以下は、2024年6月の市況記事です。
都心部の中古マンション価格の上昇が止まらない。
目次
首都圏新築マンション市場と購入者の傾向について
2024年4月度は、
一方で、
新築マンション価格が大きく上昇している中でも、都心への交通利便性の高い立地のマンションの売れ行きは堅調だ。その要因は、夫婦共働きで高年収のパワーカップルの存在にある。内閣府発表の「共働き等世帯数の推移」によれば、1980年の614万世帯から2020年には1,240万世帯となり、雇用者の共働き世帯は約2倍に増加した。
新築マンション市場への影響を探ってみよう。
リクルート発表の「2023年首都圏新築マンション契約者動向調査」によると、2023年新築マンション購入者の世帯主の平均年齢は、39.2歳で2001年の調査開始以降2番目に高い水準となっている。
全体に占める共働き世帯の比率は、58.6%。既婚世帯の共働き世帯は、過去最高の75.3%となった女性の労働参加率が高まる中、新築マンション購入者既婚世帯の4分の3が共働きとなっている。世帯総年収は、全体平均で1,057万円となっていて2008年以降の調査で最も高い。既婚共働き世帯に限れば世帯総年収は、1,126万円だ。
購入物件を見てみよう。平均価格は、6,033万円と上昇が続く一方で、平均専有面積は64.7㎡と狭くなる傾向に。東京23区の購入割合は、35%と2022年とほぼ同じで広さを妥協してもエリアにこだわっている人が多い。
契約者のローン借入の傾向は?
首都圏新築マンション契約者のローン借入総額の平均は、5,235万円。借入額別の比率では、5,000万円以上を借り入れている人が52.4%。2005年以降の調査の中で最大値となっている。既婚共働きの世帯の平均借入額は、5,617万円。世帯年収1000万円以上では、借入額が6,369万円に上る。
日本銀行の金融緩和策によって、住宅ローン金利は低く抑えられてきた。融資額が増えているのは、マンション価格の上昇に加え、低金利を踏まえ手持ち資金を残していることも一因だろう。
既婚共働き世帯のうち世帯主と配偶者のペアローンの利用比率は53.8%。既婚・共働きにおける世帯総年収1000万円以上世帯では、76.5%もの世帯がペアローンを利用。年収の高いパワーカップルの資金調達力の大きさがうかがえる。
自己資金比率を見ると平均では21.7%となっているものの、5%未満の世帯が41.7%。10%未満では、53.9%。多くの人が活用している変動金利型住宅ローンの金利水準が極めて低いことも、自己資金が少ない要因だ。また、全額キャッシュの購入も1割を超えており、資金計画には、かなりバラツキがみられる。
マンションを買うエリアの傾向は?
購入物件所在地は、東京23区が35.0%で、神奈川県26.4%、埼玉県16.9%、千葉県12.2%、東京都下9.5%の順。価格は上昇しているが、2022年(東京23区33.9%)と比べ、東京23区の購入比率が高まっている。既婚・共働き世帯総年収1,000万円以上に限れば、東京23区を44.3%が選択しており、高年収共働き層が通勤利便性を重視していることが予想される。
住まいの購入理由(3つまでの限定回答)としては、「子供や家族のため、家を持ちたいと思ったから」が全体契約者の36.1%を占めており、次いで「資産を持ちたい、資産として有利だと思ったから」が32.0%。「家族のため」は、子供ありの世帯が68.6%と圧倒的に多く、「資産として有利」は、シングル男性(45.8%)、シングル女性(40.9%)が強くなっている。
シングル世帯の購入比率は、19.1%と調査開始以降で最も高い割合になっている。シングル世帯の持ち家志向の高まりも都心のマンション市場を支えていると言えそうだ。
最新の首都圏新築マンション市況【2024年6月度】
続いて、2024年4月度の首都圏新築マンション市場を見てみたい。4月は前年同月比で若干プラスと言える結果となった。
不動産経済研究所によれば、2024年4月度の新築分譲マンション発売戸数は、前年同月と比べ42.5%減少の972戸。契約率は、62.4%となっており前月よりも9.7ポイントダウンした。
また、首都圏新築マンションの1戸当たり平均価格は、7,662万円となっており、前年同月比では、85万円のダウンとなっている。
首都圏の新築マンション市場動向2024年4月
新規販売戸数 | 1戸当たり平均価格 | ㎡単価 | 契約率 | |
2023年4月 | 1,690戸 | 7,747万円 | 115.9万円 | 73.7% |
2024年3月 | 2,451戸 | 7,623万円 | 113.5万円 | 72.1% |
2024年4月 | 972戸 | 7,662万円 | 124.2万円 | 62.4% |
首都圏の新築マンション市場動向(出典:不動産経済研究所発表「首都圏新築分譲マンション市場動向 2024年4月」)
