ここからは、2020年の潜入レポ第1弾です。
豊洲駅近物件の価格上昇率は、驚異の50%だった!
豊洲の駅近物件が常に注目されるのには理由がある。
豊洲がにわかに注目されるようになったのは、旧石川島播磨工場跡地に「ららぽーと豊洲」がつくられた2006年あたりからだ。駅徒歩3分にある「ららぽーと豊洲」と地下でつながる超高層マンション「アーバンドックパークシティ豊洲」が分譲されたのは2008年。当時の販売価格は70㎡換算で4,839万円だが、2017年の中古価格は7,209万円となっている。10年あまりでなんと49%値上がりしている。
また、2006年に完成した駅徒歩1分の「豊洲シェルタワー」は70㎡換算4,002万円で売り出されたが、2017年には中古価格6,092万円と52%上がっている(価格データ:週刊ダイヤモンド2017年2月4日号)。現在も両物件ともほぼ同程度で取引されている。
もちろんこの値上がりは、マイナーだった再開発中の街に目を付けた人たちの先見の明だが、今や豊洲は湾岸エリアのアイコン、別格の人気を誇っている。駅近辺の開発はほぼ終わり、今後新築マンションが建てられる敷地は残っていない。ここが最後の駅近物件だという見方が大方で、その価値を知る人たちが「ブランズタワー豊洲」に懸ける思いは強い。
住民年齢層は幅広く、シニアやDINKSが多くなる可能性大!
「ブランズタワー豊洲」の事前案内会が他の事前案内会とは少し違う印象を受けたのは、その客層だった。通常、新築マンションの客層の大半は30代、40代のファミリー層だ。だが、平日のこの日、訪れた見学者の大半は夫婦または単身者で、その多くは50代以上のミドル層だった。休日はファミリー層も多いという話だったが、他のマンションと比較すると平均年齢は一回り上のようだ。
営業担当者によると、江東区を中心とする湾岸エリアからの来場者が多いとのこと。この立地が良いと考えている人たち、ともいえるだろう。
そもそも「ブランズタワー豊洲」は48階建て全1152戸という大プロジェクトだ。約半数が3LDK、残りが1LDKと2LDKで、40㎡~50㎡の部屋も多いことからシングルやDINKSも多く、幅広い年齢層が住むことが予想される。
価格は7000万円、8000万円台が中心
事前案内会では、PRムービーの鑑賞や模型、モデルルームの見学後、いよいよ商談ルームで価格についての説明となった。価格は予定のため、価格表は渡されない。空白の価格表を受け取り、価格が公開されている部屋から興味のある部屋を選び、自分で値段を書き込む。主だった部屋の予定価格を見てみよう。
◇「ブランズタワー豊洲」の予定価格
- 7F
- 南西 3LDK 68.53㎡ 8,200万円 (坪単価395万円)
- 南西 2LDK 58.02㎡ 7,000万円 (坪単価398万円)
- 南角住戸 3LDK 83.54㎡ 10,200万円 (坪単価403万円)
- 南東 3LDK 75.53㎡ 9,000万円 (坪単価393万円)
- 南東 2LDK 61.15㎡ 7,300万円 (坪単価394万円)
- 北東 1LDK 43.41㎡ 4,800万円 (坪単価365万円)
- 北東 2LDK 57.02㎡ 6,300万円 (坪単価365万円)
- 北西 2LDK 60.00㎡ 6,600万円 (坪単価363万円)
- 北西 3LDK 73.79㎡ 8,100万円 (坪単価362万円)
- 12F
- 南西 3LDK 68.53㎡ 8,300万円 (坪単価400万円)
- 南西 2LDK 58.02㎡ 7,100万円 (坪単価404万円)
- 南角 3LDK 83.54㎡ 10,300万円 (坪単価407万円)
- 南東 3LDK 75.53㎡ 9,100万円 (坪単価398万円)
- 南東 2LDK 61.15㎡ 7,400万円 (坪単価399万円)
- 北東 1LDK 43.41㎡ 4,900万円 (坪単価372万円)
- 北東 2LDK 57.02㎡ 6,400万円 (坪単価370万円)
- 北西 2LDK 60.00㎡ 6,700万円 (坪単価369万円)
- 北西 3LDK 73.79㎡ 8,200万円 (坪単価367万円)
- プレミアムフロア(46階~48階)
- 46階
- 東電堀側 3LDK 135㎡ 26,000万円 (坪単価636万円)
- 豊洲駅側 3LDK 95㎡ 17,000万円 (坪単価591万円)
- ゆりかもめ側 3LDK 120㎡ 21,000万円 (坪単価578万円)
- 48階
- ゆりかもめ側 3LDK 195㎡ 39,000万円 (坪単価660万円)
- 豊洲駅側 3LDK 160㎡ 32,000万円 (坪単価660万円)
- 東電堀側 3LDK 215㎡ 51,000万円 (坪単価783万円)
*坪=3.3㎡
プレミアムフロアを除く部屋の平均坪単価は約400万円。想像していたとはいえ、高額だ。
【完売】ブランズタワー豊洲(※新築時のデータです)
- 価格
- ー
- 完成時期
- 2021年10月下旬予定
- 東京都江東区豊洲5丁目2番1の一部他(底地地番)
- 東京メトロ有楽町線「豊洲」駅から徒歩 4分(高層棟入口まで5分) ゆりかもめ「豊洲」駅から徒歩 4分(高層棟入口まで4分)
- 間取り
- 1LDK ~ 3LDK
- 専有面積
- 43.41㎡ ~ 112.52㎡
- 総戸数
- 1152戸(事業協力者住戸1戸含む)
- 売主
- 東急不動産株式会社(売主・販売管理)・株式会社NIPPO(売主) 他2社
- 施工会社
- 株式会社熊谷組首都圏支店
※データは2022年10月18日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
タワーを買うなら、早めに動いて高層階を狙うのが正解!
