大阪でタワーマンション計画が続いている。「中之島5丁目計画(仮称)」は住友商事、住友不動産、関電不動産開発などが開発・販売する、地上52階建て・高さ196mの超高層タワーマンションだ。場所は大阪メトロの新駅が計画されている中之島開発エリアで、総戸数は650戸程度になるとみられる。複合開発となる中之島開発エリアの内容と併せて現地を取材し、リポートする。(フリーライター・神納まお)
駅前・複合開発・超高層タワマン「中之島5丁目計画(仮称)」の特徴は?
「中之島5丁目計画(仮称)」の大きな特徴は3つある。
- ・京阪・なにわ筋線の中之島駅(2031年開業予定)徒歩すぐ
- ・大規模オフィス、ホテルなどが複数建設されるビッグプロジェクト
- ・200mクラスの超高層タワーマンションが2棟計画されているうちの1棟
京阪電車の中之島駅は徒歩1〜2分。2031年春開業に向けて工事中のなにわ筋線の中之島駅は目の前のなにわ筋に設置予定なので、駅前というロケーションになる。エントランスの位置や敷地内の導線がどうなるかによって、所要時間は変わってくるだろう。マンションの地下階から直結になる可能性もある。
「中之島5丁目計画(仮称)」はトータルの開発面積が約9.6ha、敷地北側に複数のオフィスビルやホテル、医療関係の施設などの建設を予定。さらに、タワーマンションは2棟計画されており、もう1棟は高さ205メートル、総戸数は1000を超えるという。
うめきた2期開発「グラングリーン大阪」 の「THE NORTH(北) RESIDENCE」と「THE SOUTH(南) RESIDENCE」のツインタワーマンションが170~180mなので、それをしのぐ200mクラスのツインタワーマンションが中之島に出現することになる。
【関連記事はこちら】
>>「グラングリーン大阪 THE SOUTH RESIDENCE」の価格は? うめきた2期開発でランドマークタワマンが誕生
>>「グラングリーン大阪 THE NORTH RESIDENCE」の価格は? 関西過去最高25億を記録した大阪・梅田一等地のタワーマンションを徹底取材!
「中之島5丁目計画(仮称)」の利便性
前述した通り「中之島5丁目計画(仮称)」は京阪電車中之島線の中之島駅から徒歩1〜2分という交通ロケーションとなる。さらにJR東西線の新福島駅、阪神本線の福島駅、大阪メトロ四つ橋線の肥後橋駅へも徒歩10分圏内だ。
そして、2031年春開業に向けて工事中のなにわ筋線の中之島駅は大阪・梅田方面、難波、さらに関西国際空港方面へつながる。
なにわ筋線の中之島駅から大阪駅までは1駅のため、マンションのエントランスから大阪駅まで3〜4分という可能性が高い。
また、中之島、近隣の福島エリアには「住友病院」や「JCHO大阪病院」など大病院があるため、バスが充実しているのも特徴だ。大阪シティバスのほか、JR大阪駅西口から中之島周辺を巡回する中之島ループバス「ふらら」の利便性が高い。
「中之島5丁目計画(仮称)」現地の様子は
「中之島5丁目計画(仮称)」の現地は着工前の準備段階で、着工は2025年11月1日予定、竣工は2030年5月31日の予定だ。南側は道路を挟んで土佐堀川、その先に17階建てのオフィスビルがあるが、100メートル以上の距離が確保されている。
北側は更地となっており、オフィスビルやホテルの建設が予定されているが、高さなどの詳細はまだ不明だ。
「中之島5丁目計画(仮称)」の東側はなにわ筋を挟んでビルが立つが、高い建物はない。南東側は土佐堀川を挟むためビルが立つとしてもある程度の距離がうまれる。周囲の圧迫感が少なく、開放的な景観が期待できるだろう。
「中之島5丁目計画(仮称)」の周辺環境
