「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」は、ゴールドクレストが進める新築マンションプロジェクトだ。完成すると、東京メトロ東西線の南砂町駅から徒歩1分、15階建て全396戸の大規模マンションとなる。今回は、立地の魅力を探るとともに、販売価格を予想してみたい。(画像)「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」外観完成予想CG/(出典:公式サイト)
「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」の立地は?
「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」の立地の特徴は、3つある。
・都心に近いわりに、物件価格が安いエリア
・徒歩圏内に2つの大規模ショッピングモールがある
究極の駅近物件!
「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」は、南砂町駅の出口1を出ると、すぐ目の前にある。徒歩1分とうたっているが、駅直結に近い立地となっている。地下道からマンションの入り口につながるか、または雨に濡れないようなペデストリアンデッキ(歩行者専用通路)があれば、もっと資産価値が上がっていたはずだ。文句のない駅前物件だが、残念なのはその部分だろう。
南砂町は、コスパの良い街!
南砂町は、東京駅6キロ圏内にあり、通勤利便性を考えた時にとても便利な駅と言える。東京メトロ東西線を利用すれば、「日本橋」へ11分(通勤時間帯)、「大手町」へ13分(通勤時間帯)という近さだ。
仮に日本橋に通勤することを考えると、東西線を南砂町と逆の西方向に11分すすんだ駅は、「神楽坂」となる。路線は変わるが、銀座線で北に向かい日本橋まで約10分の駅は、上野の隣「稲荷町」だ。「神楽坂」や「稲荷町」周辺のマンション価格を考えると、「南砂町」は相当にコスパの良い街だということがわかるだろう。
日本橋や大手町にオフィスがある人や頻繁に出かける用事がある人にとっては、狙い目の街と言える。
充実のショッピングスポット!
「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」の徒歩圏内には、「トピレックプラザ」「南砂町ショッピングセンター SUNAMO」と2つの大型ショッピングセンターがある。
「トピレックプラザ」は、南砂町駅から徒歩5~6分にあり、スーパーマーケットの「イオンスタイル」やホームセンターの「ドイト」、娯楽施設の「ラウンドワン」や飲食店などがある。ほかに、歯科医院や整形外科医院などクリニックもある。広い駐車場が完備され、ファミリーで楽しめる施設となっている。
また、「トピレックプラザ」の近くには、「江東区立江東図書館」や「江東区役所南砂出張所」があり、生活に必要な施設が集まっている。
一方、「南砂町ショッピングセンター SUNAMO」は2008年にオープンしたショッピングセンターで、南砂町駅から徒歩約8分。スーパーマーケットの「イオンフードスタイルbyダイエー」や家電「コジマ×ビックカメラ」をはじめ、ホームセンターの「カインズ」やファストファッションの「ユニクロ」、スポーツジム「DO SPORTS PLAZA」など8つの大型施設と約100の専門店が入っている。
2つの大型ショッピングセンターがあり、日常生活に必要な買い物が街の中で完結するというのが南砂町の魅力と言える。ただ、「トピレックプラザ」「南砂町ショッピングセンター SUNAMO」とも、マンションから徒歩で10分程度かかるというのが気になるところ。休日の買い物には良いが、毎日の食材の買い出しには少しおっくうな距離だ。
「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」の価格は?
「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」の価格は未発表だが、周辺物件から金額を予測してみよう。
まず、2024年3月竣工済みの新築マンション「シティテラス南砂」の価格から見てみたい。現在残っている部屋は一部で詳しい条件は不明だが、以下のような価格の部屋がある。駅から徒歩7分で、立地条件は「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」より劣っている。
また、2022年1月に竣工した「ジオ南砂町」の中古物件も売買例がある。駅からは徒歩12分と距離があるが、参考までに記しておく。
南砂町駅 徒歩12分 15階建 総戸数348戸
売買例:68.26㎡ 7080万円(坪単価342万円)
*マンションレビューより(2024年9月15日時点)
「シティテラス南砂」は、高めの価格設定に感じるが、マンション全体の坪単価平均は380万円程度になっているようだ。はたして「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」は、坪単価400万円を超えてくるのか。そこがひとつの焦点となるだろう。400万円を若干超えた程度なら、十分納得感のある価格だと言えそうだ。
「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」の特徴は?
