「ジオタワー大阪十三」の価格や特徴を分析!定借マンションの割安感はある? 現地に行ってみた感想も

2023年10月24日公開(2024年4月30日更新)
神納まお:フリーライター

大阪市淀川(よどがわ)区に建設予定の「ジオタワー大阪十三(じゅうそう)」は、阪急阪神不動産が開発する39階建て総戸数712戸の大規模タワーマンションだ。淀川北部の拠点、阪急十三駅へ徒歩3分という立地に、市立図書館や新設スーパー、保育・学童施設などが入る一大プロジェクトとして注目されている。9月からスタートした事前案内会へ潜入取材してみた。

大規模タワマン「ジオタワー大阪十三」は、阪急十三駅3分立地の定借マンション

「ジオタワー大阪十三」の完成予想CG(出典:公式ホームページから)
「ジオタワー大阪十三」の完成予想CG(出典:公式ホームページから)

 「ジオタワー大阪十三」の特徴は、阪急のターミナル駅「十三(じゅうそう)」へ徒歩3分という立地。そして、複数の官民複合施設を含む712戸のタワーマンションという大規模開発であることだ。

 1階から2階部分には大阪市立図書館とまちライブラリー、新設スーパーマーケット、保育・学童施設(予定)、などが入る計画となっている。

阪急・十三駅には京都線、神戸線、宝塚線が集中しており、最速で大阪梅田駅まで3分、神戸三宮駅までは27分、宝塚駅までは31分、京都河原町駅まで43分で行くことができる。
阪急十三駅(筆者撮影)

 最寄りの阪急の十三駅には京都線、神戸線、宝塚線が集中。最速で大阪梅田駅まで3分、神戸三宮駅までは27分、宝塚駅までは31分、京都河原町駅まで43分で行くことができる。

 また、借地権付きマンションであることも大きなポイントだ。

 分譲マンションの場合、土地は購入者の共有となるのが一般的だ。それに対し、土地の上に立っているマンションだけが分譲され、マンション購入者は一定期間、借地として土地を利用する物件を「定期借地権付きマンション」という。

 土地所有権については一般定期借地権を引渡日より2091年9月30日までに返還する。借地期間には建物解体期間を含むため、およそ60年間の借地期間となる見込みだ。

【関連記事はこちら】>>定期借地権付きマンションとは?メリット・デメリットについても解説

ジオタワー大阪十三(物件詳細はこちら)
ジオタワー大阪十三価格未定
完成時期2026年1月
交通阪急京都本線「十三」駅 徒歩3分 (東改札口)、阪急宝塚本線「十三」駅 徒歩3分 (東改札口)、阪急神戸本線「十三」駅 徒歩3分 (東改札口)
所在地大阪府大阪市淀川区十三東1丁目21番3他(地番)
間取り1LDK~3LDK
専有面積44.27㎡~161.55㎡
物件の特徴総戸数712戸
  • 関西最大※1、住・商・官複合開発。
  • 阪急「大阪梅田」駅へ1駅、駅徒歩3分。
  • 超高層タワー地上39階建・総712戸。
施工鹿島・高松共同企業体
売主阪急阪神不動産株式会社
資料請求はこちら
(ライフルホームズ詳細へ)

【現地レポ】周辺環境は?

「ジオタワー大阪十三」建設地前の交差点(筆者撮影)
建設地前の交差点(筆者撮影)

 建設地に実際に足を運んでみると、十三駅東改札から交差点まで実測で2分かからなかった。現地は十三駅東商店街を南に抜けた淀川通りの交差点に広がっている。

 完成竣工予定は2026年1月ごろ、入居時期は2026年4月の予定だ。

「ジオタワー大阪十三」現地西側の様子(筆者撮影)
現地西側の様子(筆者撮影)
「ジオタワー大阪十三」現地北側のバス停の様子(筆者撮影)
現地北側のバス停の様子(筆者撮影)

 道路を挟んで西側には医療系専門学校が建設中(上画像左)。「学校法人履正社」と幕が出ている。そして手前には交番がある。現地北側の大通りは淀川通りで、目の前に梅田方面に通ったバス停(上画像右)がある。

「ジオタワー大阪十三」現地東側の様子(筆者撮影)
現地東側の様子(筆者撮影)

 東側は道路を挟んで飲食店やホテルが立っている。ファッションホテルが2軒あるが、けばけばしい外観ではなく、ホテル街という印象ではない。

「ジオタワー大阪十三」現地南側の様子(筆者撮影)
現地南側の様子(筆者撮影)

