「レ・ジェイドつくば Station Front」の価格や特徴を分析! 始発駅から座って通勤、茨城県つくば市の大型物件は買いなのか?

2021年5月19日公開(2024年1月16日更新)
櫻井幸雄:住宅評論家

新築マンション「レ・ジェイドつくば Station Front」は、つくばエクスプレス「つくば」駅から徒歩3分、全218戸の大規模マンションだ。都心通勤者は茨城県と聞くと敬遠しがちだが、「つくば」から秋葉原までは45分、始発駅から座っての通勤が可能となる。このようにデメリットが意外なメリットとなるのが、この物件の特徴とも言える。(住宅評論家・櫻井幸雄)※新築販売時の記事です。

新築マンション「レ・ジェイドつくば Station Front」の3つの不安要素とは?

 茨城県つくば市の物件「レ・ジェイドつくば Station Front」は、売れ行き好調だ。2021年3月に行われた第1期分譲128戸が短期間に成約した。全218戸のうち、最初の販売で半数以上の128戸が売れてしまったのだから、順調どころか、人気物件といえる。

 ただ「レ・ジェイドつくば Station Front」には、3つの懸念材料がある。1つ目は、立地。建設地が茨城県つくば市であり、そんな遠隔地に住んでよいのか、という懸念を抱く人もいるはず。「茨城県はムリ」という人は、ハナから対象外とするだろう。

 2つ目はつくば駅周辺の生活利便性だ。つくば駅周辺のことを知っている人ならば、数年前に駅近くのイオンが閉店したことを気にするかもしれない。2010年に、つくば市役所がつくば駅近くから隣駅の研究学園駅の近くに移転したこともあり、「つくば駅周辺は、寂れてゆく場所」ではないか、という懸念があるわけだ。

 3つ目は売り主。同マンションの事業主の「日本エスコン」に対し、聞いたことがない社名だと不安を抱く人がいるはずだ。これら3つの懸念要素を検証しながら、物件を検証していきたいと思う。

【完売】レ・ジェイドつくば Station Front(※新築時のデータです)

価格
4600万円台(約74㎡)、9500万円台(約120㎡)ほか(第3期)
完成時期
2022年10月(予定)
  • 茨城県つくば市吾妻1丁目7-5(地番)
  • つくばエクスプレス「つくば」駅徒歩3分
間取り
2LDK~4LDK
専有面積
67.01㎡~142.41㎡(トランクルーム面積含む)
総戸数
218戸(他に店舗1区画)
売主
株式会社日本エスコン
施工会社
多田建設株式会社

※データは2021年4月18日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。

茨城県つくば市という「レ・ジェイドつくばStation Front」の立地はアリか?

 コロナ禍で、自然が身近な郊外部に注目する人が増えている。しかし、都心から離れた郊外で、通勤不便な場所は敬遠される。マンションを買うとなると、都心へのアクセスに加え、買い物の便利さや医療機関の利用のしやすさ、教育環境の良さも必要だ。

 ではまず、「レ・ジェイドつくば Station Front」の立地について見てみよう。最寄りであるつくばエクスプレスのつくば駅は都心から遠く離れている印象がある。が、電車の所要時間はそんなにかからない。快速電車で秋葉原駅まで45分である。加えて、つくば駅は上りの始発駅なので、朝は座って通勤も可能になる。座って45分ならば、それほど負担ではないだろう。

 「レ・ジェイドつくばStation Front」は、その「つくば」駅から歩いて3分となるマンションだ。想像とは逆の、この通勤利便性の良さが「レ・ジェイドつくば Station Front」の人気を支える1つ目の要因となる。
【関連記事はこちら】>>茨城県の「新築マンション人気ランキング」つくば、水戸、土浦、守谷など注目エリアのおすすめ物件は?

「街が寂れるかもしれない」「無名の売主」という不安は? 

 次に、つくば駅の活気について。イオンがなくなり、市役所が移転して、寂れる街ではないか、という点だが、その懸念も払拭は可能だ。

 実は、「レ・ジェイドつくば Station Front」は、住宅と商業施設、オフィスとの一体開発「エスコンシティつくば」の一画に建設される、いわゆる再開発マンションである。再開発される場所に以前存在していたのが、「イオンつくば駅前店」。2018年2月に閉店したイオンの跡地が今回、再開発されて「エスコンシティつくば」として生まれ変わる。つまり、「レ・ジェイドつくば Station Front」は再開発で新しいスーパーマーケットと隣接して誕生するわけで、非常に活気ある場所のマンションということになる。

