埼玉県の中古マンションランキング・トップ100！ 浦和、大宮などの価格と値上がり率が高い物件は？【完全版】

埼玉県で「最も価格が高いマンション」「最も値上がりしたマンション」はどこなのか。埼玉県の中古マンションの価格ランキング・トップ100と価格上昇率ランキングトップ10を公開！ 併せて、マンションに精通する櫻井幸雄氏が注目物件を解説する。（執筆：住宅評論家・櫻井幸雄、データ提供：マンション情報サイト『マンションレビュー』）

埼玉県の中古マンションランキング・トップ10

　まずは、埼玉県の中古マンション「価格ランキング」と「価格上昇率ランキング（分譲時比）」の上位10物件を見てみよう。

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埼玉県の中古マンション価格ランキング上位10物件のうち、9物件が浦和区

　埼玉県で、高値で売り出される中古マンション、その価格上位は、さいたま市浦和区のものが大半を占めた。

　1位から10位までのうち、大宮区の「ヴェレーナグラン大宮大門町瑞景」が7位に入っただけで、残り9物件はすべて浦和区に所在する。

価格ランキング1位は「シティハウス浦和高砂」

　埼玉県の中古マンション価格ランキング1位は、JR浦和駅から徒歩5分のさいたま市浦和区高砂2丁目に立つ「シティハウス浦和高砂」だ。

　浦和駅と埼玉県庁や埼玉県警察がある官庁ゾーンの中間に位置し、中山道の宿場町として栄えた「浦和」の風情が残る場所。そして、石畳の歩行者専用道路「さくら草通り」に面した場所に立地しており、目立つマンションでもある。

 「シティハウス浦和高砂」が目立つマンションになることは、建設前から分かっていた。そのため、南向きの表面だけでなく、共用廊下がある北側も「建物の裏面」と思えないくらい美しくデザインされた「両A面」の設計が行われた。

　建物の北側は人通りの多い「さくら草通り」から見上げる人が多いことが分かっていたからだ。

　「両A面」と呼べるつくりにした結果、「あんなマンションに住んでみたい」という憧れを集めることになり、それによって中古価格が押し上げられた側面がある。

　マンションの外観は、中古価値を左右する要素になる…そのことを改めて思い知らされるマンションである。

価格ランキング2位の「ザ・パークハウス浦和タワー」

　2位の「ザ・パークハウス浦和タワー」は「シティハウス浦和高砂」から3年遅れで完成した超高層マンションだ。

　立地は「シティハウス浦和高砂」と同じ浦和駅の西口側。その完成は平成29年（2017年）。分譲が行われた2015年から16年にかけて。

 「ザ・パークハウス浦和タワー」は飛び抜けて高額とされた。手元に残っている新築時価格のデータを調べると、約57㎡の2LDKから約111㎡の4LDKが4600万円台から1億5500万円台だった。

　現在の水準からすると、どこが高額なの？ と思うだろう。

　しかし、当時は高いとみなされた。高い価格が設定された背景には、2013年から浦和駅に湘南新宿ラインが停車するようになったことがある。湘南新宿ラインが停車することで、浦和駅の利便性が増し、駅周辺のマンションは評価が上がった。

　特に、歴史ある住宅エリア、高砂や岸町（きしちょう）、常盤、仲町（なかちょう）などでは、価格上昇が著しかった。

価格ランキング3位の「ライオンズマンションコスタタワー浦和」

　ランキング3位の「ライオンズマンションコスタタワー浦和」も、さいたま市浦和区で一等地と評される岸町エリアのマンションだ。

　岸町には、子育て世帯の間で人気が高いさいたま市立高砂小学校があり、同マンションから近い。

　さいたま市浦和区では、マンション購入に際し、教育環境を気にする人が多い。それは、東大進学率で常に上位に位置する県立浦和高校が北浦和駅最寄りにあり、それにつながる場所のイメージがあるからだろう。

　浦和駅の近くに住めば、レベルの高い高校、大学に進むことができる…その可能性に多くのファミリーがひきつけられるわけだ。

　加えて、浦和駅周辺は再開発で新しくなっており、その魅力も大きい。

 「ライオンズマンションコスタタワー浦和」は、超高層のタワー棟と9階建てのレジデンス棟があり、いずれも2004年頃に新築分譲された。分譲時には4000万円台で購入できる3LDKが多かったため、人気が高く、短期間に完売している。