 南側の道路を挟んで、空き家になったホテルと新しいセレモニーホールがある。高い建物ではあるが、マンション内の敷地南側は自転車置き場になる計画だという。

 そのため、これらの建物からマンションまでの距離は30メートル近く離れることになる。視線的にも日当たり的にも問題なさそうだ。

「ジオタワー大阪十三」南西角から撮影した建設地の様子(筆者撮影)
南西角から撮影した建設地の様子(筆者撮影)

 建物の方角は東へ振っており、敷地の南向きは正確には南西向きになる。また、上の写真に写っている道をまっすぐ進む(北へ行く)とまもなく淀川の河川敷へあたる。

十三駅前商店街の様子
十三駅前通商店街の様子(筆者撮影)
十三駅前商店街の様子
十三駅前商店街の様子(筆者撮影)

 十三駅前通商店街にはファストフードやカフェなどの飲食店を中心にコンビニ、100円ショップ、ドラッグストアが並ぶ。ちょっとした買い物には困らないが、スーパーマーケットとなると、1キロ近く離れたところのライフしかない。

 しかし、新設のスーパーがマンション内に入ることが決まっているので問題はないだろう。スーパーのブランドは教えてもらえなかったが、いかりスーパーや成城石井ではないとのこと。阪急ならオアシスかもしれないが、いずれにしても普通のリーズナブルなスーパーになりそうだ。

周辺施設と距離まとめ

 取りまく環境としては、公園も近く小・中学校も徒歩10分以内、目の前が大規模な駅前商店街なので生活利便性は悪くない。

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【学校・教育】
・やすらぎ保育園(徒歩2分/約150m)
・愛光保育園(徒歩5分/約380m)
大阪市立十三小学校徒歩8分/約630m)
・大阪市立十三中学校(徒歩9分/約670m)
・北野高校(徒歩9分/約650m)
【金融機関】
・みずほ銀行 十三支店(徒歩4分/約250m)
・北おおさか信用金庫 十三営業部(徒歩4分/約250m)
・三菱UFJ銀行 十三支店(徒歩4分/約280m)
・三井住友銀行 十三支店(徒歩4分/約290m)
・関西みらい銀行 十三支店(徒歩5分/約350m)
・淀川十三東郵便局(徒歩4分/約320m)
【病院・クリニック】
・医療法人志紀会 希咲クリニック(徒歩1分/約80m)
・かわさき内科(徒歩2分/約120m)
・十三駅前医療ビル(徒歩3分/約230m)
・高田医院整形外科・内科(徒歩3分/約240m)
・大阪市立十三市民病院(徒歩19分/約1,510m)
【商業施設(スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア)】
・ファミリーマート 十三東店(徒歩1分/約80m)
・十三駅前通商店街(徒歩1分/約80m)
・キャンドゥ 十三駅前店(徒歩2分/約140m)
・マツモトキヨシ 十三東口駅前店(徒歩2分/約150m)
・ライフ 十三東店(徒歩12分/約950m)
【公共施設・公園、その他】
・大阪市淀川区役所(徒歩5分/約390m)
・大阪市立淀川屋内プール(徒歩5分/約390m)
・淀川警察署(徒歩9分/約710m)
・淀川区民センター(徒歩11分/約850m)
・淀川河川公園(徒歩3分/約200m)
・十三東公園(徒歩3分/約220m)
・十三公園(徒歩8分/約610m)
・新北野児童遊園(徒歩8分/約640m)
・エニタイムフィットネス 十三店(徒歩5分/約390m)

「ジオタワー大阪十三」の価格と間取りプラン

価格について

 気になるのは「ジオタワー大阪十三」の価格だ。大阪市街地のマンション価格が高騰するなか、定借でどのくらいの割安感が出るのか。

 申し込みの受け付けが2024年に入ってからなので、現時点では予定価格が聞ける住戸も限られ(20階と34階、36階の一部、最上階の39階)、しかも1000万円台単位までしか決まっていないという。(例:7,000万円前半……7,000万円~7,499万円)

