新築マンションが売れていない理由は? 注目物件や在庫状況など最新市況を不動産アナリストが解説!【2025年3月版】

2025年3月18日公開(2025年3月18日更新)
岡本郁雄:不動産アナリスト

今月も首都圏新築の新築マンション市況(新規販売戸数、平均価格、契約率)・中古マンション市況を解説する。不動産経済研究所によれば、2024年の全国新築分譲マンション発売戸数は、5万9,467戸となり前年比8.6%の減少。平均価格は、前年比2.9%上昇の6,082万円と上昇が続く。地方都市での億ションの分譲も目立ち価格上昇は、全国に波及している。また、注目物件として品川区の新築分譲マンション、「ブランズタワー大崎」についても解説する。(不動産アナリスト・岡本郁雄)

首都圏新築マンションの市況【2025年1月度のデータ】

 2025年1月度、首都圏新築マンションの市況を見ていく。発売戸数は前年の同月(1,112戸)比で44.2%減少の620戸。契約率は、58.5%と低調な売れ行き。注目度の高い大規模マンションの販売が、2月以降に始まるものが多いことが盛り上がりを欠いた要因であろう。

 また、首都圏新築マンションの1戸当たりの平均価格は7,343万円となっており、前年の同月比では、613万円のダウンとなっている。東京23区の供給シェアが25.6%と低かったことも平均価格がダウンした理由だ。

過去5年間の首都圏の新築マンション価格(戸当たり平均)と契約率の推移
不動産経済研究所の市場動向データをもとに編集部が作成
過去5年間の首都圏の新築マンション価格(戸当たり平均)と契約率の推移 不動産経済研究所の市場動向データをもとに編集部が作成

首都圏の新築マンション市場動向2025年1月

首都圏の新築マンション市場動向(出典:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向 2025年1月」)

エリア別の動向は?

 エリア別の平均価格は、東京23区が1億474万円。東京都下が7,559万円、神奈川県が6,651万円、埼玉県が5,678万円、千葉県が4,873万円。都下、神奈川県、埼玉県の㎡単価が前年の同月比で10%超の伸びを見せている。建築費上昇の影響が拡がっており専有面積を圧縮しなけければ、価格を抑えられない状況が続いている。

エリア別の首都圏新築マンションの販売動向(2025年1月)

(出典:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向 2025年1月」)

首都圏中古マンションの市況【2025年1月度のデータ】

 続いて首都圏中古マンションの市況を見ていく。新築マンションの供給戸数が減少していることもあり活況が続いている。2025年1月度は、全エリアが前年の同月比で大きく成約件数を伸ばしている。

 2025年1月度、首都圏中古マンションの成約件数は前年の同月比で19.6%増の3,242件となり、3カ月連続で前年同月より成約件数を伸ばしている。平均成約価格は前年同月比5.9%上昇の5,147万円。平均成約㎡単価は、前年の同月比で7.8%上昇の81.88万円となっている。初めて成約㎡単価が80万円を突破しており、57カ月連続で前月を上回っている。

 また、2025年1月の新規登録物件の㎡単価は、85.38万円となっていて前年の同月比で15.5%の上昇。成約㎡単価との差が3万円以上あるが、成約㎡単価が前月比で大きく上昇しており前月よりもその差は縮小している。

 下のグラフは、過去5年間の首都圏の中古マンション価格(成約㎡単価、在庫㎡単価)と在庫件数の推移を示す。在庫件数は、4万5,000千戸前後で推移している。

公益財団法人東日本不動産流通機構の市場動向データをもとに編集部が作成
東日本不動産流通機構の市場動向データをもとに編集部が作成

首都圏の中古マンション市場動向2025年1月

首都圏の中古マンション市場動向(出典:東日本不動産流通機構「2025年1月度の中古マンション月例速報」)

 2025年1月の新規登録物件数は、前年の同月比で6.5%減少の1万5,459件。在庫件数は前年の同月比で4.2%減少し4万5,478件となっている。新規登録件数が前年同月比でマイナスとなるのは2024年3月から11カ月連続になる。

地域別の動向は?

 次に地域別の中古マンション動向を見てみてみよう。

首都圏中古マンションの成約㎡単価(2025年1月)

 成約㎡単価をみると、東京23区が大きく上昇しており、都下(多摩)や横浜市・川崎市、千葉県も前年の同月比で上昇。いっぽうで、埼玉県、神奈川県その他は前月比、前年同月比ともに下落している。千葉県では、総武地区(市川市、船橋市、鎌ヶ谷市、浦安市、習志野市、八千代市)が前年同月比で成約㎡単価が6.8%上昇の45.27万円となっている。好調の要因は、都心への通勤利便性の高い立地にあるようだ。

 また、価格が弱含みの埼玉県でも成約件数は、前年の同月比で21.8%も伸びており取引状況は活発である。新築マンションの供給減や価格の上昇が続くなか、どのエリアも中古マンションを検討するユーザーが増えていると見てよいだろう。