販売在庫は5,520戸で、前月末よりも145戸の減少。2023年4月末の販売在庫は4,983戸だったので、昨年対比で約1割の増加となっている。
下のグラフは、過去5年間の首都圏の新築マンション価格(平均価格)と契約率の推移を示す。契約率は好調ラインの70%を下回る結果となった。
首都圏新築マンションの地域別の発売状況は下表のようになっている。
首都圏新築マンションの販売動向(2024年4月)
新規販売戸数(前年同月比) | 契約率 | 平均価格 | |
東京23区 | 480戸(-21.3%) | 65.2% | 9,674万円 |
都下 | 146戸(-29.5%) | 56.2% | 5,814万円 |
神奈川県 | 205戸(-49.5%) | 71.7% | 6,093万円 |
埼玉県 | 70戸(-73.7%) | 18.6% | 5,088万円 |
千葉県 | 71戸(-64.7%) | 73.2% |
4,929万円 |
(出典:不動産経済研究所発表「首都圏新築分譲マンション市場動向 2024年4月」)
エリア別の価格は、東京23区が9,674万円。東京都下が5,814万円、神奈川県が6,093万円、埼玉県が5,088万円、千葉県は、4,929万円。このうち都下、神奈川、千葉が前年同月比で上昇している。
地域別で見ると、好不調の目安となる契約率70%を上回ったのは、神奈川県、千葉県の2地域。供給戸数が例年少ない4月だが、2024年は大幅に供給戸数が減っている。そのため、個別のマンションの売れ行きが契約率にも影響を及ぼしたと考えられる。
続いて、中古マンション市場を見てみよう。
首都圏の中古マンション市況【2024年6月度】
公益財団法人東日本不動産流通機構によれば、2024年4月度の首都圏中古マンション成約件数は、前年同月比10.1%増加の3,251件となっており、11カ月連続で対前年比プラスになっている。
成約価格は、前年同月比11.9%上昇の5,018万円。平均成約㎡単価も対前年同月比11.3%上昇の78.08万円となっている。成約㎡単価が前年同月を上回るのは、48カ月連続となり4年間上昇を続けていることになる。また、2024年4月の新規登録物件の㎡単価は、73.70万円となっていて、前月の73.81万円より若干下落した。
首都圏の中古マンション市場動向2024年4月
成約件数 | 平均成約㎡単価 | 新規登録件数 | 在庫件数 | |
2023年4月 | 2,954件 | 70.17万円 | 17,263件 | 45,596件 |
2024年3月 | 3,810件 | 75.88万円 | 16,846件 | 46,351件 |
2024年4月 | 3,251件 | 78.08万円 | 16,902件 | 46,027件 |
首都圏の中古マンション市場動向(出典:東日本不動産流通機構発表「2024年4月度の中古マンション月例速報」)
2024年4月の新規登録物件数は、対前年同月比で2.1%減少の16,902件。在庫件数は減少し46,027件で、前年同月比で0.7%減少したものの、前年同月比では0.9%上昇し高水準が続く。
下のグラフは、過去5年間の首都圏の中古マンション価格(成約㎡単価、在庫㎡単価)と在庫件数の推移を示す。2023年春にかけて在庫件数が大きく伸びたが、2023年夏以降は、鈍化している。
次に、地域別の中古マンション動向を見てみてみよう。
地域別では、神奈川県その他以外の地域で成約件数が増加。中でも都区部は、19.0%の大幅増加となっている。成約㎡単価も対前年同月比で全ての地域で上昇。東京都区部の成約㎡単価は、前年同月比で+8.3%となっており、㎡単価は、113.08万円と高水準が続く。
首都圏の中古マンション成約㎡単価(2024年4月)
東京23区 | 都下(多摩) | 横浜・川崎市 | 神奈川県その他 | 埼玉県 | 千葉県 | |
---|---|---|---|---|---|---|
成約㎡単価 | 113.08万円 | 53.49万円 | 64.88万円 | 42.29万円 | 42.05万円 | 41.05万円 |
前年同月比 | +8.3% | +4.2% | +9.2% | +4.6% | +4.9% | +11.3% |
前月比 | +3.3% | -3.0% | +0.8% | -3.2% | -4.9% | +1.9% |
(出典:東日本不動産流通機構発表「月例速報マーケットウォッチ サマリーレポート 2024年4月度」)
さらに東日本不動産流通機構発表の「月例速報マーケットウォッチ データ」によると、地域を細かく見てみると、都心3区(千代田・中央・港)の価格上昇が続いており2024年4月度は、成約㎡単価が前月の177.16万円をさらに上回る182.86万円に。前年同月の156.63万円よりも16.8%もの上昇となっている。
