【マンション購入体験談】中古にはない新築マンションの魅力<町屋駅 3LDK 5,680万円>

2023年6月26日公開(2024年4月25日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

人生最大の買い物といわれる「住宅購入」。その大きな決断を、人々はどうやって行っているのか興味が湧くところです。今回は、最初は中古物件を探していたものの、決め手にかけていたところで、最終的に駅チカの新築マンションという選択に至ったKさんが登場。そのマンション購入までの苦労やエピソードを聞きました。

購入者プロフィールと購入物件について

会社経営Kさん(東京都/42歳)

オンラインでインタビューの様子
当日はオンラインでインタビューを行いました。


妻と子どもの4人家族。夫婦の世帯年収1,500万円以上。家族とリビングで過ごすのが好きなため、リビングにつながる部屋の壁を1つ取り除き3LDKを2LDKとして使用している。


 

購入物件DATA

購入エリア:東京都/荒川区町屋
間取り:3LDK(65平米)
購入時期:2019年
購入額:5,680万円
ローン返済額:月171,358円
(管理費16,850円+修繕費7,240円込み

ローン年数:35年

新築マンション購入のきっかけと選び方

最初は中古物件を探し、最終的に新築マンションを購入

ダイヤモンド不動産研究所編集部(以下、編集部)​――マンションを購入しようと思ったきっかけを教えてください。

K:元々は荒川区町屋の賃貸マンションに夫婦で住んでいましたが、子どもが生まれて1歳になる頃にマンション購入を意識しました。

単純にもっと部屋が広いほうがいいなと思ったのと、古いマンションでバルコニーの手すりの隙間が広く危なかったんです。やはり僕の周りの知人もそうですが、子供がきっかけでマンションを購入する人は多いです。

編集部​―​―夫婦で暮らしていたときは、購入する気はなかった?

K:ないですね。妻がよく悩むタイプなんです。今の街に住むことになったときも、エリアや引っ越しの日も僕が強引に決めたくらいですから。

町家駅の様子
町屋駅の様子(出典:PIXTA)

編集部​―​―そもそもエリアはどうやって決めたのですか?

K:妻の職場がある大手町へ10分ほどで行けるアクセスの良さが一つ。それから、子育て環境の良さもありました。子供が保育園に通っていたので、町屋からの移動は考えていなかったですね。

編集部ーー中古ではなく新築マンションを選んだ理由も教えてください。

K:当初は町屋で中古マンションを探していました。ただ、なかなか良い物件がない。全部駅から遠かったり、ハザードマップが赤くなっていたり、将来的に売ることを考えると不安でした。
 
そんなとき“マンションが1年後に建ちます”という広告をたまたま見て、話を聞きに行くことにしたんです。
 
町屋駅から徒歩3分以内にマンションができるのは、実に10年振ぶり。同じグレードで駅直結のタワマンがあり、そこもスペックがかなり良かったんですが、そこは中古で同じくらいの値段だったんです。
 
すでに町屋には戸建てが狭いところにいっぱい建っている。そう考えたら、今後も駅徒歩3分以内に新しい物件ができるのは、ハードルが高く少ないだろうなと見込みました。
 
それに都の情報によると、荒川区の人口は2030年くらいまでずっと伸びると言われています。この利便性と金額で買える物件は、他にはなさそうですし、新築で買っても売り抜けられるんじゃないかなと思い、購入しました。

マンションの情報収集の方法は?

徒歩10分以内の物件スペックのチェックと街歩き

編集部――そもそも、マンション購入の情報収集はどうやってされていたんですか?

Kエリアは決まっていたので、駅から徒歩10分以内の物件のスペックは、かなり見ました。物件情報サイトはどこを見ても同じ物件が掲載されていますが、それでも一通り見ましたね。
 
不動産業者だけの情報では、わからないことが多いので、エリアを決めたあとは、街へ何回も足を運びました。
 
もともと街を見るのが好きなんですが、「駅からこんな動線なんだ」「こんな飲食店があるんだ」といろいろ見て回りました。子供がいるので、道路の幅や交通量、公園との距離なども確認しています。
 
例えば、私が住んでいるエリアには公園がいくつかありますが、昼間からおじさんがお酒を飲んでいる公園もあれば、家族しかいない公園もある。その辺はちゃんと見たほうがいいなと思いました。
 
それと、平日と週末で電車はどの時間帯に混むのかも、実際に足を運んでリサーチしました。

都電荒川線町屋駅の様子
都電荒川線町屋駅の様子(出典:PIXTA)


編集部――内見は、どれくらいの数を回られましたか?

