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マンション価格が値下がりしにくい勝ち組エリア[2019年]
2019年4月25日公開(2019年6月18日更新)
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南千住のマンションは買い時か? アクセス6路線の鉄道利用と駅東側の高層マンション群に注目が集まる

少子高齢化が進む日本。将来の資産価値がどう変化するのか、居住地選びはますます重要になる。では、どのエリアのマンションや不動産の資産価値が上昇するのか。東京都荒川区の「南千住」は、住みやすい街として安定した人気を誇る。今回はその魅力に迫ってみよう。(フリージャーナリスト・福崎 剛)

上野までJR常磐線で6分のアクセスが魅力 

 都内の北東部に位置する荒川区。なかでも「南千住」は、JR常磐線、東京メトロ・日比谷線、つくばエクスプレスの駅が利用でき、上野や秋葉原へ10分以内のアクセスという魅力的な好立地にある。特にJR常磐線を利用した場合、上野まで6分で到着する利便性が注目されている。通学・通勤するうえでも非常に便利で、これが住みやすい街として高評価のポイントとなっている。

 2005年のつくばエクスプレスの開通で、利用可能な路線が3路線と広がり、利便性はいっそう高くなった。また、少し西側に向かえば、都電荒川線「三ノ輪」駅を利用することも可能だ。

ショッピングゾーンは駅の東側に集中 

 南千住駅から旧汐入地区への再開発は、1987年(昭和62年)にスタートして、いまも続いており、ショッピングセンターやタワーマンションが建ち並ぶモダンな街並みが広がっている。

 JR南千住駅前に商業施設の集まった高層マンションがあるが、開発整備が進んでいるのは駅の東側になる。フードショップなどの店舗、アミューズメント施設、クリニックなどで構成された「BiVi南千住」、スーパーや飲食店、各種日用品が揃うショッピングパークの「LaLaテラス南千住」や向かいに建つ「ロイヤルホームセンター南千住店」は、家族連れで賑わっており、日常の買物には困らない。

▲JR南千住駅前

狙い目は、駅の東側の高層マンション

 このように駅の東側の開発が進んでいるため、東へ向かって広がる、高層マンションが集まる汐入公園エリアがファミリー層に人気がある。駅からほど近く、ショッピングセンターもあるため、広い駐車場も完備され、近隣から多くの人が集まる人気スポットだ。また、三ノ輪周辺にも散発的に新築マンションが建ちつつあり、購入希望者の選択肢が広がっている。

歴史ある宿場町から飛躍的に発展するエリアへ

 もともと南千住は、江戸時代には日光街道の宿場町であり、それなりの賑わいがあった地域だ。その名残として、江戸時代から街道沿いに木賃宿が集まっており、南千住駅から南に向かって明治通りと交差する泪橋一帯は現在でも宿泊所が多く、いわゆる「山谷」と呼ばれる地域となっている。今は台東区清川・日本堤と荒川区南千住にまたがる地域だ。

 かつては日雇い労働者が集まるエリアとして知られたが、近年では外国人のバックパッカーなどが宿泊するB&Bなどが増えて、街の様相が大きく変わって来た。

 明治以降は隅田川の舟輸送と鉄道貨物を接続する物流拠点として発展し、特に紡績工業の街として日本の近代化を支えた。当時の名残は、貨物駅など鉄道操車場にも見られる。前述したように、1987年から大規模な再開発がスタートし、区画整理や都市道路計画が進められ、隅田川沿いには超高層マンションも建ち並んでいる。

 2005年につくばエクスプレスが開業し、利便性がさらに向上したことが、住みやすい街ランキングの評価の追い風になっている。駅前には、駐車場などが点在し、未利用地も多く残っており、今後の開発ポテンシャルは相当高いと考えられる。

延命寺にある首切り地蔵
▲延命寺にある首切り地蔵

待機児童数を削減し、子育て支援に手厚い荒川区 

 荒川区は東京23区の東北部に位置しており、人口は約21万5000人。「日経DUAL」の記事で、「共働き子育て自治体ランキング2018」で、全国第6位にランクインしているのが荒川区だ。ちなみに2017年は11位、2016年は8位となっており、共働き子育てしやすい街としての評価は高い

 24時間年中無休で育児相談を受ける「あらかわキッズ・マザーズコール24」、在宅育児家庭が孤立しないよう見守るための商品券「キッズクーポン(子育て応援券)を配布するほか、双子、三つ子家庭にタクシー利用料や保育料を助成する「ツインズサポート」制度が用意されるなどの充実ぶり。新設の保育園などの増設で、大幅に待機児童数を減らす努力をつづけている。

 また、中学3年生・高校3年生の子どもがいる家庭には、受験費用や学習塾費用が無利子で借りられる制度も導入し、貸し付け限度額は20万円ながら積極的な進学支援をしている。

【荒川区の待機児童数の状況】
●平成29年4月1日 181人
●平成30年4月1日 80人
*厚生労働省が実施している待機児童数調査に基づく数値

南千住の地価は割安か?