 下記に、聞き取れたものを記載する。

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 「ジオタワー大阪十三」の価格帯

20階 南角 3LDK 89.13㎡ 1億1,000万円前半
20階 南東中 3LDK 72.36㎡ 7,000万円前半
20階 南東中 2LDK 65.58㎡ 6,000万円後半
20階 南東中 3LDK 68.76㎡ 7,000万円前半
20階 東角 2LDK 81.76㎡ 9,000万円前半
20階 東北中 2LDK 67.48㎡ 6,000万円前半
20階 東北中 3LDK 74.89㎡ 6,000万円後半
20階 東北中 2LDK 60.94㎡ 5,000万円前半
20階 北角 2LDK 78.50㎡ 7,000万円後半
20階 西北中 2LDK 60.81㎡ 5,000万円前半
20階 西北中 1LDK 46.01㎡ 4,000万円前半
20階 西北中 2LDK 62.04㎡ 5,000万円前半
20階 西角 3LDK 91.21㎡ 1億1,000万円前半
20階 南西中 2LDK 64.65㎡ 6,000万円後半
20階 南西中 3LDK 73.35㎡ 7,000万円後半
20階 南西中 3LDK 77.93㎡ 8,000万円前半
34階 南角 3LDK 108.92㎡ 1億5,000万円後半
34階 南東中 3LDK 79.88㎡ 9,000万円前半
34階 南東中 3LDK 81.36㎡ 9,000万円後半
34階 南東中 3LDK 76.48㎡ 9,000万円前半
34階 東角 3LDK 106.70㎡ 1億4,000万円後半
34階 東北中 2LDK 67.62㎡ 7,000万円前半
34階 東北中 3LDK 70.90㎡ 7,000万円後半
34階 東北中 3LDK 76.38㎡ 8,000万円前半
34階 北角 3LDK 107.50㎡ 1億3,000万円前半
34階 西北中 3LDK 78.51㎡ 8,000万円前半
34階 西北中 2LDK 64.98㎡ 6,000万円後半
34階 西北中 3LDK 76.08㎡ 7,000万円後半
34階 西角 3LDK 105.22㎡ 1億3,000万円後半
34階 南西中 3LDK 83.16㎡ 9,000万円後半
34階 南西中 3LDK 76.09㎡ 9,000万円前半
34階 南西中 3LDK 74.12㎡ 8,000万円後半
36階 南角 3LDK 108.92㎡ 1億7,000万円前半
36階 東角 3LDK 106.70㎡ 1億5,000万円後半
36階 北角 3LDK 107.50㎡ 1億4,000万円台
36階 西角 3LDK 105.22㎡ 1億3,000万円台
39階・最上階 南角 3LDK 163.80㎡ 3億6,000万円台
39階・最上階 南東中 3LDK 109.27㎡ 1億7,000万円台
39階・最上階 南東中 3LDK 115.42㎡ 1億8,000万円台
39階・最上階 東角 3LDK 156.64㎡ 3億1,000万円台
39階・最上階 東北中 3LDK 104.69㎡ 1億6,000万円台
39階・最上階 東北中 3LDK 100.22㎡ 1億5,000万円台
39階・最上階 北角 3LDK 161.55㎡ 2億8,000万円台
39階・最上階 西北中 3LDK 108.06㎡ 1億5,000万円台
39階・最上階 西北中 3LDK 103.83㎡ 1億5,000万円台
39階・最上階 西角 3LDK 160.52㎡ 3億1,000万円台
39階・最上階 南西中 3LDK 115.28㎡ 1億8,000万円台
39階・最上階 南西中 3LDK 105.93㎡ 1億7,000万円台

 価格帯は2LDKが5,000万円台前半から、メインは3LDKの6,000万円台から1億円台。坪単価では200万円台中盤から400万円近くまで幅がある。
 
 ファミリー層の購入対象となりそうなメインの60㎡から80㎡あたりの3LDKの住戸の坪単価では300万円台、3億円を超える最上階のプレミアム住戸は700万円を超える。
 
 周辺の中之島などの新築タワーマンションと比べればやや安いといえるが、定借ということを考えるともう少し安くてもいい気がする。ただ、大阪市内でここより安い新築タワーマンションは数えるほどしかない。それも値上がりしてきている。
 
 ロケーションや大規模開発の付加価値を考えると、もはや高いとはいえない価格帯かもしれない。

 2024年1月中旬に正式価格発表、同時に登録受付スタート、1月下旬に抽選後申し込み、重要事項説明。契約は2月中旬ごろからになる見通しだ。

ジオタワー大阪十三(物件詳細はこちら)
ジオタワー大阪十三価格未定
完成時期2026年1月
交通阪急京都本線「十三」駅 徒歩3分 (東改札口)、阪急宝塚本線「十三」駅 徒歩3分 (東改札口)、阪急神戸本線「十三」駅 徒歩3分 (東改札口)
所在地大阪府大阪市淀川区十三東1丁目21番3他(地番)
間取り1LDK~3LDK
専有面積44.27㎡~161.55㎡
物件の特徴総戸数712戸
  • 関西最大※1、住・商・官複合開発。
  • 阪急「大阪梅田」駅へ1駅、駅徒歩3分。
  • 超高層タワー地上39階建・総712戸。
施工鹿島・高松共同企業体
売主阪急阪神不動産株式会社
資料請求はこちら
(ライフルホームズ詳細へ)