この価格は本当に高過ぎる価格なのだろうか。
3年前の2016年3月に発売された「パークホームズ豊洲ザレジデンス」の価格は次の通りだ。内陸部にあるため眺望はさほど期待できないが、「ブランズタワー豊洲」にほど近く、豊洲駅から徒歩4分にあるため、条件は似ている。
◇「パークホームズ豊洲ザレジデンス」の価格
- 1) 7F 南東 75.10㎡ 7,620万円 (坪単価335万円)
- 2)14F 南東 72.93㎡ 7,280万円 (坪単価329万円)
- 3)20F 南東 72.93㎡ 7,700万円 (坪単価348万円)
- 4)22F 南東 72.93㎡ 7,960万円 (坪単価360万円)
これを見ると全般的な坪単価は上がっているとはいえ、「ブランズタワー豊洲」の価格は現在の相場の中では、許容範囲といえるかもしれない。
さらに、注目は各階の価格差だ。同じ方角・敷地面積の2)と4)を比べてみると、「パークホームズ豊洲ザレジデンス」は階数が8階上がると価格が680万円上がっている。1階上がるごとに平均で85万円のアップだ。一方「ブランズタワー豊洲」では、7階と12階の差はどの部屋もほぼ100万円。5階上がるごとに100万円なので、1階上がると20万円しかアップしていない。
これは最近のトレンドでもあり、眺望に大きな差がなければ階が上がっても大きな価格差をつけないのが主流だ。その点では、上階を選択できる時期に購入を検討するというのは現在のタワーマンション購入法としては大切な要素といえる。将来の資産価値を考えれば、高層階の方が有利なのはまず間違いないからだ。
また、高層タワーの場合、北向きの部屋でも上階なら充分な採光が期待できる。北東、北西の部屋でもリセールバリューが下がることはないので、比較的坪単価の安い北東、北西の高層階は特に割安感があり、狙い目といえる。
「ブランズタワー豊洲」のメリット、デメリット
ここで、ブランズタワー豊洲の特徴をメリット・デメリットに分けてまとめておこう。
メリットは立地・開放感・防災面
・抜群の立地
まずは、駅徒歩4分という駅近であること。敷地内には、スーパー、保育所が誘致される予定で、隣には小学校があり、目の前は豊洲公園と子育てには最高の環境である。また、徒歩5分の場所には地域でも評判の良い大学病院「昭和大学江東豊洲病院」があるため、高齢者にも安心だ。加えて、人気の商業施設「ららぽーと豊洲」も徒歩5分。そして、周囲に眺望を妨げるような建物もないため、眺望もよい。これだけの利便性と水辺の環境を謳歌できる場所はそうそうない。
・開放感を追及した仕様
最近のスタンダード250cmに対し、「ブランズタワー豊洲」のリビング・ダイニングの天井高は265cmと高い。これは小規模マンションであれば、プレミアムフロアでの天井高レベルであり、贅沢なつくりである。また、バルコニーはガラス手すりを使用し、屋外の光が届きやすくなっている。開放感を意識した仕様はメリットと言えるだろう。
・トランクルームにもなる防災備蓄倉庫
営業担当者はあくまでも防災備蓄品を入れるための倉庫だと強調していたが、防災グッズを入れるにはどうみても広すぎる倉庫が各住戸の玄関脇に設置されている。ここを防災備蓄倉庫と呼ぶのは、このスペースを容積算入外とするための売主の知恵である。鍵のついた立派な倉庫をどう使うかは事実上、住民の自由なのである。
・地震に対する備えが充実
ブランズタワー豊洲の建物は、地震の揺れを軽減させる効果がより大きいとされる免震構造を採用しているが、一般的に採用される免震構造は地盤と建物の間に免震装置(ダンパー)を入れるのに対し、建物の内部に免震装置を入れる「中間免震構造」を採用している。もともと地震に強い場所として開発された豊洲、東雲、有明エリアの中でも、特に地震に強いマンションになる計画だ。また、非常用電源は72時間対応となっており、停電時にはエレベーターなど共有部に十分な電力を供給できる。
デメリットは遮音性とエレベーターがやや不便な点
・不安が残る遮音性
これはタワーマンション全般にいえることだが、そもそもタワーマンションでは構造上重量を軽くする必要性から、壁や床は薄く、そのつくりは音に弱い。一般的に壁や床スラブは厚みがあるほど防音効果は高まるが、タワーマンションでは十分な厚みがとれない。住戸と住戸を区切る戸境壁は遮音性の高いコンクリートではなく、乾式壁が利用され、最低20cm以上は必要とされる床スラブの厚みも充分な厚さがとれないことがある。
営業担当の話によると、「ブランズタワー豊洲」は13.6cmの戸境壁を利用。床スラブは27cmと厚みはあるが、ボイドスラブと言われる工法で、音に強いとはいえない。こちらは不安要素といえるだろう。
