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住宅ローンのフラット35は過去最低水準に! 
金利推移17年分と、お得な金利割引制度を紹介 

2020年6月23日公開(2020年9月25日更新)
福崎剛

福崎剛(ふくさき・ごう)氏:東京大学大学院卒、都市工学専攻。日本ペンクラブ会員。マンション管理問題から、景観保全のまちづくり、資産価値の高い住宅選びなど、都市計画的な視点でわかりやすく解説。『マンションは偏差値で選べ!』(河出書房新社)、『本当にいいマンションの選び方』(住宅新報社)など、著書多数。

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住宅ローンの代表的な商品である「フラット35」の金利が、過去最低水準となった今、フラット35を利用して住宅購入を考えている人も少なくないだろう。実は、フラット35は金融機関によって金利や手数料が異なるため、よく比較検討しなければ、本当にお得な金融機関から借り入れることができない。そこで今回は、フラット35のさまざまなプランや銀行・金融機関の選び方を紹介しよう。(フリージャーナリスト:福崎剛)

住宅ローン「フラット35」の金利推移

 フラット35は、独立行政法人の「住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)」が、民間の銀行・金融機関と提携して提供する住宅ローンである。金利タイプは「全期間固定金利型」で、最長35年の借り入れができるのが特徴だ。

 借り入れ時に返済終了までの金利が確定(固定)されるため、市場金利の上昇などで毎月返済額が変わることはなく、安定した返済計画が立てられるのが最大の魅力だろう。低金利時代が続いている今、フラット35の金利も過去最低の金利水準を推移している。

 では、現在どのくらい金利が下がっているのだろうか。図表1は、フラット35の直近17年間の金利推移を示したものだ(2017年9月までは団体信用生命保険料を含まない金利表示だったので、今回はすべて団信保険料を含む金利に修正している)。

 【図表1】フラット35の金利推移グラフ(過去17年間)

フラット35の金利推移グラフ(過去17年間)
データ出典:住宅金融支援機構「フラット35借入金利の推移」。2017年10月以降、借入期間による金利設定を導入しているため、2017年9月までの金利には+0.358%して、団信料込みの金利に換算。

 グラフを見ると、2004年8月の金利が3.528%(団信なし:3.17%)で最も高いが、2004年12月には2.588%(団信なし:2.23%)にまで下がっている。

 その後、3%前半をキープしながら次第に下がり続け、2019年9月には1.05%まで下がった。2020年6月現在は、最も高い時と比べて3分の1以下になったというわけだ。

 しかも、2017年10月以降は、団信が見直され、手厚い内容になっている。

 過去17年間の金利の推移を見ていると、1%台にまで下がったことは驚きだろう。現在フラット35は、史上最低の金利水準になっているのは間違いない

【関連記事はこちら】>>住宅ローン金利(85銀行・800商品)を比較して、お得なローンを探そう!
 

フラット35は、返済期間や頭金の割合によって金利が優遇される

 全期間固定金利のフラット35は、かつて3%を超えていた。しかも、借り入れ期間が20年以下などの短い場合でも金利が変わらず、きめ細やかな対応がなかったが、現在は「フラット20」というプランが用意されており、返済期間が15〜20年までの場合には、低い金利で借り入れができるようになっている。

 2020年6月現在のフラット20、フラット35の金利は以下のとおりだ。

・フラット20(返済期間15〜20年)⋯1.22%
・フラット35(返済期間21〜35年)⋯
1.29%

 また、頭金(自己資金)の割合によっても金利が異なる。フラット20、フラット35の頭金の割合による金利は以下のとおりだ。

【フラット20】
・頭金10%以上⋯1.22%
・頭金10%未満⋯1.48%

【フラット35】
・頭金10%以上⋯1.29%
・頭金10%未満⋯1.55%

 つまり、頭金が借り入れ額の10%未満の場合は、金利が0.26%も高くなる。0.26%の差は大きい。少しでも金利を抑えたいのであれば、頭金を10%以上用意するのが賢明だろう。

