2025年1月の住宅ローン金利動向を予想しよう。フラット35の金利は、前月より引き上げて1.870%と予想。2025年1月の金利を発表ずみの楽天銀行は、変動金利、10年固定金利ともに引き上げた。
住宅ローン金利の推移は?
まずは、2024年12月の住宅ローン金利動向をおさらいしておこう。
「変動金利(新規借入)」は、調査した主要14銀行のうち、5行が引き上げ、3行が据え置きとした。
「10年固定金利(新規借入)」は、調査した主要13銀行のうち、13行が金利を引き上げとした。
「35年固定金利(新規借入、フラット35を除く)」は、調査した主要7銀行のうち、7行が引き上げとした。フラット35の金利は上昇で、1.860%となっている。
なお、2004年頃をピークに住宅ローン金利は下がり続けていたが、2024年10月に多くの銀行が基準金利の見直しを行ったことで、変動金利は上昇傾向となっている。
5年固定、10年固定、35年固定(全期間固定)については、足元では金利が上昇し始めているものの、長期的に見ればまだ低水準だ。
2025年1月のフラット35金利は、引き上げと予想
では、全期間固定の「フラット35」の金利見通しを確認しよう。実は、機関投資家に販売している「支援機構債券」(原価)の金利に、「上乗せ金利」(コスト)を足せば、翌月の金利が予測できる。
住宅金融支援機構が2024年12月18日に発表した「第212回貸付債権担保住宅金融支援機構債券」の金利を見ると、1.360%だった。上乗せ金利(コスト)は、最近の水準では0.510%~1.020%となっている。
以上を踏まえ、2025年1月の「フラット35金利」は、以下になると予想する。
・フラット35:1.870%(前月比 +0.010%)
(借入期間21〜35年、頭金10%以上、団信あり)
・フラット20:1.480%(前月比 +0.010%)
(借入期間15〜20年)
フラット35の金利は、過去最低水準
フラット35の金利は、2016年8月に0.900%の最低金利となったが、これには団体信用生命保険が含まれていない。当時の団体信用生命保険料である0.358%を金利として加算すると、当時の本当の金利は1.258%だった。
フラット35の金利は10年国債金利との連動性が高いといわれる。市場金利については、世界的な金利上昇により、日本の市場金利も上昇する可能性が指摘されており、当面は横ばいか、上昇していくと見られる。
なお、フラット35は、従来1%
また、2024年2月には商品改定があり、夫婦どちらかが40歳未満の若年夫婦世帯、または18歳未満の子ども(胎児や同居の孫も含む)を有する子育て世帯を対象に、金利の引き下げ幅を拡大している。
これで、民間銀行の全期間固定の住宅ローンと比較しても、遜色ない商品になっている。
フラット35は、審査基準がゆるく誰でも借りやすいというのが特徴だが、金利も低いとなると、全期間固定金利の中でも、有力な選択肢となる。詳しくは下記のランキングで比較してほしい。
下図は、フラット35の直近17年間の金利推移を示したものだ(2017年9月までは団体信用生命保険料を含まない金利表示だったので、すべて団信保険料を含む金利に修正)。
現在のフラット35および全期間固定金利は、長期的に見れば過去最低水準にある。借り換えを考えている人は、低金利状態が続いているうちに検討してもいいだろう。
変動金利は引き上げと予想
次に、すでに発表されている銀行の2025年1月の「変動金利」を見ていこう。現在、楽天銀行が金利を発表している。あわせて過去の金利推移も掲載する。
楽天銀行は2025年1月の変動金利を引き上げた。
【新規借入】(カッコ内は先月比)
・楽天銀行(住宅ローン) 1.004%(前月比 +0.130%)
【借り換え】
・楽天銀行(住宅ローン) 1.004%(前月比 +0.130%)
楽天銀行の変動金利は、わずかに上下はするものの直近数年間で大きな変更はなかったが、ここ数カ月では金利を引き上げている。金利上昇の局面でもその姿勢を変えていなかったが、少しずつ状況が変わってきている。
他行の変動金利については、この数カ月は引き下げる動きもあったが、今後は短プラ利上げの影響もあり上昇していくと予想される。
10年固定金利は引き上げと予想
最後に、10年固定金利の来月の金利、これまでの推移を見てみよう。2025年1月の「10年固定金利」についても、すでに楽天銀行が発表している。
10年固定金利は、市場金利の上昇に合わせて徐々に上昇してきており、2025年1月の金利も楽天銀行は引き上げている。
【新規借入】(カッコ内は先月比)
・楽天銀行(住宅ローン) 1.883%(前月比 +0.051%)
【借り換え】
・楽天銀行(住宅ローン) 1.883%(前月比 +0.051%)
10年固定金利は各金融機関の主力商品の一つ。2024年は市場金利の上昇に合わせて各銀行とも金利を徐々に引き上げており、その流れが2025年も続くと見られる。
市場金利の動向、推移は?