 開発が進む南千住は、交通やショッピングの利便性が高く、気になる子育ての支援も行政が取り組んでおり、住みやすいのは間違いない。

 では、地価はどうなのか。SUUMOによるJR常磐線の駅周辺の土地価格相場では、南千住は198.3万円/坪となり、主要駅である上野と比べると坪単価で117万円ほど安く、大学のキャンパスが増えて学生が多くなった北千住よりは26万円ほど高い傾向にある。

SUUMOより

 次に国土交通省の公示地価で南千住周辺の地価公示価格を見てみると、平成31年調べでは、南千住駅から200mほどに位置する「荒川区南千住7丁目」のあたりで、41万9000円/㎡になっている。1年前の地価公示価格が38万5000円なので、約1.09倍の上昇がみられる。

 また、住所は南千住でも三ノ輪に近い「南千住5丁目」周辺は、平成30年に63万円/㎡だったが、平成31年には69万1000円になり、およそ1.096倍も上がっている。
 つまり、1年で南千住周辺は9%〜10%近く上昇したといえるだろう。今後も続く再開発で、地価はまだまだ上昇するとみていい。

【関連記事はこちら】>>荒川区の「新築マンション人気ランキング」三ノ輪、町屋、南千住など注目エリアのおすすめ物件は?【2019年3月版】

23区内では犯罪が少なく、治安面でも安心

 交通利便性のよさや地価の割安感、子育て支援など、荒川区南千住は住みやすい街として評価されている。しかし、処刑場の歴史があったり、ほど近いところに日雇い労働者が多い「山谷」と呼ばれた地域が存在するなど、マイナスイメージを抱く人も少なくない。

 治安面ではどうなのだろうか。警視庁のHPに掲載される「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」の数値から、(犯罪件数÷総人口×1000)で算出した東京23区の犯罪発生率が下の表だ。隣接する台東区や墨田区、葛飾区、北区と比べても犯罪発生率が低いことがわかる。

 荒川区は、都内の中では犯罪発生率が低いため、治安面では比較的安心な地域と判断していいだろう。こうした点も南千住が人気となっていると考えられる。

▲(犯罪件数÷総人口×1000)で算出した2018年の東京23区の犯罪発生率。出典:警視庁

防災のための水害ハザードマップを確認

 隅田川荒川に接している荒川区は、昔から洪水被害のリスクが高い地域だ。治水工事などで改善されてきたとはいえ、災害対策を常に考える必要がある。ハザードマップでは、荒川流域に想定最大雨量(72時間総雨量632mm)があった場合の浸水の深さを色分けしている。

 このハザードマップによれば、南千住駅周辺は、3.0〜5.0m未満の浸水被害を受けるリスクがある。マンションでも1階の床上浸水は充分考えられる。

▲出典:荒川区防災地図(水害版)

 低地であるために、水害被害のリスクはある程度考慮しておく必要がある。近年では、ゲリラ豪雨などにより1時間で100mmの降雨量になることも考えられる。

地震に関する危険度は、高め

 また、東京の東側では、道路が狭く消防車などの緊急車両が入れない密集市街地が多く、長年に渡って問題になっている。古い民家などでは耐震性もなく、東日本大震災クラスの地震に襲われると倒壊の危険が大きい。そのため、こうした地域危険度を東京都が調査し、その結果を公表している。それが「地震に関する地域危険度測定調査 地域危険度一覧表(区市町別)」になる。

 東京都では、東京都震災対策条例(当時は震災予防条例)に基づいて、昭和50 年11 月に第1回(区部)の地域危険度を公表。5年ごとに調査を行っており、第8回目の調査結果が2018年2月に公表された。

 これは、都内の市街化区域の5,177町丁目について、各地域における地震に関する危険性を、建物倒壊危険度、火災危険度に加えて、前回から測定を始めた災害時活動困難度を加味し、総合危険度について測定したもの。その内容は、「建物倒壊危険度(建物倒壊の危険性)」、「火災危険度(火災の発生による延焼の危険性)」、「総合危険度(上記2指標に災害時活動困難度を加味して総合化したもの)」からの要素をもとに相対的に評価している。数字が高くなるほど危険度は高い。

 地域危険度のランクが「5」だからと言って、その地域に住むことがダメだというわけではない。防災面から見た場合に、いろいろな課題を抱えている地域だと解釈しておくべきだろう。そういうこともあり、不動産価格が割安な印象がするのかもしれない。

▲地震に関する地域危険度測定調査 地域危険度一覧表(区市町別)。一部加筆。

 建物倒壊危険度が4、5の評価が多いのは、荒川区に限らず下町に共通している傾向だ。再開発や道路拡張で、緊急車両の往来がスムーズになれば、地域全体の防災力は高まるだろう。再開発が進めば、南千住周辺の地域危険度は今後さらに低くなるのは間違いない。

 そうなることで、南千住周辺の資産価値も高まると考えられるのである。

「南千住のマンションは買い時か?」のまとめ

◆2005年のつくばエクスプレスの開通で、利用可能な路線が3路線と広がり、南千住の利便性はいっそう高まった。特にJR常磐線を利用した場合、上野まで6分という近さは魅力。
◆狙い目は、南千住駅の東側に広がるショッピングに便利なエリアの高層マンション。
◆荒川区は、23区内では犯罪発生率が低く、治安面では比較的安心な地域といえる。
◆注意点としては、荒川区の水害、地震に対する危険度はやや高いということを認識しておくことだ。エリアによっては注意が必要となる。ただし、今後再開発が進めば、道路整備等により地域全体の防災力が高まる可能性が高い。
ここ1年で南千住周辺の地価は9%〜10%近く上昇している今後も続く再開発で、地価はまだまだ上昇する可能性がある。

【関連記事はこちら】>>荒川区の「新築マンション人気ランキング」三ノ輪、町屋、南千住など注目エリアのおすすめ物件は?【2019年3月版】

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