 なお、団信に加入しない場合は、提示されている金利から0.2%差し引いた金利となる。

中古住宅やリノベーションも! フラット35のお得な金利割引制度

 フラット35は、新築住宅はもちろんのこと、中古住宅やリノベーションの場合など、多彩な融資メニューで住まいづくりをサポートしている。

 たとえば、耐震性や省エネルギー、バリアフリーなどの技術水準の高い住宅の取得を支援するため、当初10年間の金利を引き下げる「フラット35S」を用意している。このフラット35Sは、当初10年間の金利を0.25%引き下げる「金利Aプラン」と当初5年間の金利を0.25%引き下げる「金利Bプラン」に分かれる(図表2)。

 【図表2】フラット35Sの「金利Aプラン」と「金利Bプラン」

フラット35金利引き下げプラン

出典:【フラット35】から抜粋

「フラット35S金利Aプラン」とは

 「フラット35S金利Aプラン」の対象となる住宅の技術基準は、省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性の4つのうち、1つの基準を満たす場合が対象となる。 

【新築住宅・中古住宅共通の基準】
以下の(1)から(4)までのうち、いずれか1つ以上の基準を満たす住宅であること。

省エネルギー性
(1)一次エネルギー消費量等級5の住宅(認定低炭素住宅および性能向上計画認定住宅を含む)

耐震性
(2)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅

バリアフリー性
(3)高齢者等配慮対策等級4以上の住宅(共同建て住宅の専用部分は等級3でも可)

耐久性・可変性
(4)長期優良住宅

 なお、(1)から(3)までの等級表示は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)に基づく住宅性能表示制度の性能等級と同じものだ。新築の物件であれば、大半がこのAプランをクリアしていると考えてよい。

「フラット35S金利Bプラン」とは

 一方、「フラット35S金利Bプラン」の対象となる住宅の技術基準は、新築と中古住宅に共通の基準と中古タイプ基準になる。金利Bプランは、当初5年間の金利を0.25%引き下げる。

 借入金額や期間にもよるが、当初の金利引き下げは、返済の上でも負担が軽減されるため、住宅選びの際、フラット35Sを利用できる物件に絞って探すのも一案だろう。

【新築住宅・中古住宅共通の基準】
以下の(1)から(6)までのうち、いずれか1つ以上の基準を満たす住宅であること。

省エネルギー性
(1)断熱等性能等級4の住宅
(2)一次エネルギー消費量等級4以上の住宅

耐震性
(3)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅
(4)免震建築物

バリアフリー性
(5)高齢者等配慮対策等級3以上の住宅

耐久性・可変性
(6)劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅(共同建て住宅などについては、一定の更新対策が必要)
【中古タイプ基準】
以下の(1)から(4)までのうち、いずれか1つ以上の基準を満たす住宅であること。

省エネルギー性(開口部断熱)
(1)二重サッシまたは複層ガラスを使用した住宅

省エネルギー性(外壁等断熱)
(2)建設住宅性能評価書の交付を受けた住宅(省エネルギー対策等級2以上または断熱等性能等級2以上)または中古マンションらくらくフラット35のうち、【フラット35】Sとして登録した住宅

バリアフリー性(手すり設置)
(3)浴室および階段に手すりを設置した住宅

バリアフリー性(段差解消)
(4)屋内の段差を解消した住宅

「フラット35Sリノベ」はリフォーム専用のローン

 また、中古住宅を購入して性能向上リフォームをする場合には、「フラット35 リノベ」という商品も用意されている。これは、フラット35の金利から0.5%も差し引くプランで、当初10年間の金利を引き下げる「金利Aプラン」と、当初5年間の金利を引き下げる「金利Bプラン」がある(図表3)。

 なお、中古住宅購入とリフォームを一体で行う場合には、「フラット35 (リフォーム一体型)」という似た商品もあるが、こちらは2020年12月末をもって借り入れ申込み受付を終了する。

