不動産上昇率ランキング[東京東部・千葉エリア]
一戸建ての将来価格(10年後)を推定!
幕張本郷、お花茶屋、柏の葉キャンパスが上昇!?

2019年7月26日公開(2019年8月19日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

10年後、あの街の戸建て物件価格は上昇するのか、下落するのか? こんな疑問に答えるため、今回は「東京東部・千葉エリア」にある戸建て物件の「現在(2018年)」と「10年後(2028年)」の推定価格を駅ごとに算出。10年後の騰落率やボラティリティから、その街のポテンシャルや不動産価値を診断してランキングを作成した。はたして、あなたの住む街はランクインしているだろうか。

推定価格の算出方法とランキング条件について
推定価格は、「2018年10月時点で築10年」「100平米」「2階建」「木造」「駅から徒歩10分前後」「駅と同一区域」の条件を満たす戸建てをモデルに、株式会社おたにの不動産価格推定システム「GEEO」を用いて算出した。
不動産は経済状態に影響を受けるが、今回の推定価格は平均シナリオのデータを使用している。
※騰落率が著しく高いものや公示地価との乖離が大きいデータについては、サンプル物件数などを考慮しながら除外したうえで、代表的な駅として100地点まで絞り込んだ。

2018年vs2028年の
上昇率トップ10

 まずは上昇率ランキングの上位10駅を見ていこう。戸建て物件価格が、2018年とその10年後となる2028年で、どれだけ上昇または下落するかを推定した。

東京東部・千葉エリア TOP5

 上昇率56%で1位になったのは、幕張本郷駅(千葉市花見区)だ。調査では土地価格で約2000万円程度の値上がりを見せている。幕張本郷は習志野市との市境に位置し、JR総武本線、京成千葉線の両線が利用できるため、それぞれ快速へ乗り換えると東京都心部まで約50分でアクセスが可能だ。

 幕張本郷は千葉市の中でも居住促進区域の一つとして位置付けられており、生活するのに便利な区域として商業地の整備や道路の拡張など、ゆるやかな開発が進められている。街は綺麗に整備され、低層マンションやアパート、ビルが多く立ち並び、戸建て住宅地が広がっている。

幕張本郷駅前 画像
ゆるやかに開発が進んでいる幕張本郷駅前(出所:PIXTA)

 また、幕張新都心の核となる海浜幕張駅も近く、大規模見本市や国際会議が開かれる幕張メッセ、超高層ビルのワールドビジネスガーデン、イオンモールや三井アウトレットパークなどの大規模商業施設が進出している。さらにベイエリアへ進むとZOZOマリンスタジアムやZOZOPARK HONDA FOOTBALL AREAなどがあり、スポーツの拠点となっている。国際都市へと変貌を遂げつつある幕張新都心エリアの生活拠点としても、ますますその存在感を強めていくことになるだろう。

 3位は柏の葉キャンパス駅(千葉県柏市)。つくばエクスプレス快速利用で秋葉原駅まで約30分。駅近くには、現在進行中である“柏の葉国際キャンパスタウン構想”の下、東京大学柏地区キャンパス、千葉大学柏の葉キャンパスなどの研究・教育施設や、国際会議に対応できるホテル、タワーマンション、大型商業施設が林立しているが、駅を少し離れると緑豊かで閑静な住宅街がある。

 また、つくばエクスプレスは東京駅までの延伸計画があり、交通の至便性の向上と上質な居住環境から、不動産としての人気もますます高まっていくだろう。

 4位の篠崎駅(東京都江戸川区)は都営地下鉄新宿線の駅で、新宿駅まで約40分。ショッピングや飲食ができる商業施設やタワーマンション、広場や図書館などの公共施設が一体化した、篠崎ツインプレイスが駅に直結している。

 駅を離れると住宅街が広がり、篠崎公園や一級河川の江戸川沿いに緑地が点在していて自然を身近に感じることができる。保育園や小中学校など、子育てや教育のための環境も整っており、小児科や小児歯科を含め多様な診療科目のクリニックが揃う。

