東京都大田区池上に21年ぶりの新築マンション建設中! 池上エリアは買いか? 駅周辺を歩いて住環境を調査

2026年5月1日公開(2026年5月1日更新)
藤本惣平:ジャーナリスト

東京都大田区の池上駅近くで、このエリアでは21年ぶりとなる新築マンション『ドレッセ池上』の建設が進んでいます。池上駅は東急池上線沿線のローカル駅ながら、池上本門寺をはじめとする豊富な文化財、商業環境、生活利便性を兼ね備えたエリアです。ここでは、池上駅周辺を実際に歩いて確認した住環境と地域の不動産動向を紹介します。池上エリアでの不動産購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。(ジャーナリスト・藤本惣平)

五反田から約20分の池上駅。利便性が高い駅周辺

池上駅のホームは、商業ビル「エトモ池上」内1階にある(筆者撮影)

 池上駅は東急池上線の駅で、五反田駅から乗り換え、所要時間約20分でアクセスできます。1922年、池上本門寺への参拝客輸送を目的に、蒲田駅との間1.8kmを結んだ池上電気鉄道(現:東急池上線)の開業とともに設けられた駅です。

 駅ホームは商業施設「エトモ池上」の1階にあります。2階の改札を出た北口には東急バスのロータリーがあり、大井町駅・大森駅・蒲田駅方面へのバスが頻繁に発着しています。他路線への乗り換えがない池上駅の弱点を補う地元の交通手段として機能していました。

駅前左手から広がる池上駅前通り商店会の様子(筆者撮影)

 駅を出てすぐの池上駅前通り商店会には、金融機関・飲食店・薬局・クリーニング店などが揃い、平日の昼時でも人の往来が多く賑やかです。日曜日ともなると、駅前のミスタードーナツには子ども連れのファミリーやシニアのグループで店内はあふれかえっており、近くのスーパーオオゼキの買い物袋を脇においている姿もみられます。日常的な買い物や用事を駅前で済ませられる生活利便性の高さが確認できます。

 池上駅周辺は、台地部地域として緑豊かな住宅地が広がる高台や、呑川、洗足池などの自然環境、池上本門寺をはじめとする文化財など豊かな地域資産に恵まれています。

池上の本門寺通りと旧街道が残す歴史ある街並み

江戸以前から続く旧池上通りと国登録有形文化財

本門寺通りの入り口。左が『ドレッセ池上』の建設地(筆者撮影)

 駅から北へ向かうと池上通りに出ます。1935年ごろに大森郵便局前から池上本門寺前まで敷かれた「池上バス通り」を前身とする、地区中央を東西に走る幹線道路です。さらに北へ進むと池上本門寺へ続く本門寺通りの入り口が見えてきます。通り沿いには煎餅屋・甘味処・花屋などが点在し、参拝者や来訪者の憩いの場となっています。

 私が足を運んだ際には、名物であるくず餅店の喫茶室でマダム風の出で立ちのご婦人たちに混じり、管理職とおぼしきスーツ姿の男性が甘味を楽しんでいる姿も見られました。

1875年に建てられた酒屋「萬屋」。左手に通るのが平間街道(筆者撮影)

 その先の旧池上通りは、池上本門寺参道前を横切る古街道で、江戸時代以前から存在し、かつては平間街道と呼ばれていました。農家が作物を市場へ運ぶ運搬路として利用されていた通りで、参道前には1875年建築の国登録有形文化財・酒屋「萬屋」が現存し、往時の面影を伝えています。

 近くには区立池上小学校があり、黄色い帽子の子どもたちが元気に駆けていました。教育環境も整っています。

96段の石段と四季の草花・池上本門寺の魅力

池上エリアを代表する、鎌倉時代に開堂された「池上本門寺」(筆者撮影)
2月中旬の開花期には大勢の人出でにぎわう「池上梅園」(筆者撮影)

 池上本門寺(正式名称:長栄山大国院本門寺)は、緑の木々に包まれた小高い丘の頂にあります。法華経の偈文(げもん)96文字にちなんだ96段の石段(此経難持坂)を登ると、日蓮宗の24寺院が点在する寺町が広がります。