同じく城東地区(台東区、江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区、足立区、荒川区)も伸び率が大きく2023年4月度の77.07万円から88.52万円と14.9%も上昇している。江東区などの都心近接エリアは、新築マンション価格が大きく上昇しており中古マンション相場への影響も大きくなっている。
次に、今月の注目マンション「パークホームズ上板橋」を紹介する。
注目のマンション!販売好調の「パークホームズ上板橋」
再開発が進行中の上板橋駅から徒歩6分、総戸数138戸の大型マンション
「パークホームズ上板橋」は、東武東上線上板橋駅徒歩6分の地に誕生する全138邸の大規模レジデンスで地上9階・地下1階建てだ。4方向道路に面した広大な敷地で、総開発面積は4,339㎡にもおよぶ。
かつて緑に囲まれた屋敷があった場所で、敷地周囲に並木道を設け、従前地の緑や庭石を継承。基壇部に質感あるタイルなどを採用し高層部は、ガラス素材中心の軽やかなデザインに。街のランドマークとして存在感あるフォルムを構成している。
重厚感のあるグローヴエントランスやワーキングスペース、パーティルームとしても使えるウッドラウンジなど、上質な暮らしを予感させる共用部はとても魅力を感じる。
最寄り駅となる上板橋駅は、2023年3月の東武東上線のダイヤ改正により準急停車駅に。通勤時の池袋駅へのアクセスが大きく向上した。また、上板橋南口駅前地区では、大規模な再開発が進行中で、交通広場や都市計画道路の整備とともに、店舗や住宅などの建設が予定されている。
上板橋駅周辺には、上板橋南口銀座商店街があるほか、七軒家公園や平和公園、石神井川が流れる城北中央公園などの区民の憩いのスポットが立地する。再開発が進めば、上板橋駅の生活利便性はさらに高まりそうだ。
売り主である三井不動産レジデンシャルは、「パークホームズ上板橋」の販売活動を2023年6月にオープンしたバーチャルとリアルを融合させた販売拠点「三井のすまい 池袋サロン」で行っている。
同サロンでは、特定のモデルルームを設置せず、VRモデルルームで希望の間取りを同じサイズで投影。展示コーナーで、質感やサイズを確認でき、リアルとバーチャルが融合した住まい探しを提案している。
2024年5月から、VRモデルルームをさらに進化させ3種類のVRモデルルームを用意。最新技術であるMR(Mixed Reality)を活用し、3D化した家具を投影。レイアウト変更などにも応え、ライフスタイルに合わせた空間シミュレーションを可能とする。筆者も実際に器具を装着して体感したが、家具を置いた上での空間イメージは感じることができた。
「パークホームズ上板橋」は、総戸数138戸のうち105戸が3LDKタイプで全23タイプ。通勤の利便性と広さを求めるファミリー層にとって魅力的なプロジェクトとなっている。
第1期2次まで販売が終了し、30代から40代中心に、既に200組の集客があるなど販売は好調。坪単価は、300万円台後半の設定だが池袋駅周辺など都心の新築マンション価格が高騰する中で、共働き層などに支持されているようだ。
まとめ
2023年首都圏新築マンション契約者動向調査(リクルート調べ)を見ると、首都圏新築マンション契約者の平均年収は、2013年の796万円から2023年の1,057万円へ261万円も上昇している。また、住宅ローンの借入総額も13年の3,302万円から5,235万円へと2,000万円近くアップした。
共働き比率の高まり、低金利がこれまでのマンション市場を支えてきたといえるだろう。今後、短期金利が上昇しマンション購入者の多くが活用する変動型の住宅ローン金利が上がれば、購入予算を抑える動きが出てくるかもしれない。
「パークホームズ上板橋」に限らず、JR常磐線松戸駅など都心への通勤に便利な立地のファミリー向けマンションは高騰する都心よりも手の届きやすい価格で売れ行きが堅調だ。時間とお金の余裕をともに求めるなら、値頃感のあるエリアのマンションに目を向けて見てはいかがだろう。
パークホームズ上板橋(物件詳細はこちら)
- 価格
- 一般販売住戸:7138万円(1戸)~8438万円(1戸)
- 完成時期
- 2025年6月
- 東京都板橋区上板橋2丁目316番1
- 東武東上線「上板橋」駅 徒歩6分
- 間取り
- 一般販売住戸:2LDK(1戸)・3LDK(1戸)・4LDK(3戸)
- 専有面積
- 一般販売住戸:60.11㎡(1戸)・70.96㎡(1戸)・72.06㎡(3戸)
- 総戸数
- 138戸
- 売主
- 三井不動産レジデンシャル株式会社【国土交通大臣(4)第7259号】
- 施工会社
- 株式会社長谷工コーポレーション
Yahoo!不動産詳細へ
※データは2024年6月12日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
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マンション相場の仕組みと調べ方を解説!
