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新築マンションランキング[2020年]
2020年3月26日公開(2020年4月2日更新)
櫻井幸雄
櫻井幸雄

櫻井幸雄(さくらい・ゆきお)氏:新築マンションに詳しい住宅ジャーナリスト。櫻井幸雄氏が新築マンションの最新の価格動向、人気物件について解説します。

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五輪延期で台頭するマンション暴落論に、私が「ノー」という2つの理由は?
2020年3月マンション市況、売れ行き

2020年3月の新築マンション最新市況はどうなっているのか? 新築マンションに詳しい住宅ジャーナリスト・櫻井幸雄氏が最新の価格動向、人気物件について解説する。櫻井氏は「新型コロナウイルス感染拡大の影響によるマンション暴落の可能性は低い」と分析する。

オリンピック延期でHARUMI FLAGはどうなる?

(出所:PIXTA)
「HARUMI FLAG」の販売済み住居の引き渡しはいつになるのか注目が集まる。(出所:PIXTA)

 東京五輪を1年程度延期することが決まった。となると、選手村マンションとして分譲が進んでいる「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の今後が気になる。事業主側からの正式発表がないため、現時点では推測するしかないのだが、1年程度の延期であれば、引き渡し時期を延ばさなくても対応は可能と考えられる。

 まず、これから始まることになっている新規の販売は、五輪開催時期に合わせて延期されるだろう。もともと、新規販売は、今年3月下旬に行われる予定だった。それが、新型コロナウイルスの影響で、6月に延期。その6月からさらに先延ばしされる可能性があるわけだ。今後の販売は、延期して「入居予定時期は変更になった」ことを前提に行われる。購入検討者は、それを納得して契約するかどうかを決めればよいだろう。

 問題は、すでに契約済みとなっている住戸約900戸の対応だ。

 当初の予定では、2020年五輪開催で「HARUMI FLAG」への入居は2023年3月の予定。五輪終了後、約2年半かけて内部のリノベーションを行ってから、引き渡しとなる計画だった。

 選手村としての建物は、1人部屋として細かく分けられている。それを、2LDK以上のゆったりした住戸に作り替え、浴室やトイレ、洗面所、システムキッチンの設備機器もまったく新しいものを設置。内装もピカピカの新品にする。この作業を4000戸以上の分譲住戸すべてに行うので、それくらいの期間が必要だと計算されたからだ。

 今回、五輪開催が約1年延期されそうなので、「HARUMI FLAG」の入居も2023年3月から2024年3月に延期となるのだろうか? ここで考えられるのは、すでに契約を終えている第1期の購入者用の住戸はリノベーション工事を先行させ、当初の予定通り2023年3月に引き渡すこと。それ以外の住戸は、順次リノベーション工事が完了した棟ごとに引き渡しを行う。この方法をとれば、すでに契約した人たちは約束通りの時期に入居できることになる。

 工事を急ぐと、建物の質が低下するのではないかという不安を抱く人も出てきそうだが、「HARUMI FLAG」は、すでに基本構造ができあがっている。東京五輪後に行うのは、間取りの変更や内装、設備の設置など内部の造作工事だけ。そのため、工事を急いだからといって、それで建物が傾いたり、雨漏りがするような心配はない

 今回、東京五輪の延期は1年程度となる見通し。1年であれば、上記のようなやりくりが可能だ。これが、もし2年の延期だったら、さらに多くの問題が生じることになったはずである。

コロナの影響によるマンション暴落は起きるか?

 では、これからのマンション市況はどうなるのか。この記事を書いている3月末の時点では新型コロナウイルスによる経済への影響がどうなるか分からない状況なのだが、できる限りの予測を行って、今年初めからの不動産市況とこれらの動きについてまとめたい。

 日本中が新型コロナウイルスの脅威におびえた2020年3月、新築マンションの販売センターでは来場者が思ったほど減らなかった。

 首都圏の新築マンション販売センター209か所の来場状況を調べたところ、「来場者が減った」と感じているところは87。「変化なし」は84で、「むしろ増えた」が38現場あった。