K最初、中古で探していたときに20件くらいは見ましたね。
 
その後、お話しした通り決め手にかけると思っていたところに、今のマンションの案内を見つけて、モデルルームに夫婦で行った後すぐに購入を決めました。ですから新築のモデルルームは1件しか見ていないです。

“資産価値がキープされるか”をどう見極めたか

編集部――ちなみに購入の際、予算設定はどれくらいでしたか?

K8,000万円くらいでしたね。だから結果的に予算よりかなり低く購入できたのは良かったです。

編集部――売ることも視野に入れての購入ということですよね。

Kそうですね。“資産価値がキープされるか”も、かなり気にしました。

そもそもずっと町屋に住むつもりはなくて、まだ自分たちの理想の街を探している途中です。見つかったら、その土地に注文住宅を建てたいと考えています。
 
実際、今住んでいるマンションを購入したのが2019年ですが、子どもの受験を控えていることもあり、2024年の春には売りに出し、次の場所に住むつもりです。

編集部――“資産価値がキープされるか”はどのようにリサーチしたのでしょうか?

K周りの物件の金額と照らし合わせました。例えば、僕が購入した物件と全く同じ立地の物件が20年たったとき、いくらで売りに出ているんだろう?と調べて、ある程度の予測を立てました。
 
今後、全国的に人口が減っていきますが、都市部はどこまで減るのか。リモートワークや車の自動運転が進んだとき、家に求められるものがどう変わってくるのか、など資産価値について綿密に分析するならば、いろいろと考慮するべき点はあります。

でも、これらのことが実際に起こったときに、どうなるかは予測が難しいですよね。だから近場のマンションと比較するのが、ベターなのかなと思います。
 
あとは、近くの西日暮里周辺は、当時から地価が上がり始めていたので、その波はくるだろうなと。JRが通っているという違いはあると思いますが、住みやすさや店の数が、西日暮里と比較しても遜色がないエリアだったので。条件が似てるエリアとの比較も参考になるのではないでしょうか。

編集部――値下がりのリスクを考えることはなかった?

K考えました。新築だったので、売り抜けるときに大体20%は下がるかなと。それでも5,680万円の20%なら1,200万円くらいです。
 
そこに10年住んだら月々10万円くらいで住むことになる。購入マンションのスペックを考えると賃貸なら17万〜18万円はするところなので、7〜8万円くらい安く住めたと考えれば、それはそれでいいかなと思いました。

編集部――その他、値下がりのリスクについてKさんが考えたことはありますか?

K交通や生活のインフラがなくならないかどうか、ですね。個人的に駅から徒歩何分もかかって、バスを使わなければいけないマンションはリスクがあると考えていました。
 
駅からは遠いけれど、バスの交通手段があって、さらに商業施設なども整備されていることをウリにしている大規模マンションも多いですが、そこに住む人が一定数いることが担保できなければ撤退せざるを得ない。そして、もしそれが起これば陸の孤島になってしまう。
 
片や都内で鉄道路線がなくなるのは、あまり考えられません。なので、僕は駅近で、昔から商店があるエリアのほうが安心だなとも考えました。

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ペアローンで住宅ローン減税を賢く活用

編集部――Kさん自身はマンション購入には迷いはなかった?

K迷いはないけれど、かなり考えましたね。やっぱり高い買い物だったので。ただこのマンションを購入したときは、会社勤めだったんです。

そうすると、ローンの審査が通りやすいじゃないですか。そのメリットを使いたいという気持ちはありましたね(笑)。ですから、頭金は全然入れていないです。当時は住宅ローン減税が1%だったので、フルでお金を借りてローンを組んだほうが得だったんですよ。

編集部――奥さんとペアローンで購入されているんですね。

K当時は住宅ローン減税が1人当たり4,000万円でした。マンションの価格は5,680万円で差額が生じてしまうので、2人で半分ずつ、2人ともローン減税をもらう形にしました。
 