価格が上がっているのはなぜ?
マンション価格は、コロナ禍以降の3年間で大きく上昇
2022年度の首都圏新築マンション発売戸数は、前期(3万3,636戸)比12.1%減少の2万9,569戸。平均価格は、前年度比8.6%上昇の6,288万円となり、年度ベースで過去最高値を大きく更新した。
なお、東京23区は前年度比0.7%減の8,236万円となっている(参考:不動産経済研究所発表の「2022年度首都圏 新築分譲マンション市場動向」)。
中古マンション価格の上昇も続いている。2022年度の首都圏中古マンションの平均成約価格は、前年度比10.0%上昇の4,343万円。1㎡あたりの単価は、11.7%上昇の68.55万円となっている(東日本不動産流通機構発表の「年報マーケットウォッチ2022年度」)。
コロナ禍前の2019年度の首都圏新築マンションの平均価格は、5,980万円。東京23区は7,286万円だった。コロナ禍以降の3年間で首都圏平均で5.0%、東京23区では13.0%超も上昇したことになる。
こうした新築・中古マンション価格の上昇は長期間にわたっている。不動産市場価格の動向を表すものとして国土交通省が作成しているデータに「不動産価格指数」がある(下図)。
不動産価格指数の推移
2010年を100として指数化したもので、マンション(区分所有)、戸建て住宅、住宅地など種別ごとに公表している。
2022年5月末時点のマンション(区分所有)の不動産価格指数は、全国で188.6、東京都で185.6となっており大きく上昇していることがわかる。
一方で、他の不動産価格指数を見ると戸建て住宅は、全国で116.5、東京132.7、住宅地は、全国111.1、住宅地123.5とマンション(区分所有)と比べ上昇幅が小さい。
ではなぜ、マンション(区分所有)と戸建て住宅でこのような価格差が生まれたのであろうか。相場形成の要因について考えてみたい。
なぜマンション価格は上がっているのか?