　現在、中古マンション市場において高値で取引されるマンションは、平成後期から令和に入ってから完成した築浅の物件が中心になる。

　そのなか、「ライオンズマンションコスタタワー浦和」は2006年の竣工なので、比較的時間がたった物件となる。

　それでも高い価格を維持しているのは、浦和駅から徒歩4分で、高砂小学校に近いこと。そして、再開発エリアに立地し、敷地にゆったり建設されていることなどが理由だろう。

　今後も変わらないメリットばかりなので、中古マンションとしての人気、価格も下がりにくいと考えられる。

8位の「エイペックスタワー浦和」は、埼玉県で最も値上がりしたマンション

　価格の高さで8位の「エイペックスタワー浦和」は、価格上昇率で埼玉県のナンバーワンマンションとなっている。

　完成は2003年。「ライオンズマンションコスタタワー浦和」より一足先に完成した超高層マンションで、やはり再開発エリア内に立地している。

　その敷地は高砂小学校の東側。実は、「ライオンズマンションコスタタワー浦和」は高砂小学校の西側となり、高砂小学校は2つの再開発超高層マンションに挟まれていることになる。

　有名な高砂小学校に近い立地特性は、2つのマンションの価値に少なからぬ影響を及ぼす。

　というのも2つのマンションに住めば、高砂小学校に子弟を入学させることができるから。それを狙って、子供が小学校に通う間、2つのマンションを借りて住みたい、という家族も出てくる。

　つまり、賃貸に出せば、高い家賃設定でも借り手が集まってくるわけだ。

　以上の特性は、中古価格を押し上げる要素にもなる。評判の良い学校の近くにある、という立地特性は中古価格に大きな影響を及ぼすのだ。

価格ランキングトップ10圏外で注目のマンション

　埼玉県の中古マンションで価格が高い物件のなかで、さいたま市浦和区以外に立地するものは少ない。そのなかで、興味をひかれた物件が2つある。

14位の「プラウドタワー川口」

　ひとつは、川口市内の「プラウドタワー川口」だ（ランキング表は次ページに掲載）。

 「プラウドタワー川口」があるのは川口駅の西口側。デパートをはじめたとした商業施設が集まる東口と異なり、すぐ目の前に約3万㎡の川口西公園「リリアパーク」がある側である。

 「プラウドタワー川口」は、川口駅から徒歩4分で、「川口西公園」に寄り添う場所に建設される。これは、超高層マンションが多い川口駅周辺でも、数少ない立地特性となる。

　その建物にも特徴がある。地上21階建て、総戸数200戸の大規模マンションであり、地震時の揺れを軽減させる免震構造を採用。加えて、長期優良住宅の認定も受けている。

　免震構造で長期優良住宅の認定を受けているマンションは数が少ない。全国でも二十数棟。川口市内では初めての事例だった。

　そのため、2018年の新築分譲時には値段が高い、という評価があった。しかし、令和2年（2020年）に建物が完成してからも価格が下がらず、15％の値上がりになっている。

16位の「グランドミッドタワーズ大宮」

 「プラウドタワー川口」と同様に、新築分譲時に値段が高いと言われたが、中古で大きく値上がりしているマンションに大宮駅近くの「グランドミッドタワーズ大宮」がある。

　大宮駅から徒歩7分となる30階建て2棟構成、総戸数941戸の超高層の大規模マンションだ。

その特徴は、超高層でありながら公開空地（マンションの住人以外も自由に立ち入ることができるスペース）を設けることなく建設され、約3200㎡の庭はすべてマンション住人のプライベートガーデンとなっている点。その庭を和風の回廊で囲んだデザインは秀逸だ。

　2010年の新築分譲時の価格水準は3LDKが4000万円台半ば。東向きや西向きで60㎡台の3LDKであれば、4000万円を切る価格の住戸もあった。

　そして、2023年時点の中古価格は51％と大きく値上がりした。今になってみれば、新築分譲時が安かった、ということになる。

　ちなみに「グランドミッドタワー大宮」は、2011年8月に建物が完成した後もしばらく販売が続けられた。まさに、「あのとき、買っておけば」と悔しい思いをするマンションである。

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埼玉県の中古マンション価格ランキング・トップ100

　最後に、埼玉県の中古マンションで、売却価格が高いマンション上位100物件を紹介しよう。