「リビオシティ文京小石川」の価格や間取りは？ 文京区では希少な大規模・定期借地権マンションが登場

「リビオシティ文京小石川」は、都営三田線の白山駅から徒歩10分にある、10階建てと1棟7階建ての建物5棟からなる全522戸のマンションだ。約70年の一般定期借地権マンションとなっている。7月6日から物件エントリー者限定で事前案内会がスタートしたが、7月の中旬ですでにエントリー数は8000を超えた。事前案内会も大盛況で、予約は満席の日が続いている。「リビオシティ文京小石川」の人気の理由を解説していこう。

「リビオシティ文京小石川」の売り主は？

 「リビオシティ文京小石川」という名前を聞いて、どこが売り主なのかピンとこないという人もいるだろう。昨今の大規模マンションといえば、三井不動産や住友不動産などが手掛ける「パークシティ」や「シティタワー」など、マンション名を聞けば売り主がわかるようなマンションばかりだからだ。

 「リビオシティ文京小石川」の売り主（デベロッパー）は、「日鉄興和不動産」だ。2012年に「興和不動産」と「新日鉄都市開発」が経営統合した不動産会社で、2019年に「新日鉄興和不動産」から「日鉄興和不動産」に社名を変更した。

　オフィスビル開発のほか、マンションブランドの「リビオ」を中心に住宅事業を展開している。俳優の横浜流星を起用したブランド広告を出すなど、現在大々的に知名度アップを図っている。

 「日鉄興和不動産」は、2023年度までの首都圏でのマンション供給戸数が2年連続でトップ5に入るなど、今やメジャー7と呼ばれる大手デベロッパーに並ぶ勢いを見せている。資産価値のひとつに売り主の知名度が挙げられるが、そうした意味では安心感のある売り主だと言えるだろう。

文京区で誕生した、大規模な定期借地権マンション

 「リビオシティ文京小石川」の大きな特徴は、文京区最大規模の物件だということと、定期借地権マンションだということ。また、「小石川植物園」に近く、緑を感じられる住環境も人気の理由のひとつだ。高級住宅街とまでは言えないが、マンションやお寺などが立ち並ぶ落ち着きあるエリアにある。

　駅近のタワーマンションでもない限り、こうしたエリアに大規模マンションをつくる土地を確保するのは難しいことだが、この敷地にはもともと「共同印刷」の工場があった。「共同印刷」は隣接地に新社屋をつくったが、大正時代から持つこの土地を手放さずに活用したいという思いがあったという。そうした経緯から定期借地権という形でのマンションが実現した。

　都心にこのような広い敷地を確保できるのはめったにないことで、特に文京区では希少だ。また、定期借地権マンションであるため、価格も安価になるのではないかという期待感もあり、「リビオシティ文京小石川」の注目度は増した。

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「リビオシティ文京小石川」の価格

　それでは、気になる価格を見てみよう。まず、全体の配棟は以下のようになっている。

A棟	北東	10階建て
Bw棟	北西	7階建て
Be棟	南東	7階建て
C棟	南東	7階建て
D棟	南東	7階建て
E棟	南西	7階建て

＊C棟：第一期一次は販売予定なし

　価格は、各棟の数部屋のみ発表された。主な部屋の価格は次の通りだ。

第一期一次予定価格表（一部）

A棟
階数	広さ（㎡）	金額	間取り
4階	76.81㎡	1億3.900万円	3LDK
4階	60.61㎡	9,700万円	2LDK
7階	89.61㎡	1億9,500万円	4LDK

Bw棟
階数	広さ（㎡）	金額	間取り
4階	59.17㎡	9,500万円	2LDK
7階	85.42㎡	1億7,900万円	4LDK

Be棟
階数	広さ（㎡）	金額	間取り
4階	65.65㎡	1億円	3LDK

D棟
階数	広さ（㎡）	金額	間取り
4階	70.36㎡	1億1,600万円	3LDK
4階	85.81㎡	1億7,900万円	4LDK

E棟
階数	広さ（㎡）	金額	間取り
4階	72.53㎡	1億2,900万円	3LDK
5階	95.57㎡	2億1,900万円	4LDK

＊4LDKの住戸には駐車場優先権あり

　A棟は目の前が大通り、E棟は南西向きで日当たりが良いため、比較的広めの部屋が多く、値段もやや高めとなっている。　

　周辺の中古マンションの価格を調べてみた。定期借地権マンションではないが、比較的条件が近い「ブランズ文京小石川レジデンス」の販売情報を例に見てみよう。

 「リビオシティ文京小石川」の中で、方角など条件が近い部屋を見てみる。

　築6年の小規模マンションとの比較では、坪単価で100万円程度安いことになる。所有権と定期借地権の違いはあるが、現在の高騰する新築マンション価格を考えると、この価格差は魅力的だ。