「中之島5丁目計画(仮称)」の生活ロケーションについてはどうだろうか。スーパーなどの日常的な買い物では、南側の橋を渡ってすぐにライフ土佐堀川店があり、西へ500mほどで阪急オアシス中之島店がある。コンビニも点在している。
また、大阪市の計画用途にはタワーマンションとともに「小規模商業施設」とあり、建物内になんらかの店舗が入るようだ。
中之島には病院が多く、マンション隣の住友病院のほか徒歩圏内に複数の総合病院がある。さらに「中之島5丁目計画(仮称)」内でも医療施設のオープンが予定されている。教育関係施設では、土佐堀川沿いに西へ200mほどで中之島小学校・中学校がある。
さらに中之島エリアは大阪の文化エリアで、「大阪中之島美術館」「国立国際美術館」「大阪市立科学館」などの公共文化施設が徒歩10分圏内に集中している。
大阪市による「中之島5丁目地区・地区計画」によると、タワーマンション以外のメインとしては、複数のオフィスビルになりそうだ。その他ホテル、ショッピング施設、医療機関、といった構成だろう。
さらに同計画書では、敷地内に東西方向(なにわ筋線新駅へつながる)と南北方向(堂島川から土佐堀川をつなぐ)の歩行者用通路を設置する予定となっている。詳細は不明だが、2棟のタワーマンションの間と北側を歩行者用通路が通る可能性が高い。
また、計画には「リーガロイヤルホテル大阪」も含まれている。ホテルの建物は1965年(昭和40年)築なので60年がたつが、現在すでに館内の全面改装を進めており、2025年春にリニューアルオープンする予定。当面、建て替えや移転の可能性は低いだろう。
「中之島5丁目計画(仮称)」の予想価格
「中之島5丁目計画(仮称)」の価格はいくらなのか。現時点では販売予定価格は未定。
間取りなどの予定も不明だ。新築タワーマンションでは近くに販売中の「シエリアタワー中之島」があるが、定期借地権マンションにもかかわらず、平均販売価格は1億円を超えている。間取りは1LDK〜4LDK、専有面積は45.98㎡〜168.43㎡、平均坪単価は今までのところで500万円前後。高層階の100㎡プレミアム住戸は2億円を優に超えている。今後も販売の度に値上げが考えられる。
中古マンションでは築年数7年の「ザ・パークハウス中之島タワー」が、坪単価400万円台での売却が多い。築1年の「ザ・ファインタワー大阪肥後橋」では、おおよそ500万円前後となっている。
「中之島5丁目計画(仮称)タワーマンション」の間取りを仮に1LDK〜4LDK、専有面積を40㎡台〜100㎡とすれば、坪単価で700万円あたりが平均になりそうだ。1LDKの低価格帯で9000万円前後から。70㎡台程度の住戸なら平均で1億5000万円前後になる。高層階で100㎡のプレミアム住居は3億円台という住戸も複数ありそうだ。
【関連記事はこちら】
>>「シエリアタワー中之島」の予想価格は? 総戸数364戸の大規模定借タワマンを徹底解説!
「中之島5丁目計画(仮称)」のポテンシャルは?
「中之島5丁目計画(仮称)」の着工は1年先の2025年11月からだが、中之島エリア再開発計画のメイン事業になることもあり、すでに注目度は高い。
事業者が住友商事・住友不動産・関電不動産開発などということを考えると、ネーミングは「シエリアタワー中之島Ⅱ」「クラッシィタワー中之島」などと想像が広がる。中之島周辺ではこのほかにも、タワーマンション計画になりそうな用地取得が続いている。梅田エリアと比べればまだ価格は低く抑えられているが、今後はさらに値上がりするかもしれない。
【関連記事はこちら】
>>大阪市の「新築マンション人気ランキング」 本町、南森町、阿倍野、北浜、谷町、梅田など、注目エリアのおすすめ物件は?
注目記事>>新築・中古マンション市場動向は? 注目物件や在庫状況など最新市況を不動産アナリストが解説
◆新築マンション人気ランキング |