー池袋」まで来て、エスカレーターでデッキに上がり、デッキを通ってマンションまで行くことになる。
つまり、眺望を取るか、駅への近さを取るか、で迷うことになるわけだ。
まとめ
「グランドシティタワー池袋」は、駅に近くて便利だが、「眺望をふさがれる」懸念がある。この「眺望をふさがれる」は、どの程度になるか、建物が出来上がるまで分からない。
そこで、有効になるのが、建物ができてからも販売を続ける売り方。実際の建物、実際の住戸で眺望を確認して、購入を決めてもらおうというわけだ。
それなら、確実なマンション購入が実現するだろう。が、後半になればなるほど、販売価格が上がる可能性がある。購入者にとっては、まことにもって悩ましいところとなるだろう。
グランドシティタワー池袋(物件詳細はこちら)
- 価格
- 14,500万円~20,500万円
- 完成時期
- 2026年11月
- 東京都豊島区南池袋二丁目100番他(地番)
- 東京メトロ有楽町線「東池袋」駅 徒歩1分、東京メトロ有楽町線「池袋」駅 徒歩8分、東京メトロ副都心線「池袋」駅 徒歩8分
- 間取り
- 2LD・K~3LD・K
- 専有面積
- 54.92㎡~75.44㎡
- 総戸数
- 878戸
- 売主
- 住友不動産株式会社(国土交通大臣(16)第38号 (一社)不動産協会会員、(公社)首都圏不動産公正取引協議会加盟)・三井住友信託銀行株式会社(国土交通大臣(届出)第1号 (一社)不動産協会会員、(公社)首都圏不動産公正取引協議会加盟)
- 施工会社
- 清水・前田建設共同企業体
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※データは2024年9月25日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
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