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マンションの資産価値を左右する、給水管や排水管など
「配管」の材質と設計はここをチェック!

2018年1月17日公開(2021年2月25日更新)
ダイヤモンド不動産研究所
監修者 碓井民朗:碓井建築オフィス代表 一級建築士、建築家

マンションの基本性能や住み心地は、給水管や排水管などの配管類が左右する!?  マンションの設備というと、浴室や洗面室、トイレ、キッチンなどのきれいな住設機器がパンフレットでも大きく取り上げられ、注目されがちだ。しかし、マンションの資産価値を左右するのはむしろ、目に見えない箇所の設備。その代表例である「配管類」の材質や設計をチェックする方法を紹介しよう。

住戸内の給水管・給湯管は
「さや管ヘッダー方式」が安心

 マンションの各住戸に水を送る共用部の水道管は通常、玄関横のメーターボックス内を縦に通っており、そこから給水管と、ガス湯沸かし器からお湯を送る給湯管が、洗面所、浴室、キッチンなどに伸びている。

 この給水管・給湯管で重要なのは、配管方式だ。

 ひとつは、給水管・給湯管が途中で枝分かれする「分岐方式」で、以前から広く用いられてきた。

 玄関横のメーターボックスから引き込まれた給水管は、例えばトイレのところでまず分岐し、次は洗面所・浴室のところで分岐、そしてキッチンのところに至る。「分岐方式」では通常、塩化ビニール管を使うので材料費が安く、工事も簡単だ。その一方、同時に複数の水栓を開けて給水・給湯すると遠い箇所ほど水圧が低くなりやすい。また、分岐箇所で管をつなぐため、水漏れが起こるリスクが高くなる。

 もうひとつは、ヘッダーと呼ばれる部品を使い、給水管・給湯管を複数の「さや管」の中を通して各所に直接つなぐ、「さや管ヘッダー方式」だ。(※ 中に通す管を守り、また、中に通す管が劣化した際に簡単に交換できるようにするための「刀の鞘(さや)」の役割をする管)

 材料費は高くなるが、各所に供給する水やお湯の水圧を調整できるので、同時に複数の水栓を開けて給水・給湯しても水圧にばらつきが出にくい。また、漏水リスクが少なく、メンテナンスもしやすい。

 新築マンションであれば当然、「さや管ヘッダー方式」のほうが望ましい。

マンションの寿命を左右する排水管は、材質に注目

 マンションの排水管には、最上階から順に各住戸の排水を集めて流す「竪排水管」と、それぞれの住戸内でキッチン、浴室などの排水を竪排水管につなぐ「横引き排水管」がある。

 「横引き排水管」は基本的に、各住戸の所有者が管理することになっており、リフォームなどで交換することもできる。

 問題は、「竪排水管」のほうだ。

 「住戸内を通る竪排水管は通常、トイレの汚水用が1本と、キッチンと浴室・洗面の雑排水用がそれぞれ1本の合計3本、あるいはキッチンと浴室・洗面の雑排水用を1本にまとめて合計2本、というのが一般的です。これらの竪排水管は各階の住戸を上下に貫通しており、詳細な間取図では『PS(パイプスペース)』と表示された箇所を通っています。住戸によってはこのPSが寝室の隣にあり、夜中に排水が流れる音が聞こえたりします。また、竪排水管は定期的に清掃を行ったり、将来は取り換えが必要になることもあります。そのため、材質が非常に重要なのです

 こう指摘するのは、長年分譲マンションの設計に携わり、現在はデベロッパー向けの設計監修、購入者向けの購入相談などを手掛けている一級建築士の碓井民朗氏だ。

竪排水管すべてに鋳鉄管を採用しているのが一流のマンション

 碓井氏によると、竪排水管の材質には大きく分けて、「耐火被覆二層管(FDP) 」「塩ビライニング鋼管(DVLPまたはD-VA)」「鋳鉄管(CIP)」の3種類がある。専門用語でちょっと難しいが、この機会にぜひ覚えておこう。

 このうち最もコストが安く、性能が低いのが「耐火被覆二層管」だ。

 これは塩化ビニール管の外側にグラスファイバーを巻いてモルタル(セメント)を塗り付けたものだ。戸建て住宅の排水管によく使われる塩化ビニール管だけよりはましだが、他の2種類の排水管に比べて本体が軽くて薄い。その分、遮音性が低く、遮音ゴムシートやグラスウールを巻き付けていても、夜中には排水音が聞こえやすい。

 また、竪排水管は年数が経つと管の内側に汚れが付着し、管の内径が細くなってくる。浴槽の栓を抜いても排水に時間がかかったりするのだ。その場合、砂を含んだ水で高圧洗浄し、付着した汚れを削り取る「更生工事」というメンテナンス法があるが、耐火被覆二層管は内側が塩化ビニールなのでできないと言われている。

 「一戸建てならまだしも、分譲マンションで耐火被覆二層管を使っている物件はおすすめしません」(碓井氏)

「塩ビライニング鋼管」は、耐火被覆二層管に比べれば多少、ましだ。

 塩ビライニング鋼管とは、本体部分が鋼管で、サビの発生を防ぐため鋼管の内側に塩化ビニールを塗布したものだ。耐久性は塩化ビニール管よりは高いものの、鋼管の肉厚が薄いため、やはり遮音性に難がある。遮音ゴムシートやグラスウールを巻いてもやはり、寝室の隣を通っていると夜中に排水音が聞こえることがある。

 3つの中で、一番優れているのは「鋳鉄管」だ。

 これは鋳物の鉄管で、肉厚のものだ。肉厚なので耐久性が高く、砂を含んだ水による高圧洗浄(更生工事)を何回でもできる。重量があるので遮音性も高い。鋳鉄管に鉛入りの遮音ゴムシートとグラスウールを巻けば、寝室の隣を通っていても、まず排水音は聞こえない。

 「ただし、最近は肉厚が5㎜程度の製品も出ており、それではいくら鋳鉄製でも遮音性が心配です。少なくとも厚さ10㎜以上ないと安心できません」(碓井氏)

 大手デベロッパーでも、竪排水管すべてに鋳鉄管を採用しているケースは限られるという。デベロッパーの体質を見極めるには絶好の目安だ。モデルルームや販売事務所では必ず、竪排水管の材質を聞いてみよう。

(関連記事はこちら!)
⇒新築マンションは売主(デベロッパー)の体質に注意! ダメなデベロッパーがつくるマンションの特徴を公開

材質と工法によってメンテナンスの間隔、方法が変わる

 新築マンションでは、給排水管のメンテナンスや交換について、「長期修繕計画」などの中で想定を行っている。

 例えば、共用部の水道管は15年から20年程度で内側の錆を落とす更生工事を行い、30年程度で交換を予定していたりする。

 排水管については2年に1回程度の間隔で高圧洗浄を行うが、「耐火被覆二層管」や「塩ビライニング鋼管」30年程度でやはり交換を予定していたりする。これに対して「鋳鉄管」は50年程度は交換しなくて済むと言われている。

 給排水管は表から見えるわけではない。水栓をひねれば水やお湯が出るのは当たり前、排水も普通に流れて当たり前と思っているが、実際には材質と工法によってメンテナンスや交換の間隔、方法が変わる。

 マンションも永住志向が高まっているいま、将来にわたって快適な住み心地と資産価値を維持するため、配管類を事前によくチェックしておきたい。

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