次に物件の特徴を見てみよう。「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」の内容については、公式ホームページで紹介されているが、2024年8月現在、アクセスやロケーションやデザイン、一部の間取りなど、公開されている情報は限られている。
また、最近の新築マンション販売に多い方式だが、物件エントリーをした人にだけ限定サイトが公開される。ただ、こちらの情報もまだかなり限定的だ。公開されている情報を中心に、特徴的なものを解説しておきたい。
売り主の「ゴールドクレスト」とは?
「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」の売り主であるゴールドクレストは、1992年設立の比較的新しい不動産会社で、首都圏を中心に、新築マンションの開発、分譲などを行っている。供給実績は30,000戸を超え、昨今注目度が増しているデベロッパーだ。
ゴールドクレストが提供するマンションブランドのシリーズは、以下のようになっている。
・クレストシティ:大規模マンションシリーズ
・クレストタワー:都心部再開発エリアのタワーマンション
・クレストレジデンス:都市型の中低層マンション
・クレストラフィーネ:都心の駅近立地にこだわったマンション
都心物件としては、「クレストタワー品川シーサイド」や「クレストラフィーネ東日本橋」などがある。今回「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」にゴールドクレストのマンションブランド名を使うとすると、「クレストラフィーネ」がつく可能性が高いだろう。
マンションのデザインは?
「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」の特徴の一つに建物デザインがある。駅前の大規模マンションというと、大抵は超高層のタワーマンションをつくり、街のランドマークマンションとすることが多いが、「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」は一番高い階が15階で、山形の雁行(がんこう)設計となっている。
「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」のある地下鉄出口1の周辺は、コンビニや飲食店がある、いわゆる“駅前感”が一切なく、築年数がたっていそうな集合住宅があちこちに立っているだけだ。
そうした場所にいきなりタワーマンションが建つと、唐突な感じをおぼえるだろうから、周囲と調和するようなデザインはタワーマンションよりかえって高評価となるかもしれない。建物の周りには植栽をし、住民以外の人でも通れるような道をつくる計画もある。
「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」の気になる間取りは?
気になったのは、公開済みのプランの中で一番広い南東角の82.35㎡の部屋である。
まずユニークなのは、廊下に面した洋室2つのドアが引き戸なこと。廊下を通るときにドアノブに引っかかることもなく、廊下がすっきりした印象になる。
また、収納が豊富というのも利点だろう。洋室1には、2.3畳もあるビックウォークインクローゼットが、洋室2にも約1畳のウォークインクローゼットがあり、ほかに1.8畳のマルチスペースもある。
そして、バルコニーが2つあるという点も注目だ。サービスバルコニーは、生活感が出やすい洗濯干し場やエアコンの室外機置き場として使え、とても便利だ。また、通常玄関前のスペースは共用部となり、私物を置けない決まりとなることが多いが、この部屋には扉付きのポーチがあるため、ベビーカーや傘など私物を置ける可能性が高い。
「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」のメリット・デメリット
改めて「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」のメリットとデメリットをまとめてみた。
・駅徒歩1分の駅近物件
・南砂町は、都心に近くコスパの良い街
・徒歩圏内に2つのショッピングセンターがある
・都心に増えている定期借地権マンションではなく、所有権マンション
・南砂町のナンバーワン物件となる
・周辺にコンビニやスーパーがない
・駅1分だが、屋根のある通路がない
・荒川に近く、氾濫の危険がある
立地、物件の規模から見て「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」が、南砂町のナンバーワン物件になるのは間違いない。
ただ、気になるのは水害だ。江東区の水害ハザードマップを見ると、マンション建設予定地については予想される浸水はさほど深くないが、東陽町から東のエリアは荒川の影響で、危険度は高くなる。マンションの防災対策をしっかりと確認する必要があるだろう。
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まとめ
首都圏の新築マンションの供給戸数は、確実に減少傾向にある。その中にあって、「(仮称)南砂町駅前プロジェクト」は、マンションの命と言える立地面で非常に魅力のある物件だ。特に、勤務地が日本橋、大手町周辺だという人は、早めに物件エントリーをし、最新情報を得ることをおすすめしたい。
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