 2024年10月から12月の東京23区築年数別成約データを見ると、築20年までの中古マンション価格の下落は見られない。建築費上昇と同様にリフォームの費用も大きく上昇しており、比較的状態の良い築年数の浅いマンションを希望しているユーザーが多いという表れであろう。

東京23区築年数別成約データ(2024年10月度~12月度)

 また、2000年代に入ってから販売されたマンションは、上質感あるエントランスや、ディスポーザーなどの水回りなど充実した仕様の物件が目立ち、中古マンションに目を向ける人が増えている。

暮らしとビジネスと自然環境コアとなる「ブランズタワー大崎」

ブランズタワー大崎の外観イメージ(出典:公式サイトから)
「ブランズタワー大崎」の外観イメージパース(出典:公式サイトから)

 次に今月の注目マンション「ブランズタワー大崎」を紹介していく。 

 東急不動産株式会社は、参加組合員として参画する「東五反田二丁目第3地区第一種市街地再開発事業」における住宅棟名称を「ブランズタワー大崎」に決定し、2025年1月27日より公式サイトを公開した。

 「ブランズタワー大崎」は、大規模再開発が進む五反田・大崎エリアの山手線内側の約1.6haの街区「大崎リバーウォークガーデン」を整備する超高層再開発タワープロジェクトの住宅棟となる。大崎駅を最寄りとするタワーマンションとしては 11年ぶり

ランドスケープ計画のイメージ(出典:公式サイトから)
ランドスケープ計画図(出典:公式サイトから)

 「大崎リバーウォークガーデン」の開発コンセプトは、ボーダレススタイル。公園、住宅棟、業務棟の3つの敷地で構成されながらも、これらの境界を感じさせない一体のランドスケープ計画となっている。

 「ブランズタワー大崎」の住人は、この目黒川に面した約250mにわたる遊歩道を豊かな自然とともに、多様なライフスタイルを享受できる。また、公園を含む3つの広場空間のほか、公園遊具、菜園、屋外ワークスペースや、目黒川沿いにベンチなどのアメニティを備えており、街区全体を庭のように自由に利用できる。所在地はJR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線大崎駅徒歩5分、JR山手線五反田駅徒歩7分。

 設計は竹中工務店・RIA 設計企業共同体、施工は竹中工務店。建物のメインデザインには東京を拠点に国際的な活動をする建築設計事務所ホシノアーキテクツが担当している。目黒川の豊かな自然環境を意識した「Fountain Towers」をコンセプトに、高い品質とデザイン性を両立させたタワーレジデンスを提供する。

ブランズタワー大崎の建設地(2025年1月筆者撮影)
ブランズタワー大崎の建設地(2025年1月筆者撮影)

 

 品川エリアも含めた近辺の相次ぐ再開発により、大崎駅周辺はかつての工場街から職住融合の成熟した街へと進化を遂げている。新街区の誕生により、地域の魅力はさらに高まることが期待される。

まとめ

 日本銀行の政策金利引き上げ発表を受けて、住宅ローンの金利の基になる基準金利を引き上げる動きが顕著になっている。2025年4月以降から金利の上昇するケースが増えているが、都心などマンションの販売動向は堅調である。その要因の一つとして考えられるのが富裕層の拡大だ。

 野村総合研究所が2025年2月に発表した、2023年の日本における純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移によると、純金融資産1億円超の富裕層、5億円超の超富裕層は、2年間で大きく増加している。

 2021年から2023年にかけて、富裕層・超富裕層が保有する純金融資産の総額は、それぞれ259兆円から334兆円へと29.0%、105兆円から135兆円へと28.6%、合計額は364兆円から469兆円へと28.8%増えている。また、世帯数もそれぞれ139.5万世帯から153.5万世帯へと10.0%、9.0万世帯から11.8万世帯へと31.1%、合計数は142.5万世帯から165.3万世帯へと16.0%へと増えている。

 明治神宮に近い野村不動産のプラウド神宮前のような超富裕層向けのマンションの売れ行きは好調。大京のようにパワーカップルなどの高年収層をターゲットにした「ZEH(ゼッチ)」など高付加価値マンションの供給にシフトするディベロッパーも出てきている。

大京穴吹不動産の日本橋レジデンスサロン(出典:公式サイトから)
大京穴吹不動産の日本橋レジデンスサロン(出典:公式サイトから)

 また、大京穴吹不動産が2021年に麻布に開設した都心の高額物件専門不動産仲介店舗「レジデンスサロン」を2025年3月に日本橋と番町にオープン。英語、中国語が話せるスタッフも配置して、増加しつつあるインバウンド需要にも対応している。都心の3区(千代田区、中央区、港区)での高額物件取引が増えており、営業を強化していく。

 住友不動産の高級賃貸マンション「ラ・トゥール」の入居者は、かつての外国人中心から日本人中心に変わってきており入居者募集も好調である。一方、食料品などの物価高もあり、初めてマンションを購入する一次取得層向けの物件の売れ行きは鈍く、マンション価格の二極化傾向は、今後も続きそうだ。

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