 その理由は、臨時休業などで自宅に籠もる人たちのなかに、じっとしているのに飽きて、マンションの販売センターに行ってみようかという人が増えたからだ。

 マンションでも相当数の予約キャンセルが出たのだが、それを補う数の新規来場者が生じたので、「来場者が減った」と感じる販売センターが少なかったのである。

 では、この先は、どうなるのだろうか。

 いま、心配されているのは、新型コロナウイルスが及ぼす経済への影響。景気が悪くなり、売り上げが減った、収入が減りそうだという声が多くなっている。この先、新型肺炎の終息宣言が出るまで、景気の後退が進むと考えれば、あらゆる商売に影響が出てくるだろう。

 マンションにも影響が生じ、「売れ残りが膨大に増え、いよいよ暴落」という予測も出てきそうだ。

 2015年から昨年2019年まで、繰り返し「マンション暴落説」が出続けていたのだから、今回も出てこないほうが不思議。といっても、原因が新型コロナウイルスであれば、「これまで予測していたとおりに……」とはいえないだろうが。
そして、実際に暴落は起きるのだろうか。

 残念ながら、新型コロナウイルスによるマンション価格の暴落は起きそうもない。その理由は、2つある。

マンション価格が下がらない理由は
「ゆっくり販売の常態化」と大手不動産会社の資金的体力

 新築マンションの発売戸数は、ここ数年、大きく減少し、首都圏で年間約3万戸の水準。最盛期である2005年頃、年間8万戸を販売していたことと比べると、半減以下の水準になっている。数が減ったマンションは、販売が長期化し、建物が完成しても販売を続ける竣工売りが珍しくなくなった。それでも、新築マンションは慌てずに、じっくりと販売が続けられている。

 つまり、ゆっくりした販売が常態化しているため、新型コロナウイルスの影響で購入者の買い意欲が落ち、販売のスピードが落ちても、慌てることがない。それが、マンション価格の暴落が起きにくい1つ目の理由だ。

 竣工売りが増えた結果、建物が完成してなお販売を続けていても、「売れ残り」と言われることがなくなった。これは、賞味期限のある商品と大きく異なる点だ。

 新築マンションは、建物が完成して1年後でも2年後でも「新築」と認められる。「期限までに売らなければ」という焦りがなく、2年、3年の間に売り切ればよい、と考えられている。2年、3年の猶予期間があれば、その間に新型コロナウイルスが終息し、経済は元に戻るだろう、と考えることができる。

 また、現在、新築マンションを分譲する不動産会社は大手が中心となっており、短期間に資金繰りで苦労するようなことがない。だから、お金に困って、安く売る動きが生じない。

 それが、マンション暴落が起きない2つめの理由だ。

マンション発売件数は減っても、価格の暴落は起きない

 ただし、これから先、マンションの売り出し件数が減る可能性はある。今、準備しているマンションは、景気が回復するまで売り出すのを待とうという動きが出るわけだ。

 この先、マンションの買い控えが進むと、賃貸暮らしを続ける人が増える。現在、東京23区の人口は増加に転じているので、買い控えが進むと、賃貸住宅が不足するだろう。そう考えて、分譲マンションをつくる代わりに23区内の賃貸マンション開発に力を入れる不動産会社も出てきそうだ。

 その賃貸住宅家賃は、安定的に上がり続けてきた。あのバブル期も賃貸家賃相場は大きく上がることがなかった半面、バブル崩壊後も下がることがなかった。そして、この5年間は建設費の上昇などもあり、家賃相場の上昇が著しいとされる。

 新しくできる賃貸マンションの家賃も安くなることはなく、高くなるのは間違いない。特に、新築賃貸マンションの家賃は高くなる。

 家賃相場が上がり続ければ、賃貸暮らしをしている人たちのうち、一定数はマイホーム購入を決断するはず。それも、マンション価格暴落が起きない理由となる。たとえ一時的に客足が落ちても、不動産会社は慌てないわけだ。

 ただ、新型コロナウイルスの影響が深刻になっていけば、一定の変化は出てくるはずだ。新築マンションの販売が一休みするのは仕方ないだろう。不動産業界にとっては、我慢のときが始まろうとしている。

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