 本門寺近辺の池上梅園には、大田区の花である梅が白梅150本・紅梅220本植栽されており、毎年2月ごろの開花期には多くの来訪者が訪れます。ボタン・ツツジも植えられており、四季を通じて草花を楽しめる緑地となっています。庭園内には2つの茶室、和室、見晴台、水琴窟なども設えられています。

住民主導と公民連携で進む池上のまちづくり

明治時代の村から現代の大田区へ・池上の歩んだ歴史

 池上は、1889年の町村制施行で東京府荏原郡の池上村として誕生しました。1926年に池上町となり、1932年に東京市へ編入されて大森区の一部となりました。1947年に大森区と蒲田区が統合・改称され、現在の大田区が成立しています。

 なお、駅南側には路線開業(1922年)以前の1906年~1910年にかけて池上競馬場が開設されていました。閉場後の跡地(現在の池上7〜8丁目)は整備が進み、現在は庭木が茂る戸建て住宅が並ぶ高級住宅街へと生まれ変わっています。

「エトモ池上」が象徴する公民連携の地域活性化

池上地区まちづくりグランドデザインの資料(出典:大田区ホームページ)

 2015年、池上地区の住民が「池上地区まちづくり協議会」を発足しました。2016年に「池上改造構想」、2018年に「池上地区まちづくりガイドライン」を取りまとめました。これを受け、大田区は2019年に「池上地区まちづくりグランドデザイン」を策定。住民・協議会・事業体が連携した取り組みを進めています。

 また、東急電鉄は、2015年から沿線地域のまちづくりと連携した地域活性化に着手していました。2019年には、大田区と公民連携協定を締結し、池上駅周辺を「池上エリアリノベーションプロジェクト」のモデル地区に位置づけました。

 その集大成とも言えるのが、2021年3月完成の「エトモ池上」でしょう。旧駅舎をリニューアルした商業ビルで、1階に駅ホーム、上層階に区立池上図書館・スーパー・カフェ・クリニック・保育園などが入居しています。

池上エリアの駅利用者数、世帯数、地価推移は?

 東急池上線の利用者数、池上の世帯数・人口、そして地価の推移を見ると、池上地区が安定した生活圏として着実に成長を続けていることがわかります。

池上駅の乗降人員推移

 東急池上線池上駅の、ここ5年の乗降人員の推移は以下の通りです。2020年度はコロナ禍による利用者の減少がありましたが、ここ数年は安定した状態が続いています。

池上駅乗降人員推移(東急池上線)

年度 乗降人員(人/日) 前年比
2020年 27,763 -24.1%
2021年 30,775 +10.8%
2022年 32,969 +7.1%
2023年 34,089 +3.4%
2024年 35,181 +3.2%
出典:東急鉄道「駅別乗降人員・輸送人員」

池上エリアの世帯数と人口の推移

 池上地区13町丁の、ここ5年の世帯数と人口の推移は以下の通りです。こちらもコロナ禍の影響を受けましたが、2023年以降は、世帯数・人口ともに微増ながら伸びを見せています。

池上地区 世帯数・人口の推移(13町丁合計)

年度 世帯数 前年比 人口 前年比
2021年 23,196 -0.5% 45,528 -0.8%
2022年 23,024 -0.7% 45,227 -0.7%
2023年 23,107 +0.4% 45,403 +0.4%
2024年 23,127 +0.1% 45,612 +0.5%
2025年 23,423 +1.3% 46,003 +0.9%
出典:大田区「世帯と人口」

池上の地価公示価格推移

 国土交通省の地価公示価格(令和7年1月1日)では、池上地区の池上7丁目の住宅地が1㎡あたり60万2,000円(前年比+8.7%)と公示され、安定した地価上昇が続いています。

池上7丁目 地価公示価格の推移(住宅地)

地価(円/㎡) 前年比
2021年 505,000 -0.2%
2022年 511,000 +1.2%
2023年 529,000 +3.5%
2024年 554,000 +4.7%
2025年 602,000 +8.7%
出典:国土交通省「地価・不動産鑑定」