【関連記事はこちら】>>「新築マンションで気になる「音」のトラブル!壁や床の遮音性は、厚さと工法を確認しよう」
・直通のないエレベーター
エレベーターの数は標準的なレベルであるが、問題は住民が必ずコンシェルジュカウンターや郵便受けのある4階で乗り換えをして、自分の住戸フロアに行かなければならないこと。これは毎日の生活を考えると、億劫だと感じる人も多いだろう。 特に地下の駐車場を契約した場合は、地下から1階へ、1階から4階へ、そして住戸フロアへと乗り換えを2回しなければならない。
46階から48階のプレミアムフロアには、3フロアだけに停まる直通エレベーターがあるが、こちらも4階での乗り換えが必要となり、地下駐車場利用時は2回乗り換えることになる。せっかくのプレミアム感に水を差す結果となった。
営業担当者は、そもそも当初はエスカレーターの設置を考えていたことから、こうした構造になってしまったと悔しそうに話していた。
ブランズタワー豊洲以外の湾岸物件にも注目
「ブランズタワー豊洲」の立地が良いことは間違いない。豊洲では今後これ以上の好立地に大型マンションが建つ見込みは薄い。平均坪単価400万円に手がとどく世帯はそう多くはないだろうが、世帯年収1500万円以上のパワーカップルといわれる共働き世帯が低金利を利用して購入する選択肢はある。
ただ、2021年度中に「ブランズタワー豊洲」は完売、現在はキャンセル住戸の販売に入っている。残りはわずかだ。
そして現在、湾岸エリアの注目は、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」に移っている。こちらもほぼすべての部屋が抽選となる人気ぶりだ。
【関連記事はこちら】>>価格大公開!【HARUMI FLAG(晴海フラッグ)】潜入レポ第二弾、再販売後は想定以上の人気に!
HARUMI FLAG SKY DUO
- 価格
- 未定
- 完成時期
- 2023年11月
- 東京都中央区晴海五丁目502番、503番、504番(地番)
- 都営大江戸線「勝どき」駅 徒歩16分~21分 【SUN VILLAGE第二工区】18分【PARK VILLAGE第二工区】18分【SEA VILLAGE】16~20分 【SUN VILLAGE第一工区】※1
- 間取り
- 2LDK・3LDK
- 専有面積
- 54.80㎡~121.66㎡
- 総戸数
- 4,145戸
- 売主
- ■売主・販売提携(代理):三井不動産レジデンシャル株式会社、三菱地所レジデンス株式会社、野村不動産株式会社、住友不動産株式会社、東急不動産株式会社、東京建物株式会社、大和ハウス工業株式会社 ■売主:住友商事株式会社、NTT都市開発株式会社、日鉄興和不動産株式会社
- 施工会社
- 【SEA VILLAGE】株式会社長谷工コーポレーション【SUN VILLAGE第二工区】前田建設工業株式会社【PARK VILLAGE第二工区】三井住友建設株式会社【SUN VILLAGE第一工区】前田建設工業株式会社
※データは2024年1月14日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
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また、「パークタワー勝どきミッド/サウス」「Brillia Tower 有明 MID CROSS」なども注目だ。利便性と解放感ある生活環境が手に入る湾岸物件は、販売されると高倍率になったり、すぐに完売されるケースが多い。気になっている人は早めに行動することが大切だろう。
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「ブランズタワー豊洲」ついて 質問 FAQ
- Qブランズタワー豊洲の価格は?
- A
7000万円~8000万円台の2LDK~3LDKが中心。
- Qブランズタワー豊洲の間取りは?
- A
単身向けの1LDK~ファミリー向けの3LDKまで幅広い。
- Qブランズタワー豊洲の売れ行きは?
- A
豊洲最後の駅近マンションとして注目度は高く、当初から売れ行きは好調。
- Qブランズタワー豊洲周辺の人気マンションは?
- A
湾岸エリアには、人気物件が多い。湾岸エリアの人気マンションはこちら。
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