気になる間取りは

 「ジオタワー大阪十三」のプランは3LDKを中心に20種類近くある。

 今回注目したのは「EP」タイプという83.16㎡、3LDK、西向き(ジオタワー大阪十三の表記では南西中)住戸プランだ。

「EP」タイプという83.16㎡、3LDK、予定価格は9,000万円後半(画像出典:来場者専用サイトより)
「EP」タイプ、83.16㎡、3LDK、予定価格は9,000万円後半(画像出典:来場者専用サイトより)

 間口の真ん中から入るため、廊下は短くなり、玄関の正面も壁になる。そして、リビング・ダイニングから2部屋(5.0畳、5.4畳の洋室)へつながっており、各部屋をリビング・ダイニングの延長と考えて広く使うことができる。

 さらに全部をつなげて考えれば大人数の来客にも困らない。住む人のライフスタイルによって、幅広く対応できそうだ。

 キッチンスペースはカウンターキッチンが多い中、希少な半独立タイプなので、仕切ることができる。水回りの動線は離れるが、それ以上のメリットはあるだろう。収納もウオークインクローゼットが2カ所があり、外部トランクルームもある。

 南西向きなので午前中より午後から明るくなるが、建物全体をやや東へ振っているため日照時間は長く、西日も抑えられそうだ。

 しかも、神戸方面の六甲山系や淀川花火が見える方面だ。南側は淀川堤防下に20階を超えるマンションがあり、25階を超えないと視界に入りそうだが、南西向きは比較的抜けた景色が眺められる。

28階南西の眺望(画像出典:来場者専用サイトより)
28階南西の眺望(画像出典:来場者専用サイトから)

「ジオタワー大阪十三」の設備仕様と共用施設

 「ジオタワー大阪十三」の設備仕様はどうだろうか。

 標準仕様をまとめると下記の通りだ。

・省エネ高効率給湯暖房機「エコジョーズ」
・Low-E複層ガラス
・ガス温水床暖房
・高効率エアコン(DAIKIN)をリビング・ダイニングに標準装備
・各戸トランクルーム
・高効率設備の導入により快適な室内環境を保ちつつ省エネを実現する「ZEH-M Oriented」に認定
・長周期地震動に対して揺れを大幅に低減する鹿島建設の制御層制震構造(KaCLASS)を初導入

 一定のタイミングまでは、間取りプラン、カラー、設備などの無償セレクト、有償オプションが用意されている。天井高は居室標準高さで2,450mm〜2,600mm。リビングダイニングやフロアクオリティーにより変動する。

 続いて共用施設についてまとめた。3階に施設が集中しており、30階にスカイラウンジがある。

・植栽が配置された高級感あるグランドロビー
・屋上庭園風のオーナーズガーデンを見渡すオーナーズラウンジ、エスプレッソマシンでスターバックスのコーヒー体験を提供
・子供の遊び場など多目的空間として使えるコミュニティスペース
・高速wi-fi完備でテレワークも快適なワーキングテラス
・アウトドア帰りなどにも活躍するランドリーコーナー
・阪急阪神ホテルズ監修による和洋2タイプのゲストルーム
・30階、梅田の摩天楼を望むスカイラウンジ

 1階には駐車場のタワーパーキングの出庫待ちに使う専用のウエーティングラウンジがある。完成予想図などで見る限り、どれも大規模タワーマンションらしい高級感あるイメージだ。

 既に述べたように1階はスーパー、2階には市立図書館・保育学童施設などが入るため、3階まではエレベーターかエスカレーターで上がる。

「ジオタワー大阪十三」のメリット

メリット①立地

 「ジオタワー大阪十三」は、阪急のターミナル駅十三へ徒歩3分という立地にあり、どこへ行くにも不便がないといっていいほどの立地だ。
 
 マンションから駅までのルートもほぼアーケードなので傘もいらない。新設スーパーも含め生活利便性も高い。特に淀川より北に位置するため、新大阪に近く、阪神間や京都方面への移動も便利な立地だ。

 新大阪駅への路線はないが、阪急は現在、直通線を計画(仮称・阪急連絡線)している。現在でも距離が近いので自転車でも移動できる。新大阪駅周辺は上空を飛ぶ飛行機の関係で高い建物が建てられないことを考えると、川北のエリアで総合的に利便性が高い大規模タワーマンションは限られてくるだろう。

