資産価値が下がらない新築マンション選び[2020年]
2019年4月19日公開(2019年5月7日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

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新築マンション広告の正しい見方を解説! 徒歩10分は本当に10分なの?

新築マンションなどの不動産購入を検討する際に、最初に目にするのがインターネットやチラシなどによる広告ではないだろうか。一見、それぞれの不動産会社が自由にデザインしているように感じる広告だが、実はその記載項目と内容は不動産公正取引協議会連合会によって定められている。そのなかで特に誤解や勘違いしやすいと思われる5項目について、注意点を解説する。(住宅・不動産ライター 椎名前太)

広告を見る際に特に重要な5項目

 マンションを購入しようとする際に、目にする広告。その表記方法は「不動産公正取引協議会」によって細かく規則が決められている。また、虫眼鏡で見ないと見えないような小さな文字でマンションの詳細が記載されているが、こちらもじっくりと読んでいくと、マンションの特徴が分かってくる。マンション広告の中でも重要な広告項目を紹介する。

新築マンションのチラシ
新築マンションのチラシ(本文とは関係ありません)」

①【交通の利便】電車の乗り換え時間は加算されない

 交通に関しては、徒歩時間と通勤時の所要時間に注意したい。徒歩時間は80メートルにつき1分で算出される。この算出に信号や坂道の有無など個別事情は一切考慮されない。そのため、記載された時間をうのみにせず、実際に現地を歩いてみることが重要だ。

 また、マンションの場合は、複数の棟が一団となっている物件もあるだろう。このようなケースでは、もっとも駅から近い部分が起点または着点となる。ただし、販売時期が第1期から3期など数期にわたって区分して販売する場合は、それぞれの区分ごとにもっとも近い部分が起点または着点となる。ちなみに徒歩時間は分単位で、端数が生じたときは切り上げて記載することになっている。「○駅から徒歩5分30秒」といった記載はあり得ないのだ。

 通勤時の所要時間は、平常時との差が20%以上あるケースでは、通勤時の方の所要時間を記載しなければならない。この場合、平常時の所要時間も併記することが認められている。ただし、通勤時の所要時間に乗換えや待ち時間は入れなくてもいいことになっているので注意が必要だ。たとえば「A駅でD駅まで○分(C駅で急行に乗換え)」といった記載があった場合の○分にC駅での乗換え・待ち時間は含まれないのだ。そのため、通勤・通学時間はインターネットなどを利用して正確に把握しておいた方がいいだろう。

②【用途地域】工業系地域でもマンションの建築は可能

 建物は、自分の土地であればどんなものでも自由に建てられる、というわけではない。それが認められてしまうと閑静な住宅地の真ん中に商業施設や高層マンションなどが建ってしまい、住環境が大きく乱れてしまうからだ。また、商業を発展させるのなら、そうしやすい地域を定めた方が効率的だろう。

 そこで都市計画法に基づいて建築できる建物の種類、用途の制限を定めたルールが用途地域だ。用途地域は大きく「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分かれ、さらに下記13種類に細分化して合理的な土地の利用を促進している。したがって、広告の用途地域を見れば、周辺の様子が予想できるというわけだ。

以下が主な「用途地域」だ。

土地の「用途地域」を確認しよう!
「住居系」

第一種低層

住居専用地域

おもに2階建てまでの低層住宅が中心となる地域。小規模な店舗や事務所兼用の住宅、小中学校なども建てられる。

第二種低層

住居専用地域

第一種低層住居専用地域で建築可能な建物に加えて、150㎡までの一定の店舗なども建てられる。

第一種中高層

住居専用地域

マンションも含む中高層住宅のための地域。その他、病院、大学、500㎡までの一定の店舗も建築できる。

第二種中高層

住居専用地域

第一種中高層住居専用地域で建築可能な建物に加えて、1500㎡までの一定の店舗や事務所なども建てられる。

第一種住居地域

住環境を守るための地域。しかし、3000㎡までの店舗、事務所、ホテルなどは建築可能。

第二種住居地域

第一種住居地域で建築可能な建物に加えて、カラオケボックスなども建てられる。
準住居地域 道路沿いにおいて自動車修理工場やガソリンスタンドなどの自動車関連施設と、それに調和した住環境を保護するための地域。
田園住居地域 農業と調和した低層住宅の環境を守るための地域。住宅のほか、農産物の直売所などが建てられる。
「商業系」
近隣商業地域 地域住民が日用品の買い物などをするための地域。住宅や店舗のほかに小規模な工場も建てられる。
商業地域 銀行、映画館、飲食店、百貨店などの商業施設が集まる地域。住宅や小規模な工場も建築可能。
「工業系」
準工業地域 おもに軽工業の工場や商業施設が集まる地域。危険性や環境悪化が大きい工場以外はほとんど建てられる。
工業地域 どのような工場でも建てられる地域。住宅や店舗も建築可能だが、学校、病院、ホテルなどは建てられない。
工業専用地域 工場のための地域。住宅のほか学校、ホテルなども建てられない。

