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【グランドメゾン品川シーサイドの杜】
価格・スペック・立地をプロが徹底調査!
割高なのに人気を集める物件の魅力とは?

2017年10月28日公開(2024年9月30日更新)
櫻井幸雄:住宅評論家

「グランドメゾン品川シーサイドの杜」の価格・スペック・立地を徹底的に調査した。最寄り駅となる「品川シーサイド」駅周辺では、他にも2つの大規模マンションが販売中。「グランドメゾン品川シーサイドの杜」は競合物件と比べて価格は高いが、意外や意外、資料請求が多く、販売センターも熱気を帯びている。(住宅評論家・櫻井幸雄)※新築販売時の記事です。

2LDKはライバル物件より860万円高い!

 今、東京都品川区内で新築マンションの販売合戦が熱を帯びている。東京臨海高速鉄道りんかい線「品川シーサイド」駅周辺で、同時に3つの大規模マンションが販売されているのだ。

 3つのマンションに共通する特徴は、戸数規模が大きいこと。全817戸の「プライムパークス品川シーサイド ザ・タワー」(京急電鉄、大和ハウス工業、三菱地所レジデンスなど5社共同事業)、全335戸の「プライムパークス品川シーサイド ザ・レジデンス」(同4社共同事業)、そして、687戸の「グランドメゾン品川シーサイドの杜」(積水ハウス)だ。

 いずれも「品川シーサイド」駅から徒歩3分~5分で、京浜急行本線「青物横丁」駅も徒歩圏であり、イオン品川シーサイド店を利用しやすいという立地特性を持つ。ほぼ同じ立地条件で事業主も大手となると、分譲価格で差別化を図りたくなる。以下の表は2LDKの分譲価格を比較したものだ。

 品川区の3つのマンションの2LDKの分譲価格を比較!(2017年10月現在)
 物件名 分譲価格(2LDK)
 「プライムパークス品川シーサイド ザ・タワー」 4790万円
 「プライムパークス品川シーサイド ザ・レジデンス」 4650万円
 「グランドメゾン品川シーサイドの杜」 5510万円

 表を見ると、「グランドメゾン品川シーサイドの杜」の2LDKの分譲価格は5510万円と際立って高く感じる。4650万円と最も安い「プライムパークス品川シーサイド ザ・レジデンス」と比べると、860万円もの差がある。

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後出しジャンケンで勝ちを収める!?

 新築マンション購入において、「同じような立地、同じような広さの間取りだったら、1円でも安い方が良い」という考え方がある。「マンションは立地がすべて。中古として売るときは、立地と広さで価格が決まる。だから、同じ立地、同じ広さなら1円でも安い物件の方が売却時の利益が大きくなる」という発想である。この考えを支持する人にとって、860万円の差は有無を言わさぬ決定要因になる。

 「860万円も高いマンション、誰が買うねん!」

 と思わず関西口調になったのはテンポの良さが理由で、他意はない……。

 誰だって、むやみに高いものを買いたくない。日々の買い物で、常にそう考えている。500円、1000円の商品に対して「割高ではないか」と警戒する習慣が身に付いている。何千万円もするマンションであれば、なおさら警戒心が高まる。

 だから、同様の立地で複数のマンションが競合するとき、不動産会社は必死に価格調整を行う。競合マンションの予定価格を探り、それよりも安いと思える価格を提示する。これで、競合マンションよりも有利に販売活動を行うことができるからだ。

 そのため、複数のマンションが競合するとき、最後に価格を発表したマンションが最初に売り抜けるという現象が起きる。他のマンションの価格を知った上で、割安感のある価格設定を発表。“後出しジャンケン”で勝ちを収めるわけだ。

スペックを上げすぎて価格を下げられない

 品川シーサイドで競合する3つのマンションのうち、最後に販売活動を始めたのは、じつは「グランドメゾン品川シーサイドの杜」だった。“後出しジャンケン”で勝つことができる条件を与えられたのに、打ち出した価格は圧倒的に不利なもの。他の2物件よりも、明らかに高い設定だった。

 普通だったら、他の2物件より割安か、少なくとも同レベルの価格設定にする。そうしなかったのは、安くできないほど、建物にお金をかけたからだと考えられる。

 これまで、日本のマンションには、「建物にお金をかけすぎた」という事例がいくつかあった。いわゆるオーバースペックのマンションである。スペック(仕様)を上げすぎた結果、販売価格が高くなりすぎ、購入者にそっぽを向かれた失敗事例である。

 後述するが、「グランドメゾン品川シーサイドの杜」も建物の仕様を上げている。その結果、860万円という価格差が生じてしまった。となれば、購入者にそっぽを向かれる可能性が生じる。「グランドメゾン品川シーサイドの杜」の販売センターは閑古鳥が鳴いているのではないか、と心配になる。が、実際に販売センターを訪れると、そんな寂しさは感じられなかった。

 「見学者が殺到!」というわけではないが、落ち着いた雰囲気の中に熱気が帯びている。

 見学者に話を聞くと、「価格が高い分、モノがよい。それは十分に分かる」と評価する一方、「やはり価格の高さが壁になり、迷っている」という人が多いようだ。「うーん、どうしよう」という体温の上昇が、販売センターに熱気を生んでいるのかもしれない。