池上の中古マンション価格推移

 東京都大田区池上の既存(中古)マンションの坪単価(床面積あたり)は、過去10年で+60.19%の上昇を記録しています。

 ダイヤモンド不動産研究所の予測では、2034年の中古マンション坪単価は434万5,554円となり、2024年比で+29.58%の伸びが見込まれています。

東京都大田区池上 中古マンション坪単価の推移・予測

坪単価
2009年 1,598,385円
2014年 2,093,582円
2019年 2,749,694円
2024年 3,353,622円
2029年(予測) 3,849,588円
2034年(予測) 4,345,554円
※単位:坪(1坪=3.3㎡)。2029年・2034年はダイヤモンド不動産研究所による予測値。

【詳細はこちら】>>【AI予測】東京都大田区池上の中古マンション価格相場は?

10年で中古マンション坪単価が60%上がった池上の不動産市況

景観計画が守る低層の街並みと住環境の質

現在の池上7丁目、池上8丁目の様子。低層の戸建てが並ぶ閑静な住宅街(筆者撮影)

 先述したように、池上の中古マンション坪単価は、過去10年で+60.19%と上昇しています。国土交通省の地価公示価格もここ数年で大幅に上昇しており、経済情勢が大きく変動しないかぎり、安定した推移が続くエリアと見込まれそうです。

 大田区の「池上地区景観計画」では、池上本門寺周辺の歴史・文化的景観と起伏のある地形を活かした低層の街並み形成が方針となっており、現状も低層マンションと戸建て住宅で街並みが構成されています。

池上駅周辺の駅別中古マンション価格比較

 東急池上線において、池上駅周辺の各駅の中古マンション価格相場(坪単価/1坪=3.3㎡の場合)を比較すると、池上駅は3,353,622円と、取り上げた6駅のなかで手頃な水準にあることがわかります。

 景観計画による低層街並みの維持が価格の落ち着きにも反映されているといえるでしょう。一方で、前述の地価上昇トレンドを踏まえると、この価格差が今後も続くとは限らず、割安感のあるうちに検討する価値は十分にあるエリアです。

池上駅周辺の駅別 中古マンション価格相場(坪単価・2024年)

駅名 坪単価
雪が谷大塚 3,632,339円
御嶽山 3,611,280円
久が原 3,453,869円
千鳥町 3,306,083円
池上 3,353,622
蒲田 3,915,306円

※ダイヤモンド不動産研究所「不動産価格データベース」より。駅名をクリックすると、各駅の価格相場・将来予測が確認できます。

21年ぶりの新築マンション『ドレッセ池上』

 現在、池上駅から徒歩2分の立地で『ドレッセ池上』の建設が進んでいます。2027年5月中旬の完成予定で、地上14階建・全55戸、2LDK〜3LDKを中心とするプランとなっています。販売価格は未定です。このエリアでは、実に21年ぶりの新築マンションとなります。

新築マンション『ドレッセ池上』

所在地 東京都大田区池上四丁目98番2、11、17、18、19、20(地番)
販売価格 未定
間取り 2LDK〜3LDK
構造・階数 地上14階建
総戸数 55戸
アクセス 東急池上線 池上駅 徒歩2分
完成予定 2027年5月中旬
建築主 東急/千歳コーポレーション
※2026年2月時点の情報です。最新情報は公式サイトにてご確認ください。

総掲載物件数は約560万件!

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まとめ

 池上駅の乗降者数はコロナ禍で一時減少したものの、以降は回復傾向にあります。地価公示価格・世帯数・人口もわずかながら増加が続いており、エリアとしての需要は底堅い状況となっています。

 1282年の池上本門寺開堂、1906年の池上競馬場開設、1922年の池上駅開業と、池上は時代の変化に合わせながら歴史を重ね、地域文化を根付かせてきました。こうした文化的資産が地域の価値を支える基盤となっており、神社仏閣や公共施設は災害時の避難場所としても機能します。幹線路から一歩入ると閑静な住宅地が広がり、商店街を通じた地域コミュニティも維持されています。

 池上駅周辺は、子育て世代をはじめとするファミリー層が暮らすための環境が整ったエリアといえるでしょう。

【関連記事】>>【AI予測】東京都大田区池上の中古マンション価格相場は、10年前比+60.8%! 10年後の価格推移も公開

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