 3つ目の懸念点、売主の日本エスコンについてだが、日本エスコンは中部電力グループの不動産会社で、後ろ盾がしっかりしている。加えて、北海道日本ハムファイターズの本拠地・エスコン・フィールド北海道や、2019年度のグッドデザイン賞を受賞した商業施設「トナリエ大和高田」などの開発実績もある。まだ知名度は低いが、信頼度は高いと言える。

再開発だからこそ実現した、板状の大規模マンション

 「レ・ジェイドつくば Station Front」には、再開発マンションだからこそ実現できた特徴もある。たとえば、駅近の場所でありながら18階建て、全218戸の大規模になっていることだ。一般的な駅周辺エリアはビルが立て込み、大規模マンションを建設できる余地がない。タワー形状の超高層マンションならば可能だが、横に広い形状の18階建ては難しい。それが実現しているのも、再開発だからこそ、なのである。

 また、「レ・ジェイドつくばStation Front」の建設地は、駅からペディストリアンデッキ(高架で設置された歩行者専用通路)で結ばれており、車道に下りる必要がない。安全であり、信号待ちをしないのでストレスもない。ちなみに、つくばエクスプレスの「つくば」駅改札口とホームは地下にある。そのため、地上では、電車の音は聞こえない。これは、駅が近くても、騒音が少なく、静かに暮らせることを意味する。「レ・ジェイつくば Station Front」の建設地には、駅から徒歩3分なのに住環境が良い、という立地特性もあるわけだ。

レ・ジェイドつくば Station Front
つくば駅から徒歩3分という近さが魅力

「レ・ジェイドつくばStation Front」は、地震の揺れを最大限抑える免震構造を採用

 「レ・ジェイドつくば Station Front」は、建物の魅力も多い。まず、建物には、免震構造が採用される。日本のマンションは大地震が起きても倒壊したり、大きな損傷が生じないようにつくられている。これが「耐震構造」と呼ばれるものだ。そのなかに、地震の揺れを軽減させる装置を組み込んだ建物があり、それが「制震構造」である。制震構造のなかでも、大がかりな装置を組み込み、揺れを軽減させる効果が大きいのが「免震構造」と考えてよい。その数は少なく、つくば駅周辺のマンションとしては2棟目の採用となる。
【関連記事はこちら】>>マンションの最新地震対策を知っておこう

 免震構造の効果は、東日本大震災のとき、首都圏のマンションでも実証された。たとえば、揺れの影響を受けやすい超高層マンションの場合、一般的な耐震構造では、風呂場に溜めておいた水がすべてこぼれてしまうほど揺れ、家具の倒壊も生じた。しかし、免震構造の超高層マンションではゆったりと揺れるだけ。私は、地震直後の取材で、食卓においたグラスが倒れず、寝ていた赤ちゃんが起きなかった、というような事象をいくつも取材した。

 一方、住戸設計の特徴としては、全218戸のうち58戸が専有面積100㎡以上の大型住戸になっていること、間口7m以上のワイドスパン設計となり、間取りは四隅の柱をすべて住戸外に出して室内の有効面積を拡大していること、バルコニーの奥行きが2mあることなどがある。

 また、二重床・二重天井の設計で、建物外壁にはタイル張り部分が多く、バルコニーの手すりにはガラス面を多用。建物の質の高さを感じさせる部分も多い。いずれも、暮らしにゆとりをもたらす工夫である。しかしながら、駅に近い場所のマンションではなかなか採用されない工夫でもある。ウィズコロナで住まいのゆとりを求める人が増えた現在、このゆとりに憧れる人は多いはずだ。

「レ・ジェイドつくば Station Front」の価格は、3LDKが4600万円台~

 以上のように多くの特徴を備えながら、「レ・ジェイドつくば Station Front」の価格は抑えられている。第3期として販売される住戸の予定価格は、約74㎡の3LDKが4600万円台から、約96㎡の4LDKで6100万円台からの設定である。

 駅から徒歩3分のマンションなのに、この価格設定にできるのは、茨城県つくば市であるからだ。そう考えると、「茨城県つくば市」というのも、悪くないと思えてくる。同様に考える人が多いため、「レ・ジェイドつくば Station Front」は、第1期128戸が勢いよく売れたのだろう。

 生活は便利だし、もともとつくば市は研究学園都市であり、教育環境の評価が高い。子育て環境も良好というわけだ。あえてデメリットを挙げれば、「茨城県アドレス」になるということくらいだろう。それを気にしなければ、好条件がそろった立地ということになる。郊外の注目マンションであることは間違いない。

 

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