住宅ローンに影響を与える市場金利の推移を見ておこう。
2024年12月の利上げは見送り
住宅ローンの変動金利は、市場の短期金利(短期プライムレート)がベースとなっている。その短期金利を動かしているのが日銀の金融政策だ。
日銀は、2024年3月の金融政策決定会合で「マイナス金利政策」を解除、7月には短期金利の誘導目標を「0.25%」程度とする追加利上げを決定した。
これにより、10月には多くの銀行が住宅ローンの基準金利を引き上げた。現時点では大手銀行の住宅ローン変動金利は0.15%程度の上昇にとどまっているが、今後はさらに上昇していくと予想される。
また、11月の米大統領戦でトランプが勝利してから円安が進んでおり、日銀が円安進行を抑えるため利上げを行うのではという見方が強まっていたが、12月19日の金融政策決定会合で、利上げの見送りが決定された。
日本の10年国債は上昇傾向にある
次に、住宅ローンの固定金利のベースとなる、長期金利(10年国債)の動向を見ておこう。2024年12月18日現在の市場金利(10年国債利回り)は1.07%となっている。
長期金利は上昇傾向にある日銀は長年、10年国債金利の上限目標を1%とする金融緩和政策により低金利を維持してきたが、2024年3月19日の金融政策決定会合で撤廃を決めた。
さらに7月31日の金融政策決定会合では、今後1~2年程度の国債買い入れを減額し、保有している国債残高の縮小に手をつけることを決定した。
国債の買い入れを減額すれば需給が緩み、国債価格が下がると考えられる。国債価格が下がると金利は上昇するため、今後は固定金利型の住宅ローン金利が上昇すると予想される。
注目は、2025年1月に就任するトランプ新大統領の経済政策だ。トランプ政権で米国金利が上昇すれば、全期間固定金利も上昇する可能性が考えられる。
現状の住宅ローン金利については上昇基調にあるのは間違いないが、それでも過去10年で見ると、まだ低水準であることに変わりはないのが現状である。
変動金利は変わらず史上最低水準、フラット35は引き上げと予想
以上のことから、2025年1月の住宅ローン金利は、
・フラット35は、引き上げ
・変動金利は、引き上げ
・10年固定金利は、引き上げ
という動きになりそうだ。
住宅ローンは銀行の収益の柱の1つとなっており、一定のボリュームを取りたいという銀行が多い。
そのため、金融政策の引き締めが進みつつあるとはいえ、当面は急激な金利上昇の可能性は低いと思われる。
132銀行を比較◆住宅ローン実質金利ランキング[新規借入] |
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【調査概要】
調査日:2023年12月
調査対象:大手金融機関の住宅ローン利用者(5年以内に住宅ローンを新規借り入れ、借り換えした人)
有効回答数:822人
調査:大手アンケート調査会社に依頼
評価対象:有効回答数47以上を対象とするアンケートの設問は以下の7問。回答は5段階評価とした。なお、評価点数の平均点は小数点第2位以降を四捨五入。
【アンケートの設問】
Q1.金利の満足度は?
Q2.諸費用・手数料等は妥当でしたか?
Q3.団体信用生命保険には満足しましたか?
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【回答の配点】
・各設問は5段階で回答してもらい、Q1なら以下のように配点。平均値を求めた。
満足している(5点)
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・総合評価については、各項目の平均値を全て合算。読者が重視する「Q1金利の満足度」については点数を3倍、「Q3団信の満足度」の点数を2倍として、点数の合計を50点満点とし、10で割ることで5点満点の数値を求めた。
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淡河範明さん
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