「グランドメゾン品川 シーサイドの杜」のモデルルームの写真。大きな窓と凝った装飾が印象的だ。

資産価値が下がりそうでも諦めきれない

 マイホームを探す人は、「家は将来値下がりしないことが大事」という考え方と共に、「満足して住むことができる家が欲しい」という気持ちも持っている。前者が資産価値重視で、後者が居住満足度重視の発想だ。どちらも重要な要素で、どちらを重視するかは人によって異なる、というのが私の取材感だ。

 今の世の中、特にインターネットサイトの世界では資産価値重視派の意見が多い。「資産価値よりも、居住満足度のほうを重視したい」などと発言すると、もれなく反論が出てくる。「将来、お金が必要になったとき、家が希望通りの値段で売れないと大変なことになる」と。

 ところが、マイホームを探す人たちの多くは、最後の最後に「気持ち」で決断する。「こっちのマンションの方が、各種データで資産価値は高い」と分かっていても、気持ちが動かない物件には、契約の判を押さないのだ。逆に、気持ちが動いた物件は、「値段が高すぎる」、「将来、売るときは利益が出にくい」などと合理的理由が分かっていても、諦めきれないものだ。

長期優良住宅認定と耐震等級2がウリ

 「グランドメゾン品川シーサイドの杜」はマイホームを探す人にとって、その質の高さから、不合理と分かっていても、諦めきれないマンションと言える。

 諦め切れない理由としてまず注目したいのは、長期優良住宅の認定を受けている点だ。長期優良住宅は、当初「200年住宅」という呼び名を持っていた。昭和時代に日本のマンションは「1世紀(100年)に及ぶ寿命」を持つようになった。「200年住宅」という呼び名には、「100年が達成されたら、次は200年……」という意味が込められていたのだが、「200年もつかどうかは、200年経たないと分からない」という監督省庁の声(指導ではない)に建設業界、不動産業界は畏れひれ伏し、あっけなく「200年」の看板は下ろされた。

 代わりに掲げられた「長期優良住宅認定住宅」は、うどんの素茹でのように長いだけで味もなければありがたみもない。それでも、耐久性が高く、長持ちする。設備機器や間取りの更新もしやすいのは事実だ。

 さらに、「グランドメゾン品川シーサイドの杜」は耐震等級「2」を実現する。マンションにおける耐震等級「2」は、病院や学校並みに地震に強いことを示しており、建設に手間がかかることから、認定物件はかなり希少となる。首都圏全体で1%程度しかないのだ。

 長期優良住宅の認定を受け、耐震等級が「2」であることは購入者にとって非常に頼もしい。

居住性を高めるための様々な工夫

 以上の事実を知ると、「1円でも安いほうが良い」とは、別の気持ちが芽生えてくる。それは、「マンションの購入は一生に一度かもしれない大きな買い物だから、後悔のないものを選びたい」という気持ちだ。

「グランドメゾン品川シーサイドの杜」は、居住性を高めるための細やかな工夫も豊富だ。例えば、全体で12基ものエレベーターを設置し、ひとつのエレベーターを利用する人数を制限。基本的に1フロア4戸で1基のエレベーターを利用する方式で、都心の高額物件などで採用される方式である。その結果、共用廊下を通る人が限られるし、両面バルコニーの住戸を多くすることもできる。さらに、全住戸の玄関前にポーチもしくはアルコーブを設けて、プライバシーとセキュリティを守る設計になっている。 

天井が2.2mと高く、廊下幅も広いリッチな空間を提供

 住戸内でも他と差別化を図る特徴が多い。

 「他のマンションと違う」ことは、モデルルームの玄関に入った瞬間に分かる。

 まず、玄関からリビングに向かう廊下部分の天井が高く、心地よい。一般的な天井高より10㎝程度高い2.2mで、そこから折り上げで天井中央部がさらに高くなっている。天井と壁の色は白で、折り上げ部分はブラウン。お洒落である。

 さらに、メーターモジュールで設計されているため廊下幅が広く、廊下に面する室内ドアを壁面から一段奥にセットバックさせ、ドアノブが歩行の邪魔にならないようになっている。細かなことを言うと、このセットバックという技術は内開きドアなら簡単に導入できるが、トイレのドアなど外開きドアでは導入させにくい。しかし、「グランドメゾン品川シーサイドの杜」はこの外開きトイレのドアまでもドア枠の工夫でセットバックさせてある。こうしたひと手間が、他のマンションでは見ることができないリッチな廊下空間を作り出している。

品川区内では珍しい、緑の多さも魅力

 LDは全戸12畳以上の広さがあり、隣り合い居室間にウォールドアを標準設置している。バルコニーに出るサッシのクレセントを幼児の手の届きにくい1.4mの高さにおき、親が目を離した隙にバルコニーから転落するなどの事故を防ぐ、といった新しい工夫も採用されている。

 敷地面積約1万3000㎡で、そのうち約3700㎡が緑地帯。品川区内で、これだけ緑に囲まれたマンションは珍しい。里山を手本にしたという豊かな杜の風景は、年月の経過と共に更に成熟を増すはずだ。

「グランドメゾン品川 シーサイドの杜」の外観。緑に囲まれ、品川区とは思えない落ち着いた雰囲気を醸し出している。

 盛りだくさんの内容を知り、資料請求をする人、見学する人、そして大いに頭を悩ませる人が続出しているマンション、それが「グランドメゾン品川シーサイドの杜」である。

「グランドメゾン品川シーサイドの杜」のモデルルームの写真。大きな窓と凝った装飾が印象的だ。
 

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