手続きの書類に数万円は掛かりますが、それでも減税でもらったほうが得だなと考えました。

編集部――ここまでお話を聞いていても、かなりの下調べをされてますよね。

K僕はもともと建築家になりたかったこともあり、不動産に興味があったことも大きいと思いますね。
 
僕の友人で買う気がなかったのに「マンション販売の相談カウンターに行って、すすめられるがままに買った」という人もいますし(笑)。
 
今はマンションが値上がりしてるので、ノリで買った人たちも時流がハマってかなり得してますけどね。「もっと予算をフルに使い購入しておけばよかった」と言っているくらいです。
 
それでも、情報を知らないで損することも多いので、自主的にいろいろ調べることは大事だと思います。

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購入後にわかった新築マンションの魅力

新築マンションのキッチンとリビングのイメージ
※写真はイメージです(出典:PIXTA)

編集部ーー改めて、マンションを購入すべきか、すべきではないか。どちらのご意見ですか?

K購入すべきだと思います。賃貸派と分譲派がいると思いますが、まず分譲マンションは賃貸よりスペックがいいんです。
 
キッチンひとつとっても、良い素材が使われています。そこに長く住むことを考えれば、相当な間違いがない限り、0円で手放すことにはならない。賃貸で家賃を払い続けるよりいいと思います。
 
それと今後、高齢化が進み、その分お年寄りの死亡率が増えていくと思います。そうなると賃貸物件を貸す側が、年齢制限を厳しくしてくると思うんですよ。
 
独り身の老人に貸して死なれたら、そのあとが大変…とよく言われている件ですね。僕らが老人になったとき、家を借りる選択肢がなくなってしまうんじゃないか?とも思います。それなら、ローンを組めるうちに組んで、マンションを購入しておいたほうがいいのかなというのが、僕の意見です。

中古にはない新築マンションの魅力はスペックの高さ

編集部ーー新築マンションを購入してみて感じたメリット・デメリットを教えてください。

K新築マンションのデメリットは、値下がりくらいだと思います。あとはメリットのほうが、僕にとっては大きいと感じました。
 
機能が最新でスペックが高いところはまずメリットですね。オートロックは、認証機能で鍵を触れずに通るだけで開きます。あと浴室には浴室乾燥やミストサウナなど、いろんな機能が搭載されています。コンセントの場所も多いですし、食洗機も付いています。それと、床暖房もかなり使いますね。
 
エアコンの暖房だと風が強すぎて暑いこともありますが、じんわりと暖まるのが快適です。

編集部ーー最新スペックを使い倒してますね。

Kメリットを最大限に活かしています。あとは内廊下であることも重要です。外廊下だと風などで建物が劣化しやすいのに対し、内廊下であれば劣化しにくく、修繕費があまり上がらない可能性が高いのと、建物の中が暖かいです。
 
このあたりは、僕が中古マンションで探した中で、あまりなかった部分です。周りの友人は中古で買っている人のほうが多いですが、僕は結果的に新築を購入して良かったです。
 
あとは、マンション管理の部分ですね。ゴミ置き場の清潔度合いも、古い中古マンションとは大きく違いがありました。もちろん、これは続くかどうかの問題もありますが…。その上で、新築マンションの方が住民マナーが良いというのはある気がします。ゴミのポイ捨てや騒音などは、少ない方だと感じています。

マンション購入で失敗しなかった秘訣は?購入時の心構え

“なぜ家が欲しいのか”突き詰めて考えることが大切

編集部ーー最後にマンション購入の際に備えておきたい心構えをお聞かせください。

Kまず自分が“なぜ家が欲しいのか”を突き詰めて、そこで賃貸か購入かを決めることですね。あとはエリアを決める。マンションと戸建てどちらがいいかも、夫婦ならしっかり話し合ったほうがいいですね。

編集部ーー夫婦での話し合いが重要とのことですが、マンション購入を巡り、もめたことは?

Kありましたね。ペアローンとなると、妻も自分でローンを組むことになるので、本当に返せるのかどうか、また僕が当時からいずれは起業することを伝えていたので、収入がなくなったときはどうするのか、とかなり不安が大きかったのだと思います。
 
そういった妻の不安を一つひとつつぶし、最終的には「信じてくれ」と説得しました。
 
妻が言う不安に対して反論できなかったら、そこに対する理屈が弱いというか、今一度自分でも考えたほうがいいと捉えたんです。
 
マンション購入を巡って衝突もありましたが、逆に「購入の動機」を自分自身で突き詰めて考えられたので、良かったです。結果的に、妻も今の家を気に入ってます。

逆に夫婦で盛り上がって、そのノリだけでマンションを購入することの方が、危険かなと思います。

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