新築マンション「ルネ南砂町リバーフィール」は東京都江東区の注目物件だが、本当に買いなのか、価格・スペック・立地を徹底的に調査してみた。「南向き3LDKが3900万円から」という衝撃的な予定価格で、販売センターの来場予約が殺到している。住戸のつくりもよく、共用施設も充実。ネックは東西線南砂町駅から徒歩13分という立地だが、学校や商業施設は近くにあり、不便な場所ではない。割安感のあるマンションである。(住宅評論家・櫻井幸雄)※新築販売時の記事です。
「南向き3LDKが3900万円台から」で超人気
「東京」駅から6㎞圏の江東区内で、「南向き3LDKが3900万円台から」という予定価格が衝撃的なマンションが「ルネ南砂町リバーフィール」。
そのホームページに販売予定価格が公開されると一気に注目度が高まり、資料請求、販売センターへの来場予約が殺到。土日は予約が取りにくく、モデルルーム見学が順番待ち。超人気マンションとなっている。
ただし、見学者全員が購入を決めて販売センターに向かっているわけではない。「3LDKが3900万円台からの予定価格は魅力。が、中身はどうなのか」…、安かろう悪かろうの物件は購入したくないという気持ちは、誰にもあるはず。一生で、おそらく最も高額の買い物になるのだから、慎重になって当然である。
【完売】(仮称)TOKYO キラリスナ PROJECT(※新築時のデータです)
- 価格
- 3900万円台~6800万円
- 完成時期
- 2020年1月
- 東京都江東区東砂8-19-20(地番)
- 東京メトロ東西線「南砂町」駅徒歩13分
- 間取り
- 2LDK~4LDK
- 専有面積
- 65.04㎡~80.00㎡
- 総戸数
- 267戸
- 売主
- 総合地所株式会社、株式会社NIPPO、名鉄不動産株式会社
- 施工会社
- 長谷工コーポレーション
※データは2018年6月17日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
東西線南砂町駅から徒歩13分はネック
では、慎重に「ルネ南砂町リバーフィール」の価値を判定してみよう。
まず、建設地は江東区内で、東京メトロ東西線「南砂町」駅から徒歩13分。「南砂町」駅は、東京メトロ東西線で「日本橋」駅から9分。「大手町」駅からは11分なので、都心に近い。しかし、駅から徒歩13分は近くない。加えて、東京メトロ東西線は朝の混雑度が激しいという短所もある。
だから、価格が抑えられているのか、と思いがちだが、調べてみると、いずれも決定的な短所ではなかった。
まず、徒歩13分はバスに乗らなければならない距離ではなく、歩ける距離、いわゆる徒歩圏だ。そして、建設地周辺は不便な場所ではない。小学校が徒歩2分で、中学校が徒歩3分。周囲に保育園が多く、マンション内に保育施設が入る計画になっている。
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スーパーやホームセンターは徒歩10分以内
買い物も便利で、食品スーパー、ホームセンター、ファッション専門店などが集まるSUNAMOまで徒歩9分で、イオンのスーパーマーケットほかラウンドワンもあるトピレックプラザも徒歩10分となる。
ちなみに、「南砂町」駅の千葉寄り隣駅、「西葛西」駅では徒歩圏のマンション相場価格が高い。「南砂町」駅から「西葛西」駅への所要時間は3分。となると、「南砂町」駅から徒歩13分の「ルネ南砂町リバーフィール」は、「西葛西」駅から徒歩10分のマンションと都心までの通勤時間が同等ということになる。では、「西葛西」駅から徒歩10分の新築マンション3LDKは3900万円台からの価格設定で新規分譲されるだろうか。それは、無理だろう。
そう考えると、「南砂駅から徒歩13分で、3LDKが3900万円台から」の「ルネ南砂町リバーフィール」の割安感が際立つ。「この値段で売られるのは当然」といわれるほど不便ではないわけだ。
駅改良工事で東西線は混在が緩和される予定
次に考察したいのは、東京メトロ東西線の混雑度。特に、朝の上りは混雑するので、それを嫌う人もいる。
しかし、混雑を緩和させる動きもある。たとえば、東西線では複数の駅で改良工事が行われている。駅のホームを広げて乗り降りをしやすくする。またホームを増やし、乗降に手間取っているときでも、後続車両がホームには入れるようにする…、これらの改良で、混雑を緩和させる計画だ。
「南砂町」駅でも改良工事が行われ、2021年度完成予定だ。「ルネ南砂町リバーフィール」の入居予定は2020年3月なので、入居後しばらくして新しい「南砂町」駅を利用できることになる。駅改良工事の効果に大いに期待したい。
ちなみに、東京メトロでは有楽町線が豊洲ー住吉間を延伸させる計画がある。これが実現すると、東西線「東陽町」駅で有楽町線と連絡。有楽町線に乗り換える人が出るので、東西線の混雑が緩和されるという期待もある。いずれ、東西線では朝のラッシュ時にも立っている人と人の間に空間が生じるかもしれない。
東西線の混雑には緩和策が講じられているため、これも価格抑制の決定的要因とは言えないだろう。
地上15階建て267戸で共用施設も充実
最後の心配は、価格が抑えられている分、つくりがチープではないか、ということ。しかし、「ルネ南砂町リバーフィール」は、むしろ建物のクオリティが高められている。
まず、建物の外壁にはアースカラーのタイル張り部分が多く、上層階のバルコニー手すりはガラス張り。エントランス前には石積みで囲われた植栽が多い。そして、エントランスとそれに続くロビーは大理石とタイルを多用し、ガラス張りの向こうに中庭を望む。まさに、ホテルのような空間である。
敷地内には樹木が多く、セキュリティラインに守られ、部外者の立ち入りを制限するプライベートガーデンもある。
地上15階建て267戸のスケールメリットで、共用施設も充実。ゲストルーム、キッズルーム、ゲストルーム&パーティルーム、ランドリールームなど多彩な施設がつくられている計画だ。
住戸のつくりもよく、各住戸の玄関前は高級マンションの趣がある。
玄関まわりはアンティーク風のタイル張りで、太めの砂目地も趣がある。すべての玄関前に袖壁と庇がつくのも特徴。他のマンションではなかなかお目にかかれない美しさだ。全住戸の玄関に小窓が設けられ、バルコニー側から入った風が玄関から抜けるようになっている。自然の風を採り入れるパッシブデザインも採用されているわけだ。
機能性も高められ、キッチンにはディスポーザー(生ゴミ粉砕処理機)と食器洗い乾燥機が標準設置される。住戸の窓枠はすべて上品な黒となり、洗面所の鏡は木枠付きだ。
「ルネ南砂町リバーフィール」の建物には安っぽいところが一切なく、むしろ、仕様の高さに驚く部分が多かった。その販売は、7月上旬から始まる予定だ。
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