 都営新宿線沿線の中でも、新築マンションや戸建て住宅の建設が相次ぎ、それと並行して街並みの整備が進められているため、街としての魅力がさらに高まると予想される。

【関連記事はこちら】>>千葉県の「新築マンション人気ランキング」幕張、市川、津田沼、千葉など注目エリアのおすすめ物件は?【2019年3月版】

下落率トップ5は千葉県北西部に集中

 続いて下落率ランキングの上位5駅を見ていこう。八千代、松戸、我孫子など千葉県北西部が多く並んでいる。かつて、バブル期に東京のベッドタウンとして急開発が進んだ地域であり、時代の変遷を映し出しているようだ。また、2028年の推定価格が軒並み相場1000万円台に頭がそろっているところが、不動産の資産価値に対するシビアな評価を感じさせる。(騰落率ランキング35位以下はマイナス)。

東京東部・千葉エリア下落率TOP5

 1位の八千代緑が丘駅(千葉県八千代市)は、東葉高速線で東京メトロ東西線に乗り入れており、大手町まで快速で約50分。一帯の開発は東西線の延伸計画を契機に、1980年前後から着手されてきた。性急な開発を選ぶことなく、道路整備や景観を重視した街づくりが進められ、現在、駅周辺は映画館を含む大型商業施設や中高層マンションが整然と並び、さらにその周囲に戸建ての住宅街が悠然と広がっている。

八千代緑が丘駅前
八千代緑が丘駅前の風景(出所:PIXTA)

 しかし、同じ東葉高速線沿線で二つ東京寄りの北習志野駅(千葉県船橋市)では戸建て住宅の着工数が大幅な伸びを見せており、下落率はその勢いの影響を受けたものであろう。一方、マンション着工数は落ち込みを見せているものの、北部では大規模な住宅造成が行われ、新規戸建て住宅の数も堅調に推移している。景観を重視した街づくりのポリシーは変わっていないようだ。

 2位の大島駅(東京都江東区)の下落率マイナス56%は都内でも飛び抜けている。江戸時代に町屋として発展を遂げ、当時から区画の整理が進んでおり、現在でも、幹線道路沿いにはビルや高い建物が並ぶ。住宅地に入ると戸建て住宅が密集しているが、道幅が細く狭小住宅が目立つ。

 都営地下鉄新宿線の急行で新宿まで約20分と交通の便に恵まれているが、急行停車駅であるにもかかわらず最近の調査では一日の乗降客が30,000人前後と同沿線内で最も少ない。同じ江東区内だと、豊洲など臨海エリアの人気が高騰しているが、昔ながらの商店街や下町としてのにぎわいが残る暮らしやすさは捨てがたいものがある。

2028年の推定価格トップ5

 2028年の土地推定価格が高額な駅のランキングだ。騰落率のばらつきはあるものの、上位は東京東部が占めており、下町の地価の底力を見せつけられているようである。

東京東部・千葉エリア 推定価格TOP5

 1位の八丁堀駅(東京都中央区)は、騰落率ランキングでは69位でマイナス35%という数字だが、推定土地価格では堂々の1位だ。JR京葉線、東京メトロ日比谷線の2線が乗り入れており、駅周辺の湊、新川、新富は幹線道路沿いには中高層のビルやマンションが居並ぶ。

 一見、オフィス街の様相を呈しているが、路地裏やビルやマンションの合間には、戸建ての住宅や商店が寄りそうように点在している。また、至近距離にある日本橋、京橋、八重洲、銀座では数々の再開発が相次いでおり、目の離せないエリアであることに間違いはない。

 3位のお花茶屋駅は京成本線、4位の新小岩駅はJR総武本線の駅で、ともに葛飾区内にある。同区は鉄道沿線主要駅においての再開発が進んでおり、両駅周辺でも高度成長で急増された街区が、平成に入ってからの景観の整備を含めた街づくり事業で、暮らしやすい町へと変わりつつある。

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東京東部・千葉エリア騰落率ランキング

 戸建て物件推定価格の東京東部・千葉エリアの駅別騰落率ランキング完全版(全100地点)を示す。

東京東部・千葉エリアランキング1-20位
東京東部・千葉エリアランキング21-40位
東京東部・千葉エリアランキング41-60位
東京東部・千葉エリアランキング61-80位
東京東部・千葉エリアランキング81-100位
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