 【図表3】フラット35リノベの「金利Aプラン」と「金利Bプラン」

フラット35リノベ金利引き下げプラン
出典:【フラット35】から抜粋

 このほか、住宅金融支援機構は、地方公共団体と連携した「フラット35子育て支援型・地域活性化型」などを用意しており、さまざまな優遇プランがある。さらに新築だけでなく、借り換えにも対応している。その詳細については、フラット35の金利を最大「16年間、0.5%引き下げる」おいしい制度を見逃すな! で解説している。

 ところで、銀行・金融機関によって、同じ「フラット35」でも、融資手数料の支払い方法が異なる商品がある。

 たとえば、「みずほ銀行」では、「手数料定額型」(手数料は一律3.3万円だが、金利は高め)と、「手数料定率型」(手数料は借入額×1.045%〜1.430%と高いが、金利は低め)がある。初期費用を抑えたい場合は「手数料定額型」を選ぶことになるが、借入期間が長期になると総支払額が増えてしまうので注意しよう。

 【図表4】みずほ銀行フラット35の融資手数料支払い方法

みずほ銀行フラット35割引プラン
出典:みずほ銀行 長期固定金利住宅ローン「フラット35」から一部抜粋

フラット35の金融機関の選び方

 フラット35は全期間固定金利型で、安定した返済計画が立てやすいという特徴があるが、どの銀行・金融機関で借りても同じかといえば、そうではない。

 多くの銀行・金融機関は「フラット35買取型」という、ほぼ横並びの商品を販売している。一方で、住信SBIネット銀行やアルヒは、「フラット35保証型」という、低い金利を売りにした商品を開発している。図表5は、各銀行・金融機関が提供するフラット35の商品と金利割引幅をまとめた表だ。

 【図表5】フラット35(保証型)の主な商品・金利割引幅

フラット35(保障型)の主な商品 金利割引幅

 住信SBIネット銀行やアルヒが提供する住宅ローン、「フラット35保証型」が面白いのは、頭金の比率が多いほど金利が低くなるという商品性だ。住信SBIネット銀行の保証型(頭金20%以上)なら、通常のフラット35比で0.16%低く、アルヒのスーパーフラット6(頭金40%以上)なら、0.2%も低くなる。借入額と借入期間によっては、数百万円も総支払額が少なくなるケースもある。

 そのため、頭金を20%以上用意できるなら、住信SBIネット銀行かアルヒどちらかの金融機関を利用するのがお得といえる。

 ただし、用意できる頭金の額によって有利な銀行・金融機関が変わるので、お得な商品を見つけるためには、住宅ローン返済額シミュレーションなどを活用して、じっくりと比較することが重要だ。

 また、用意できる頭金が20%未満の人の場合でも、お得な商品を見つけるのは難しい。なぜなら、銀行や金融機関によって、金利も手数料もバラバラだからである。手数料は、「借入額×定率」で計算する銀行が多いものの、定率は0.8%〜2.2%まで幅がある(図表6)。

 【図表6】フラット35の金利、手数料一覧(新規借り入れ)

フラット35の金利、手数料一覧(新規借り入れ)
各金融機関のフラット35金利、手数料一覧【新規借入】(2020年6月、頭金10%以上、20年超)

 やはり、頭金20%未満の場合も、住宅ローン返済額シミュレーションによって比較する必要がある。

フラット35は過去の金利推移から見て最低水準のため、住宅ローンの借り入れがお得!

 以上のように、フラット35の住宅ローンは、過去17年間の金利推移を見ても、今が最も低い1%台前半という、過去最低水準の金利だ。さらに、変動金利との金利差は、かつてないほど小さくなっており、その面でもフラット35はお得と言えるだろう。

【関連記事はこちら】>>今や、変動金利と全期間固定の金利差は1%以下! 
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 なお、フラット35といっても、銀行・金融機関によって、金利、手数料が違うので、よく比較して選ぶことをおすすめする。

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