 以上のように住宅が建てられないのは工業専用地域のみだ。したがって商業系や工業系地域に建てられるマンションもけっして珍しくない。

 ただし、住居地域と、商業・工業地域では、どちらがいいとは一概にはいえない。住居系地域を選べば比較的静かな環境が手に入り、商業系や工業系地域を選べば日常の買い物などが便利になるだろう。商業・工業地域の場合は騒音や周辺の交通量などに注意したい。また工業系地域では土壌汚染の心配もあるので、以前どのような建物が立っていたのか確認する必要があるだろう。

③【専有面積】広告と登記の面積は異なる

 専有面積は、壁や柱の厚みの中心から計測した壁芯面積で表示される。一方で登記される面積は壁の内側から計測された内法面積になる。当然、登記面積の方が狭くなるので事前に理解しておこう。

 パンフレット等・新聞広告(チラシ含む)・雑誌・インターネット広告のなかで、パンフレット等を除いたものは最小および最大面積のみの表示が認められている。面積は基本的にm2で表すが、畳数も併記する場合は1畳当たり1.62㎡以上でなければならない。また、建築基準法の採光基準(窓等の面積が床面積の7分の1以上)を満たしていない部屋は居室として認められないので「納戸」または「S(納戸)」と表示される。

④【価格】値下げ表示には根拠が必要

 価格は予告広告の場合、省略することもできる。また、パンフレット等を除き、最低、最高、最多価格帯およびその戸数のみ表示することも認められている。その価格には消費税のほか、電気・ガス・水道などの施設費用も含まれる。

 価格に関しては、二重表示にも注意したい。これは「4000万円から3500万円にプライスダウン」「500万円値下げ」といった表示のことだ。この表示は以下の4点を満たしたうえで該当期間、該当価格で販売していた事実を資料によって証明できなければ認められないことになっている。

1.過去の販売価格の公表時期と値下げ時期を明示している。
2.過去の価格が値下げの3ヵ月以上前に公表されたもので、
  かつ、値下げ前の3ヵ月以上にわたって実際に販売されていた価格である。
3.値下げの時期から6カ月以内に表示していること。ただし、6ヵ月以内で
  あっても災害などによって価値の同一性が認められなくなった場合は、
  同一性が認められる時点までに限る。
4.土地と建物についての表示であること。

⑤【修繕積立金】目安は1㎡当たり200円前後

 修繕積立金も予告広告の場合は省略が可能だ。表示する場合は、1戸当たりの月額になるが、住戸によって異なる場合は、最低および最高額のみの表示でもいいとされている。

 この金額が極端に安価な場合は、ぜひその理由を確かめたい。なぜなら、販売会社が少しでも支払額を安く見せようと、修繕積立金を低く設定し、十数年後に大規模修繕をしようとするとまったく金額が足りない、という事態が頻発しているからだ。費用が不足している場合は、一時金の徴収や金融機関からの借り入れを行うことになりかねない。

 積立金の目安は国土交通省が下記のように公表している。1㎡当たり毎月200円前後といったところだ。なお、「事例の3分の2が包含される幅」とは「この幅に納まっていれば妥当」という範囲だ。くわしくは以下の表で確認してほしい。

専有床面積当たりの修繕積立金の額
建物の階数/建築延床面積 平均値 事例の3分の2が包含される幅
【15階未満】 5,000㎡未満 218円/㎡・月 165円~250円/㎡・月
5,000~10,000㎡ 202円/㎡・月 140円~265円/㎡・月
10,000㎡以上 178円/㎡・月 135円~220円/㎡・月
【20階以上】 206円/㎡・月 170円~245円/㎡・月
※出典「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の概要(国土交通省)

【関連記事はこちら】
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【まとめ】重要な5項目を中心に確認しよう

 このように不動産広告の目の付け所は盛りだくさん。情報量が多すぎる、文字が小さすぎて読むのが面倒、という人も少なくないはずだ。
しかし、効率的な物件探しや後々後悔しないために上記5項目を中心に細かく確認した方がいいだろう。

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