メリット②複合再開発と将来性

 「ジオタワー大阪十三」は阪急阪神不動産の開発に大阪市も共同し、述べてきたとおり市立図書館やスーパーも開設される。

 また将来的には駅周辺で再開発が進む余地が残っている。新大阪駅直通路線も、リニア新幹線が開通するころには現実的になっているだろう。リニアが開通すれば十三エリアは東京と大阪を結ぶスーパー・メガリュージョン(※)の一角に入る位置にあり、資産価値も大きく向上する可能性がある。

※リニア中央新幹線が開通することで、首都圏と中部圏と関西圏の3大都市圏が一体化。それによって巨大な経済圏を作り出す構想のこと。

メリット③眺望

 39階建ての「ジオタワー大阪十三」より高い建物は周辺にはなく、全体的に日当たりと眺望は問題ない。

 南向きの淀川方面には20階程度のマンションがあるが、およそ25階を超えれば気にならないだろう。淀川の向こうには梅田のビル群が見渡せる。逆に言うと梅田に住んでいては見られない眺望だ。

淀川河川敷から対岸の梅田方面(筆者撮影)
淀川河川敷から対岸の梅田方面(筆者撮影)

 西向きは淀川に加えて六甲山系も眺望でき、淀川の花火も一等席で眺められる。資料請求すれば各階・各戸の眺望シミュレーションがホームページから閲覧できる。

「ジオタワー大阪十三」のデメリット

 では、デメリットはどうだろうか。気になった点は以下の通り。

デメリット①価格と定借物件

 定借物件の「ジオタワー大阪十三」には、現実的な借地期間と価格バランスのデメリットが考えられる。

 定借物件は土地の固定資産税はかからないが、借地料が発生する。「ジオタワー大阪十三」では1万円台から2万円台/月と住戸によって差があるが、管理・修繕費用などと共に合わせてランニングコストが高くなる。

 実質60年ほどの借地期間はあるが、残りが10年といったタイミングでのリセールとなると売りづらくなるだろう。いずれにしても土地を所有しないスタイルでのメリットと言える価格面がポイントとなるが、販売価格を見るとあきらかに割安とまではいえない。

 同条件のマンションがないため単純比較は難しく、現時点では判断できないが、通常の新築(所有)だったとしたら、もう1〜2割は高くなっていただろう。

 また、解体更地返還を前提にしているため、住みたくても住めないという事態が考えられる。

デメリット②十三のイメージ

 関西の人にとって十三というと、住むというイメージはあまりない。十三から尼崎のエリアは市街地には近いが商業・工業のイメージで、平たく言うと飲食店がありファッションホテル街があるため、住むなら武庫川や西宮、芦屋へ、となりがちだ。

 駅前商店街には立ち飲み屋もあり、駅西(本物件とは反対側)にはホテル街があり、店舗型・無店舗型の風俗店もある。

 考えてみるとこのロケーションは十三だけでなく梅田でも難波でも大差はないのだが、どういうわけか十三には治安が悪いイメージが残っている。気になる人にはネックになるかもしれない。

「ジオタワー大阪十三」は買いか

 借地権付きマンション「ジオタワー大阪十三」を判断するポイントはやはり販売価格だろう。

 現時点での価格は、一見して定借らしいリーズナブル感はない。ただ、短期的にはマンション価格の高騰、長期的には更なる利便性向上や資産価値や金利などの上昇という要素を含めていくと、近い将来、早い時期に「あの物件は安かった」となりかねない。

 10月21日以降に発表されていく販売価格も、売りながら上昇していく可能性もある。これだけの大規模タワーマンションはそう多くはなく、マンション用地はますます取得が難しくなり、競合で取得費が上がり、また価格も上がる、という循環になるだろう。

 そのため定借マンションは増え、デメリットというよりメリットになっていくのかもしれない。立地と大規模タワーマンションの希少性などを考えれば、買って損はなさそうだ。

ジオタワー大阪十三(物件詳細はこちら)
ジオタワー大阪十三価格未定
完成時期2026年1月
交通阪急京都本線「十三」駅 徒歩3分 (東改札口)、阪急宝塚本線「十三」駅 徒歩3分 (東改札口)、阪急神戸本線「十三」駅 徒歩3分 (東改札口)
所在地大阪府大阪市淀川区十三東1丁目21番3他(地番)
間取り1LDK~3LDK
専有面積44.27㎡~161.55㎡
物件の特徴総戸数712戸
  • 関西最大※1、住・商・官複合開発。
  • 阪急「大阪梅田」駅へ1駅、駅徒歩3分。
  • 超高層タワー地上39階建・総712戸。
施工鹿島・高松共同企業体
売主阪急阪神不動産株式会社
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