毎月の維持費は2万円程度

　物件価格としては安価になる定期借地権マンションだが、毎月の維持費を見ると所有権マンションよりも高くなる。理由は、所有権にはない次の費用がかかるためだ。

 「リビオシティ文京小石川」ではまだ金額は発表されていないが、取材した限りでは毎月の費用感はこのようになりそうだ。

・解体準備金　約80円/㎡　70㎡の場合：5,600円程度
・地代　約170円/㎡　70㎡の場合：11,900円程度

　通常の所有権マンションで毎月必要となる管理費と修繕積立金のほかに、合計で2万円程度の費用がかかると考えておいた方がよいだろう。ただ、定期借地権マンションでは固定資産税がかからないため、年間で考えるとこの支出は必ずしも高いとは言えない。

　1億円のマンションでは、立地にもよるが年間40万～60万円程度の固定資産税がかかるといわれているからだ。

気になる間取り

　下の間取りは田の字型の標準的なものだが、特筆すべき点が２つある。ひとつは収納の多さだ。特に、通常は主寝室だけにしかないウォークインクローゼットが、2つの居室についているのがうれしい。また、廊下側には0.4畳のストレージもあるため、収納力は十分だ。

　また、もうひとつはリビングルームの隣に、「モアトリエ」という1.7畳ほどの多目的スペースがあること。これは、はやりの”おこもり部屋“のようなもの。ちょっとした書斎や趣味の部屋として、またストックルームとしても利用可能で、好みに合わせて使うことができる。小さな空間ではあるが、何に使おうかと、楽しみが広がりそうだ。

　この間取りだけではなく、多くの部屋に「モアトリエ」が用意され、タイプは違うが収納も充実している。また、キッチンにはカップボードやタッチレス水栓も標準装備され、スペックの高さが感じられた。

「リビオシティ文京小石川」の共用施設

　大規模マンションらしく、「リビオシティ文京小石川」の共用施設は充実している。在宅ワーク需要に応え、「ワーク＆スタディルーム」には個室を完備。また、「フィットネスラウンジ」は、フィットネスクラブ「ゴールドジム」がマシン選定などを行っており、クオリティーの高い本格的なフィットネス空間となっている。

「リビオシティ文京小石川」のメリット・デメリット

　最後に、「リビオシティ文京小石川」のメリット・デメリットをまとめておこう。

「リビオシティ文京小石川」のメリット

文京区の大規模マンションの希少性

　前述したとおり、都心にこうした大規模マンションをつくる土地を確保することは大変難しく、特に文京区ではめったに出ない物件だと言える。この希少性は資産価値を保つうえで重要な要素となるだろう。

1階に入居予定のスーパーマーケット

 「リビオシティ文京小石川」の1階には、店舗面積1,700㎡を超える規模の都市型スーパーマーケットが入居する。足元にスーパーマーケットがあることで、生活利便性が向上することは間違いない。

地権者がいない

　もともと「リビオシティ文京小石川」の建つ土地を所有していたのは、「共同印刷」。居住者のいない土地だったため、地権者がいない。地権者住戸がないため、今回は全住戸522戸が販売される。これは大きなメリットだと言えるだろう。

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買いやすい物件価格

　定期借地権マンションのため、所有権マンションに比べると物件価格は安くなる。1億～1億3000万円程度で手に入る都心マンションは、かなり限られてきている。

「リビオシティ文京小石川」のデメリット

駅までの距離

　一番近い都営三田線の白山駅でも徒歩10分かかり、駅から近いとは言えない。東京メトロ丸ノ内線・南北線の後楽園駅は12分、都営大江戸線・三田線の春日駅は11分、東京メトロ丸ノ内線の茗荷谷駅までは、13分となっている。

　4駅4路線が利用可能なのは便利だが、全ての駅までにそれなりの時間を要する。主要駅までシャトルバスを運行する計画もあるが、本数などは未定だ。

眺望が良くない

　敷地内に6つの棟が詰めこまれている感が否めない。近距離に他の棟があるか、別のマンションなどがあるため、眺望はあまり良くない。A棟に関しては、目の前が道路で、緑が目に入る部屋もあるが、E棟は、寺の墓が目に入る部屋もある。

天井が低い

　主な部屋の天井高は、2,460mmとなっている。2,500mmくらいが昨今のマンションの平均ではあるが、この価格帯のマンションでは物足りなさを感じる。

「リビオシティ文京小石川」は買いか

　定期借地権マンションは、メリットもデメリットもあるため好みが分かれるところだが、価格とマンションのクオリティーを考えると、人気となっているのは納得だ。ファミリー層に圧倒的な人気のある文京区だけに、特に住環境にこだわるファミリーなら、積極的に検討して損のないマンションだと言えるだろう。

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