オープンなマーケットでは、価格は需要と供給によって変動する。比較的堅調なマンション市場を支えているのは、低金利下でマンションを購入する30代から40代の1次取得層(初めて物件を購入する世帯主)だ。
2022年の新築マンション購入者のうち30代・40代の占める割合は、68.2%と約7割を占める(参考:「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査(株式会社リクルート)」。
また、共働き比率の増加もマンション需要を後押しする。令和4年就業統計基本調査によれば、育児をしている者に占める有業者の割合は、85.2%であり10年前の71.1%より大きく上昇している。
こうした傾向は、新築マンション購入者動向にも表れており、2022年新築マンション購入者の既婚世帯の共働き比率は、73%となっている。
一方、新築マンションの供給戸数はピーク時よりも大きく減少している。不動産経済研究所のデータによれば、首都圏の供給戸数のピークは、2000年の9万5,635戸。直近の7年間は4万戸を下回っており、2022年は2万9,569戸と3万戸を割り込んだ。リーマンショック前の2007年の6万1,021戸と比べると50%未満の水準だ。
供給戸数が減っているのには理由がある。一つは、都市の市街化が進む中でマンション供給に適した用地が減っていること。かつては、工場や倉庫跡地、社宅跡地などが資産の見直しで市場に放出され、大規模マンションなどに生まれ変わった。
そうした事業用地の転用が一巡し、近年は事業化に調整を要する再開発や建て替えプロジェクトが目立つようになっている。
もう一つの要因が建築費の上昇だ。建築費は、人件費や原材料費、輸送費などに影響される。もともと上昇トレンドにあったが、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻によってより顕著になった。
一般財団法人建設物価調査会発表の2023年8月度の集合住宅RCの建築費指数は、工事原価が124.0。この指数は、2015年平均を100としており、2020年平均は104.2だった。工事費がこの3年間で大きく上昇していることを示唆する。
新築マンションの原価の多くは、土地原価と建物原価が占める。建築費の上昇は、土地が比較的安く、建物原価の割合が高い郊外エリアなどの事業性に影響を与え、供給戸数を抑制する。そして需要に対して十分な供給戸数がなければ価格上昇につながっていく。
新築マンションと中古マンションを並行して検討している人は、2022年は54%に上る。従って、新築マンションの需給動向は、中古マンションの需給にも影響している(参考:「新築マンション契約者動向調査(株式会社リクルート)」)。
日本は、長期間デフレ下にあり大きな課題であったが、2023年7月度の消費者物価指数の全国総合指数は、前年同月比で3.3%上昇とインフレ基調にある。
ガソリン価格の上昇や人件費アップなど建築費を押し上げる要素は今後も多い。また、インバウンド需要の回復などにより都市部の用地取得競争も激しくなっている。原価が上昇しても需要が弱ければ価格は上昇しにくいが、今後の価格動向には注意が必要だ。
マンション相場を調べるには?
ここ数年は、マンション価格が大きく上昇したこともあり、マンション相場を把握することが難しくなっている。取引価格の目安にもなる地価公示が発表されている土地価格と異なり、マンション価格は個別性が強く、一般の人が理解するのは容易ではない。では、どうやって相場を把握するのか。
まず、新築マンションについては、売り出し中の物件の公開されている価格から調べることができる。最近では、販売住戸の価格をすべて開示するマンションもあり把握しやすくなった。
また、正式価格発表前の予定価格の場合は、反響件数を獲得するため最低価格や最多価格帯をやや低めに設定するケースが多い。例えば、3LDKタイプの最多価格帯が5,900万円台とあれば、中心価格帯は、6,000万円台以上と思ってよいだろう。
・地価LOOKレポート
将来の新築マンション価格動向の参考になるのが「地価LOOKレポート」(主要都市の高度利用地地価動向報告)だ。地価LOOKレポートとは、四半期ごとに地価動向を把握し、先行的な地価動向を示したもの。対象地区は、三大都市圏、地方中心都市などで、特に地価動向を把握する必要性の高いところとなっている。
不動産鑑定士が情報を収集し、結果を国土交通省が集約し、公表している。中心市街地のマンション価格は、土地価格が占める割合が高いのでマンション価格動向を知るヒントになる。
▪マンションレビュー
中古マンションデータなら、ワンノブアカインドが運営する「マンションレビュー」がおすすめだ。全国の100万棟を超えるマンション・アパートが登録されており、会員登録すればマンション名を入力するだけで、今のマンション相場や住戸ごとの推定価格をリサーチできる。情報の更新頻度も高く、プロから見た実感相場にも近い印象だ。
中古マンションの新築時からの上昇率、中古物件の販売価格の履歴や賃料相場なども確認でき、相場の推移や賃貸する場合の利回りなども計算できる。専有面積や方位、階数などの入力で住戸の推定相場も算出され、便利である。 「中古マンションランキング」では、人気マンションの相場をエリアごとにチェックすることができる。また、有償であるが、過去に分譲されたマンションの新築時の価格表もデータで入手可能だ。
現地へも足を運ぼう
新築マンションや中古マンションの相場を知ることは、納得感のあるマンション選びをするための重要なポイントだ。そして、3000物件以上のモデルルームや現場を見た筆者の意見として一番のおすすめは、モデルルームの見学や現地を回り自分の目で確かめること。
「百聞は一見に如(し)かず」とは、マンション選びにも言えることで、相場が把握できるだけでなく、モデルルーム見学で本当は、どんな暮らしがしたいかもイメージできる。納得のあるマンション選びのためには、相場を確認するだけでなく実際の現場を回ることが大切だろう。
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